【あの一言】
南シナ海・進む軍事拠点化
加藤青延解説委員 注目されるのは今年始まった中国の軍事体制改革。中国は軍隊を中国共産党の軍隊と位置付けている。習近平家主席がトップの座を占める中央軍事委員会は最高機関だが、実際にはその下で軍を動かしている総参謀部など制服組の実行組織がいて、事実上の権力を持っていた。今回の改革では実行組織を細分化し中央軍事委員会に取り込み習主席に軍の権力を集中させた。今回のミサイル配備も習主席の了解のもとに行われた行動だと言える。中国が今後南シナ海で米国との緊張を高めようとするのかどうか、全ては習主席の手綱さばきにかかっている。
2016/02/23 NHK総合[時論公論]
津屋尚解説委員 有事を想定した場合、中国が最も警戒しているのは米軍の空母機動部隊や航空戦力。中国はこれらの中国本土への接近を拒否する戦略を採用しており、それに基づいて軍備増強を進めている。南シナ海の軍事拠点化もその一環と指摘する専門家もいる。さらに中国が今後南シナ海に防空識別圏を設定することも考えられており、そうなると緊張が高まることになりかねない。
2016/02/23 NHK総合[時論公論]
津屋尚解説委員 ウッディー島にはミサイルや滑走路の他に戦闘機の格納庫やレーダー施設、弾薬庫、港湾施設など洋上の軍事基地にとって必要なものが揃っている。南沙諸島の人工島も同じように強化されることが考えられる。仮に両方で軍事基地化が進んだ場合、南シナ海に中国軍の海上基地ネットワークが出来上がり、中国軍が常に睨みを利かせることになり、航行する船舶は安心して通れなくなるかもしれない。中国からすれば日本や米国を牽制する材料になるとの見方もある。
2016/02/23 NHK総合[時論公論]
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