【あの一言】
どうなる外交・安全保障
解説委員・石川一洋 北東アジアにとって今年、基本的な構造が変わるかもしれない。中ロ関係の質がこれまでとは違う形になる可能性がある。ウクライナ問題に伴う米ロの対立が、北東アジアの戦略的な構造を大きく変えるかもしれない。エネルギーを中国が買うことと引き換えに、ロシアの最新鋭のステルス戦闘機SU35と防空ミサイルS400の供与に向けた交渉がかなり進んでいる。もしも中国の経済力にロシアの軍事力が一体となったらその時こそ新冷戦になるだろう。
2014/12/28 NHK総合[解説スタジアムスペシャル]
解説委員・石川一洋 外務省にも不満がある。そうであるならば外務省がはたして米国と本当に人脈を構築して米国のホワイトハウスの奥底に入っていけているのか疑問。あるいはロシアのクレムリン、中国なども然り。そのあたりの外交力という面で若干不安に感じるところがある。
2014/12/28 NHK総合[解説スタジアムスペシャル]
解説委員・島田敏男 米国のオバマ政権の指導力をなじるという色合いが官邸外交の中に見え、外務省はそれを危険だと言っている。これが事の本質。日本外交に対し不安定なものを感じるというのはまさにその通り。
2014/12/28 NHK総合[解説スタジアムスペシャル]
解説委員・加藤青延 中国から見れば韓国と日本はある意味ではライバル。特に経済的な面で言えば競合する部分が多い。日本が今まで中国市場でがんばっているところで韓国のメーカーがどんどん入ってきて競争しているという状況。韓国政府と中国政府の思惑だけではなく、経済的に韓国が中国市場で相当押してきている。しかも来年は中韓FTAがおそらく動き出す。そうなるとますます日本と中国の関係が不利な状況に置かれるということがあり、日中もできるだけ早く韓国と同じような土俵に立って取引きできるようにしたい。
2014/12/28 NHK総合[解説スタジアムスペシャル]
解説委員・岩田明子 国有化以降実現していなかった日中首脳会談が実現したことは東アジア外交において一定の前進があった。その影響もあってAPECの首脳会談後の夕食会で安倍総理の隣がパククネ大統領で2時間近くやりとりをした。これは非公式であっても中身のある会談で来年は日韓国交正常化50年なので良い年にしたいといわれた。中国との関係が進んだおかげで韓国との外交も少し進み、東アジア外交はかなり前進があった。
2014/12/28 NHK総合[解説スタジアムスペシャル]
解説委員・島田敏男 日中関係はかなり厳しい。靖国神社問題という東アジア外交にとって極めてセンシティブな問題でどこまで安倍総理は我慢ができるのか。支持基盤の中には我慢せず行けという人も多い。それをどうコントロールできるのかというのが大きな課題。戦後70年に出すであろう総理大臣談話の中で歴史修正主義ととられかねないような考え方というものを一切排除して過去の歴史を踏まえた未来志向に落ち着かせることができるかどうか。過剰なナショナリズムの台頭、そうした支持基盤をもつ安倍総理だからこそそこまでやっていけるのかまだまだわからない。
2014/12/28 NHK総合[解説スタジアムスペシャル]
解説委員・加藤青延 来年は日中関係にとって厄年。来年は戦後70年と言われているが第二次大戦だけでなく、日清戦争120年とか第一次大戦100年とかも、日中の問題にからむ節目の日がいくつもある。中国ではナショナリズムが起きやすい。すると中国政府も国民の感情に影響を受け日中関係に逆風がかなり吹くのではないかという見方もある。今は日中関係が重要だと思っていても来年はどうなるかわからない。
2014/12/28 NHK総合[解説スタジアムスペシャル]
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