【あの一言】
中国全人代延期・習近平指導部の苦悩
加藤青延専門解説委員 全人代の常務委員会は、全人代をいつまで延期するかを決めていない。コロナウイルスの終息のめどがつかめた段階で決めることになるのではないか。習近平指導部は共産党の重要会議で、この病気を建国以来最も困難な公衆衛生事件と位置づけ、経済や社会への大きな影響は不可避との認識を示した。このような危機を招いたのは、習近平政権の初動態勢の遅れと危機管理の甘さに合ったのではとの声が高まっており、清華大学・キョショウジュン教授、北京大学・チョウチホン教授らは、感染拡大は習近平体制がもたらした人災だとして言論の自由を強く求める声をあげはじめた。自らの権威と威信を守るためさらに強硬で頑なな姿勢を貫き通すのか、現実を直視し柔軟な姿勢に転じるのか、習近平国家主席は極めて難しい局面に立たされている。
2020/03/03 NHK総合[時論公論]
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