【タレコメ】
寺島実郎の発言まとめ
緊迫…イランとイスラエル・世界は?全面戦争の危機 第一次世界大戦が終わった後、オスマン帝国は解体されたが、オスマン帝国下のパレスチナでは多民族が共存していた。第二次大戦後に英国の思惑でイスラエルという国が建国され、この辺りから中東の力学が大きく変わった。要するに大国の横暴で中東がものすごくかき回されてきた。今中東に起こっていることを大きく括れば米国のプレゼンスの低下で、かつての中東の地域パワー、オスマン帝国のトルコやペルシャがじわりと出てきている。今後、国家同士の戦いになる可能性はないが、ゲリラとかテロだとかのじれじれするような消耗戦というのが中東で続いていくだろう。
2024/04/21 TBSテレビ[サンデーモーニング]
イスラエルがイラン大使館攻撃?報復宣言…火ダネ拡大を懸念 自分たちが虐げられ、一番歴史の中で苦しい思いをしてきたユダヤ人が今度は自分たちが優位に立つと、パレスチナ人たちに対してここまで残酷なことをやってしまう。それが度を越して今度はいよいよカタールが持っている中東のメディア・アルジャジーラの排除まで言い始めている。米国もさすがにこのまま放っておくとこの秋の大統領選挙にまで影響してくるということもあってか、厳しくイスラエルに対して構え始めている。国連が言っているように(イスラエルを)共存できるような地域に国際社会がもっていけるかどうかがポイントとなる。
2024/04/07 TBSテレビ[サンデーモーニング]
探知・迎撃困難?北朝鮮 地政学的に言うと北朝鮮という国は中国周辺国、中国の影響下にある国と言っていい。ここでロシア・中国・北朝鮮との関係が密になっているようにも見えるが、それぞれ疑心暗鬼な部分もあって、微妙な三角関係というのがどうなるのかがまず注目点。(北朝鮮は)軍事強国になっているというふうに一生懸命アピールしているが、国民を幸福にできない閉ざされた国の末路というのは極めて厳しい。サイバー攻撃などで金を得て、ミサイル開発なんかに向かわせているが、国民経済が国際社会の中から隔絶している国というのは衰退していくことになるだろう。
2024/04/07 TBSテレビ[サンデーモーニング]
安倍派幹部らの処分に明暗 検証も総括もしないまま安倍派を排除する奇妙なコップの中の嵐みたいなものを我々は見せつけられている。真相解明と言っているが、日本を取り戻すと言って再登場してきた安倍さんの、例えばアベノミクスなるものが行き着いた先はまさに現在の円安の状況であり、旧統一協会との関係から炙り出されてきている政治の構図とか、プーチンに手玉に取られた外交など、取り戻した日本が一体何だったのかということを我々は国民としてよく考えないといけない。まもなく岸田首相自らが訪米というタイミングが迫っているが、日米同盟で中国と向き合おうというような流れの中に日本はいる。沖縄、尖閣、台湾有事のことを考えて本当にそれでいいのかということ、同盟国として米国に対して日本が何を言うのかがすごく問われている。
2024/04/07 TBSテレビ[サンデーモーニング]
<風をよむ>平和国家・日本…? 国際連合の分担金という比率がある。日本は21世紀を迎える頃、国連の21%の分担金を支えていたが、GDPが相対的に沈下してきて、去年は8%にまで落ちてきた。逆に中国は1%から15%まで増やしてきている。どんなに発言力の小さい国でも自己主張するためには筋道の通った主張というのが大事。国際社会の中で日本が持っている筋道はやはり非核・平和。新しい時代に向けて日本の国際社会での役割は何なんなのかということを真剣に自問自答していかないといけない。
2024/03/31 TBSテレビ[サンデーモーニング]
過去最大の防衛費・社会保障費・“借金”の返済と利払いも 日本の公的負債、借金はGDPの2.6倍。そのために赤字国債出して、その国債を日銀に持たせているという異様なことになっている。去年の9月末時点で、日銀は574兆円の国債を持っている。国債発行の57%、つまり6割近くを日銀が持っている。世界先進国の中でも日本は際立った借金を抱えており、これからマイナス金利が上がり、金利のある時代に向けていこうとしている中で、政府の見通しでは国債の利払いが23年に7兆6千億だったものが、少なくとも10年後には10兆円以上増えるとの試算が出てきている。ここら辺りで日本人の借金に対する無神経さというものを変えていかないとまずい状況。
2024/03/31 TBSテレビ[サンデーモーニング]
“異次元緩和”転換後もナゼ?・止まらぬ円安に「断固たる措置」 国際社会での議論で日本円は130円に戻るのかというのが非常に大きなポイントになっていた。日米の金利差が縮まれば、円高に戻るだろうとの見方で今までエコノミストは予想していた。ところがこれが戻らない。多分130円などにはとても戻らないだろう。なぜならば日本のファンダメンタルズ・実体経済についての信頼、例えば財政の規律の問題だとか、日本経済そのものに対する信頼感がぐらついてきていることがあるからだ。
2024/03/31 TBSテレビ[サンデーモーニング]
震災13年・廃炉の遠い道のり“原発回帰”強める岸田政権 日本では未だに100万キロワットレベルの軽水炉の原発を安全であれば再稼働、場合によっては輸出にも協力するみたいな流れで話をしているが、今、世界の原子力の動向を見ていると技術の進化がものすごい。例えば米国などでは安全性を担保した小型原発の方にどんどん研究開発が動いている。核融合などにしてもどんどん新しい動きが出ている。日本では反原発というところで躍起になっているうちに大学も縮小され、いつの間にか原子力工学に立ち向かう若い人達がいなくなってしまった。技術基盤をどうするのかという話になっている。今この瞬間にも日本は化石燃料に依存しており皮肉にも昨年も日本のLNGの1割近くをロシアに依存している。
2024/03/10 TBSテレビ[サンデーモーニング]
中国・全人代始まる・経済成長率「5%」は… 中国はなんとしても5%の成長を達成するということだが、財政出動で景気づけようというのが主眼になっており、新規の国債の発行1兆元、日本円にして約20兆円以上の国債をカンフル注射しようとしている。中国がますます国家資本主義的な傾向を強め、財政赤字がものすごく拡大している中、国防費を7.2%増やしてきた。ぎょっとするのは海外から中国への直接投資が昨年8割落ちたこと。在外華僑含めて本土の政治に腰が引け始めている。
2024/03/10 TBSテレビ[サンデーモーニング]
侵攻2年・ウクライナの苦悩は・徴兵逃れ…弾薬・兵器不足も 停戦和平というシナリオがありうるのかといえば、キッシンジャーが亡くなる前に「ウクライナをNATOに加盟させ、これ以上ロシアが出てきた場合にはNATO全体で戦うというところを見せ、ロシアに対しては東部やクリミアをウクライナに放棄してもらうという形で1回停戦に持ち込むべき」と言っていたが、和平停戦に向けて日本も含め具体的に動き出すべき年に入っている。
2024/02/25 TBSテレビ[サンデーモーニング]
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