【あの一言】
相次ぐ最高益・成長への課題は
解説委員・今井純子 リーマンショック後、トヨタ自動車や日立製作所をはじめ名だたる大企業が相次いで赤字に転落。それがリストラでぜい肉をそぎ落とし、ようやく大きな利益を上げるまでに立ち直った。多くの会社が4月から始まった今年度も、さらに利益が増えるという見通しを示している。次は、もっと大きく成長するために、挙げた利益をどう使うかが課題。ところが多くの企業は前向きな投資にはなお慎重。リーマンショック後、利益率は全体で過去最高の水準に達している。また日本企業が抱える現金や預金は231兆円。しかし、企業の設備投資の先行きを示す主な機械メーカーの2月の受注額は前月比マイナス0.4%と2ヶ月連続の減少。いざという時のためにお金を手元に置いておきたい、人口減少の国内では大きな投資はしたくないなど慎重な考えが根強く残っている。
2015/05/16 NHK総合[時論公論]
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