【あの一言】
総力展望「外交2018」・中国軍艦「尖閣接続水域」航行
自民党参議院議員・松川るい 昨年10月の共産党大会において、習近平国家主席自身が「2049年には世界帝国になり、2035年までには近代軍を設立する。太平洋は米国と中国で分けられるくらい広い」と言った。太平洋の出口をふさいでいるのは日本で、出て行くためには台湾海峡か沖縄・尖閣諸島周辺を米国に見つからずに航行できる力をつけないといけないというのが中国の戦略。中国は究極の忖度国家であり、習近平国家主席がやれと言っているわけではないが、共産党大会でトップが決めた大きな方針に沿って、着々と目的に向かってやっている。
2018/01/11 BSフジ[プライムニュース]
外交ジャーナリスト・作家・手嶋龍一 従来、米国と日本はやや後ろ向きだったが、先の自民党二階幹事長の訪中以来、潮目が変わってきている。習近平政権は一帯一路を日本の協力を得て進めていきたいと思っている。ただしその内容は中国のリーダーシップの下に中国の設計図に従ってやってくださいということで、これは中国のまさに影響下で日本も米国も豪州もインドもASEAN諸国も困ることになりかねない。断固として譲れない点、協力をする点というものを分けて対応し、その点では北京に対し強いメッセージを送らなければならない。
2018/01/11 BSフジ[プライムニュース]
外交評論家・マサチューセッツ工科大シニアフェロー・岡本行夫 中国は日本の反応を試しながら少しづつ既成事実を積み上げている。自分達の政府船舶、軍艦が自由に接続水域、やがては領海に入れるという事実を積み重ねて、日中で共同管理するのが狙い。中国の潜水艦が領海に侵入してきた場合、日本はどういう対応をとるのか考えておくべき。1980年代、ソ連の潜水艦がスウェーデンの領海に入った時には、スウェーデンはソ連の潜水艦に爆弾を投下した。それ以来ソ連の領海侵入はなくなった。日本も中国船が領海に入った場合にはそれぐらい強い意思をもってやるべきかもしれない。
2018/01/11 BSフジ[プライムニュース]
外交ジャーナリスト・作家・手嶋龍一 今回の事案はほとんど驚くにあたらない。中国は真珠の首飾りと呼ばれる事実上の中国の寄港地をインド洋、南シナ海、東シナ海にまたがって作っている。その中のひとつであるスリランカのハンバントタ港を見てきたが、ここは借金のかたに全ての港湾の運営権を中国が差し押さえた。結果としてスリランカに主権があるにも関わらず、住民は港に足を踏み入れることができなくなった。中国は海洋強国を標ぼうしており中国の海軍力の浸透ぶりは深く大きく進行してきている。こういう大きな文脈の中で日本の事例も起きており、中国の海洋進出を騒ぎ立てるだけでなく、どれほどの大きなスケールで進んでいるのかを見直してみる必要がある。
2018/01/11 BSフジ[プライムニュース]
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