薄暮の中の堀切菖蒲園(その209)
6月8日、その日東京都心から都営浅草線に乗り換えて、更に青砥駅で京成上野行きに乗り換え、「堀切菖蒲園」駅に向かった。...
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6月8日、その日東京都心から都営浅草線に乗り換えて、更に青砥駅で京成上野行きに乗り換え、「堀切菖蒲園」駅に向かった。
駅から、道案内の標識に従い、菖蒲園に急いだ。
手元の時計を見ると午後6時50分に、堀切菖蒲園の正門に辿り着いた。
すると、大勢の人々が閉まった門の前に並んでいるではないか。
「あれっ7時から、菖蒲園のライトアップがされるのではないのか?」と思ったが、門に架かった案内を見ると、6時から7時までは、その準備として門を閉じると書いてあった。
「ほー、1時間は準備の時間で、閉門するのか」とやっと、状況を理解することができた。
7時になると、開門され、早速中に入っていった。ライトアップはされていたが、まだ辺りは、薄暮の状態で、自然光でも菖蒲の姿が確認できた。
「丁度良いタイミングだな」と思い、ビデオカメラを片手に持ち、撮影を始めた。
薄暮の中の白や紫の菖蒲の艶やかさは、日中のその輝きとは違った妖艶さを浮き出させていた。
しかも、僅か6日前に訪れた時よりも、花が開き、その数も増えて、豪華さが増していた。
夢中になって、カメラを回していると、周囲はやがて漆黒の闇の中となり、ライトに映し出された花々だけが、闇夜に浮かんできた。
周囲の鑑賞客から、吐息交じりの賞賛の言葉が聞こえてきた。
子供たちも楽し気に、はしゃいでいた。
漆黒の闇に浮かぶ、白や紫、それに赤紫。ズームアップすると花弁の筋までが透き通った色を演出してくれた。
昼と夜。そして僅か6日の間にこれほどの賑わいになる等、想像がつかなかった。
暫らく、江戸前の花菖蒲に酔っていたが、半袖のTシャツでは、じんわりと寒さを感じてきた。
時計を見ると8時少し前であった。
もう少し、その場に未練はあったが、風邪気味であったので、残念ながら帰ることにした。出口の門を出る時に係員から「有難うございます」と言われ、私も反射的にお礼の言葉を口にした。
堀切菖蒲園駅までの道すがら、余韻にしたりながら、雨にたたられなかった幸運に感謝しつつ、その日は帰宅した。
それにしても、入場料も取らず、ライティングの準備も全てボランティアで行っているその心意気には尊さを感じた。
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とにかく堀切菖蒲園の花は美しい(その208)
6月2日、その日の朝早くに起きて、京成市川真間の駅から、堀切菖蒲園駅に向かった。...
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6月2日、その日の朝早くに起きて、京成市川真間の駅から、堀切菖蒲園駅に向かった。
菖蒲園に着くと、まだ朝8時前というのに既に門が開けられていた。
園の中に入ると、紫基調の菖蒲の花が、一面に散らばっていた。
この季節には、菖蒲の花のこの美しさが、ぴったりであった。
その日も空は、厚い雲に覆われて、梅雨時の鬱陶しい様子であった。
水が張られた、その中に、なんとも鮮やかな紫や白、それが混じった花菖蒲が、凛として咲き誇っていた。
心が洗われて、はっとする優雅さであった。
それほど、広くない菖蒲園ではあったが、玉の違いがはっきりして、品質本位の花の園であった。
どの花を見ても、すっきりした感覚を呼び起こす、優れものであった。
その菖蒲の世話をしてる人々も、皆さん丁寧に手入れをしている様子であった。
「相当、しっかり手入れをしているな・・・」と心の中で感謝をし、その成果物の艶やかさを鑑賞させて貰った。
なぜか、気分がすっきりして、すがすがしい気分になった。
早朝であったので、人は少ないし、花も生き生きしていた。
花の鑑賞には、早朝が適しているのではないかと内心思った。
それにしても、この江戸前の日本的美しさは、ここでしかお目にかかれないと、その贅沢さに満足した。
相変わらず、空は重い灰色であったが、麻の長そでシャツ1枚で、暑くも寒くもない気候であった。
その日は、そこから都心へと向かった。
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朝起きして再び薔薇の園へ(その207)
5月26日、その日は早起きして、7時半頃のJR総武快速線に乗り、船橋駅で京成線に乗り換えて谷津駅に向かった。...
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5月26日、その日は早起きして、7時半頃のJR総武快速線に乗り、船橋駅で京成線に乗り換えて谷津駅に向かった。
駅から暫らく歩くと、「読売巨人軍発祥の地」と銘する看板の奥に、谷津バラ園が見えてきた。
8時に開園になったばかりのバラ園に入ると、甘い花の香りがしてきた。
朝早くなので、園内はまだ人影はまばらであった。
早速、ビデオカメラを用意して、歩きながら薔薇の園を歩いてみた。
先週行った「京成バラ園」よりも一回り小柄で、バラの花の数も少ないように思えたが、豪華なバラの花の園に変わりはないようだった。
何よりも、朝早く来園したおかげで、人影がほとんどないことがうれしかった。
暫らく園内を歩くと、「バラの大アーチ」に陣取り、三脚を立てて、じっくりバラの花を撮影した。
赤白ローズ、などの色彩麗しい花々が、園内に散らばっていて、カメラのファインダーから見るその対象は飽きることが無かった。
後ろを通りかかる子供の声も、その園に融合して、麗しい景色に溶け込んでしまっていた。
アーチの中のベンチに腰を掛けて、ゆっくり見渡すと、更にカメラに収めたい衝動に駆られてきて、再びカメラを回し始めた。
その日は、朝からじりじりと太陽が直撃してきた。
1時間ほどすると、人の数も増えてきて、カメラの中にも、その姿が映る様になってきた。
それにしても、早朝の薔薇園は、動画を撮るものには、最適であった。
園のデザインは良くできていて、色のバランスなど絶品であった。
時計を見ると、10時に近くなってきたので、その日は、その園を後にすることにした。
Tシャツには、汗が滲み、顔にも汗が浮かんでいた。
カンカン照りというのはこんなもんだろうかと思い、5月末にしては、暑すぎる「バラの園」を後にした。
帰り道に、すれ違った、100人以上の団体客が、入園したら、一気に人の方が多い状態になるのではないかと、心配しながら、駅へと急いだ。
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