4月16日、その日は朝から気温が高く、半袖のシャツを着て、9時ごろ家を出た。
気温が気になり、手元のウォッチを見たが、気温のところだけ抜けていた。よくあることだった。
江戸川の土手を走っていると、一列に白いユニフォームを着た子供たちが座っている光景が目に入ってきた。
30人ほどもいると思われるその集団を後に、まだ桜が咲いている寅さん公園を過ぎて、堤から水元公園へのアプローチ道路へと降りた。
既に、葉桜状態になっている部分も見えたが、それでもまだまだ桜は咲いており、時折吹いてくる風に花びらが舞っていた。
正面の入り口からは入らず、側道の桜並木によるトンネルを走り、最後の桜見物を楽しんだ。
丁度、桜が途切れた辺りで、公園の中に入ると、可愛らしいチューリップの花壇が目に入った。
花壇は、数か所にあり、その季節が来たことを覗わせた。
湖に近づくといつものようにメルヘンを感じさせられた。
しばらく、湖畔を走り、メタセコイアの森の中に入っていった。
その中では、鳥を追いかけ、ある人は三脚に巨大な望遠レンズをつけたカメラを置き、シャッターチャンスを狙っていた。
その横を通り過ぎ、耳を澄ますと、鶯やらスズメやらのさえずりが心地よく聞こえてきた。
木々の緑は、より深く鮮やかになって行く実感を感じさせてくれた。
それにしても、この公園は広いと再認識させられた。
新たな、空間を走っているつもりが、知らない内に、来た道だと気づかされるような、何か錯覚に襲われるほどであった。
桜の季節から、チューリップの季節、そして菖蒲の季節へと自然はどんどん変化して行き、それを楽しんでる人々がそこに集うことになる。
全身で生き生きした自然の息吹を感じ、その日は帰途に就いた。
髪の毛には、少し汗が滲み、シャワーを浴びた。正午ごろの事だった。
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