【あの一言】
過激派「イスラム国」再台頭の懸念も・トルコ・クルド人勢力攻撃に波紋
国際情報誌「フォーサイト」元編集長・堤伸輔 そもそもシリアからの撤兵がきっかけで昨年12月にマティス国防長官が辞めることになった。マティス国防長官はこれに反対していた。今度もウクライナの時と同じようにエルドワン大統領との電話会談で急に決めてしまった。魔の電話会談というべきもので国防省や国務省も今回の決定には当然反対している。トランプ大統領の一存で決めてしまい後は経済を破壊して報復すればいいからとエルドアンを止められるなどという非常に単純な読みをしている。多分これはトランプ大統領の一番の失敗になっていく可能性がある。今、7か所ぐらいにイスラム国の戦闘員やその家族が拘束されたり捕虜になったりしている。どうやって彼らを野に放たないでコントロールするかみたいないくつもの問題が出てくる。アサド大統領やプーチン大統領やイランなどいろいろなプレーヤーがこの機に乗じて混乱をさせにくるだろう。これと同じように日本も最後、トランプ大統領から北朝鮮問題で勝手にやってくれという言われる懸念もある。
2019/10/10 BS-TBS[報道1930]
元外務事務次官・藪中三十二 ワシントンではこのニュースばかりが流れている。キーワードは「トランプが仲間を見捨てた」ということ。中東で起きたことは日本人にわかりにくいが、これは他人ごとではない。日本の安全保障を考えたときにはものすごく大きな問題となる。仲間を見捨てることは同盟国を見捨てることにもつながる。イスラム国との戦闘で米国人と一緒に戦い一番頑張ったのはクルド人だった。この戦闘で1万1000人ものクルド人が命を落とした。そのクルド人をトランプは見捨てた。エルドワンというトルコの大統領と日曜日に話をしてクルド人への攻撃をOKしてしまった。それが今、大問題になっていて今まではウクライナやいろいろなことで批判を受け弾劾手続きに入っているものの、共和党はトランプを支持する姿勢を見せていた。しかしこの問題に至っては共和党の中心の上院議員たちが皆トランプ批判にまわってしまい、トランプは慌てている。
2019/10/10 BS-TBS[報道1930]
|