【あの一言】
専門家はどうみる?イラン情勢・北朝鮮問題
慶應義塾大学准教授・礒崎敦仁 非常に残念な状況。北朝鮮にとっても折角、対話の場を持てたにも関わらず何も得られていない。制裁の緩和すら得られておらず、1年が経とうとしている。北朝鮮にはやはり早めに物事を進めたいという焦りはある。ハノイでの米朝首脳会談から3か月経過してしまっているが、今すぐ動かさないとすぐに核実験に戻ってしまうとかそういう風にも読み取れない。つまり忍耐という言葉は、すでに元日の新年の辞でも、そして4月中旬の金正恩国務委員長の施政演説でも使われており、北朝鮮の立場に変化はないよということを米国に再びメッセージとして送って、変化を促している。
2019/06/09 NHK総合[日曜討論]
マサチューセッツ工科大学シニアフェロー・元外交官・岡本行夫 2015年のイラン核合意は日本が入らないで作られている合意、ドイツは入ったが日本は入っていない。今までマクロンフランス大統領とかメルケルドイツ首相が懸命に米国に合意を守るようにと説得してきたが、聞く耳を貸さなかった。部外者である日本がその中身についてトランプ大統領言ったとしても、あんまり大きなインパクトはない。日本ができることは当面の雰囲気の改善。1番、理想的なのはトランプ大統領、ロウハニ大統領の直接会談まで持っていくことだろう。
2019/06/09 NHK総合[日曜討論]
マサチューセッツ工科大学シニアフェロー・元外交官・岡本行夫 ひと言で言えばトランプ大統領というか米国は滅茶苦茶。2015年に折角、核合意をヨーロッパ、中国、ロシア合わせて7か国で合意したわけで、イランはこれを守ってきた。IAEAもイランは守っていると認定しているにも関わらず、結局はオバマ憎しでやっている。オバマ大統領がやったことを全部ひっくり返している。段々選挙が近づいてくると、イランに厳しくあたることはイスラエルを守ることに繋がるという理由で、米国の宗教右派が大喝采する。政治的な理由でテーブルを米国がもう1度ひっくり返した。これはひと言で言えば、トランプ大統領はメキシコの国境の壁建設もそうだったが、彼が作り出した政治的危機。全く必要のない危機。
2019/06/09 NHK総合[日曜討論]
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