【あの一言】
特集・新総理誕生で日本の対中政策は
宮本アジア研究所代表・宮本雄二 中国が日本の尖閣諸島に手を出して日本の実効支配というのを実力で変更し始めた。現状変更をやってきた。日本は戦後初めて日本の国土防衛のために日米安全保障条約を発動するという状況が来た。そうすると日本を守るための日米安保体制なので、インド洋に行って米国を助けるというのとは次元が異なる、米国との軍事安全保障関係に入らざるをえなくなる。そう仕向けたのは中国。結果として、日本は客観的に見て米国側に引き寄せられることになった。
2020/09/05 BSジャパン[日経プラス10サタデー]
中国問題グローバル研究所所長・遠藤誉 安倍さんが辞任表明した翌日に中国共産党系のメディアである「環球時報」が社説を出して「中国は日米関係を離間させるべきで、日本を中国側に取り込むことが中国の最大の意義である」と明確に書いた。ここまで露骨に中国の狙いを書いた社説というのは今まであまり見たことがない。ペンタゴンがつい先日、中国の軍事力に関する報告書を出したが、「ミサイルとか海軍とかの方面で明らかに米国は中国に負けている。中国の軍事力の方が高い」と書かれている。そんな恐ろしい状況の中で日本が中国側につく、すなわち習近平国家主席を国賓として日本に招へいするというようなことをやれば、(日本の)最後で、天皇陛下に習近平国家主席が拝謁して、その写真を全世界にばらまくことでコロナの罪、人権弾圧の罪、香港国安法の罪すべてのものが免罪符を得たと主張するだろう。どんなことがあっても習近平国家主席を国賓として日本に招いてはならない。
2020/09/05 BSジャパン[日経プラス10サタデー]
神田外語大学教授・興梠一郎 中国の一連の日本に関する論評を見ていると、いろんなシンクタンクの人たちが国内向けにいろいろな発言をしている。それを総合すると中国が嫌がることをやっていかないと日本は中国に取り込まれてしまう。ひとつはサプライチェーンを日本が中国から他に移してしまうのではないかということを中国はすごく気にしている。日本政府にはそういう動きが一部であることは確か。あとは米国が中国に科学技術が渡ることを封じ込めようとしているが、科学技術で協力ができなくなること。イージスアショアの問題もあるが、軍事的な安保の問題で、日本が独自に米国の中距離ミサイルを配備するようになることを非常に怖がっている。こうしたことを中国科学院の日本研究所所長が懸念していると「環球時報」に書いている。中国は日本が5アイズのメンバーになり6アイズになることを非常に嫌がっている。日本は中国が嫌がることをやって日本の力にして中国と対等に付き合っていくべき。そうでないと呑み込まれてしまう。
2020/09/05 BSジャパン[日経プラス10サタデー]
宮本アジア研究所代表・宮本雄二 中国は安全保障の観点からすると、急速に軍事力を増強させている。米国の太平洋におけるオペレーションに大きな影響を及ぼす軍事力を持っ巨大な国が隣にある。ここと不安定な対立関係になるのは日本の国策として間違っている。
2020/09/05 BSジャパン[日経プラス10サタデー]
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