【隅田川シーズンズ】
雨中の東京マラソンを浅草橋東口で(その194)
3月3日、その日の朝9時40分ごろ、JR市川駅から総武緩行線で浅草橋駅まで行った。
浅草橋東口に出ると、既に大勢のマラソンファンが詰めかけていた。
駅に面した江戸通りは、東京マラソンの往復共に、そのコースとなっていた。
10時を少し回ったその時間には、大勢のランナーが往路を駆け抜け浅草雷門へと向かっていた。
私は都営地下鉄の階段を下りて、江戸通りを挟んだ反対側に急いだ。
まだ、雷門からの復路の選手たちの到着には間に合うと考えたからだった。
反対側に渡り、少し歩き浅草橋を超えたところに、一角だけ道路の先頭に入り込める場所を見付て、そこを撮影の拠点とすることにした。
雨がしとしとと降り、ダウンジャケットに降りかかってきた。カメラにも水滴が浮かんでいたが、かまってはいられなかった。
試しに、カメラを回してみると、交通整理の巡査の顔が、映ってしまい、なかなか上手いアングルが見つからなかった。
隣には、親子3代にわたるマラソンファンが割り込んできて、盛んに選手の下馬評を語っていた。
やがて、パラの選手の車がやってきた。凄く速いスピードで、前を過ぎて行った。
その内に、先導車とみられる自動車がやってきて、その後に最初のランナーが見えてきた。
そのランナーが走り去ると、他の車に先導された選手が、次々にやってきては、あっという間に目の前を過ぎて行った。
往路を走る大勢のランナーをバックに、復路の選手たちは、一人か数人でやってきた。
選手が通り過ぎると「がんばれー」の声が、あちらこちらから聞こえた。
応援の人の中には、ビニール傘でカメラを遮る人もいた。
兎に角、小雨降るマラソンレースには熱気がこもっていた。
「こんなに大勢の人が熱くなっているのだ」と胸中では感心した。
熱気がむんむんする先頭の列を外れ、先ほど来た駅の方に歩き、東口の人形店の前を通ると、「ひな祭り」の人形が沢山飾られていた。
その日は、ひな祭りでもあったのだった。
江戸通りには、ボランティアが大勢並び、水の供給やごみの回収のためのテーブルが引き詰められていた。
ここ一帯、いや東京マラソンの順路一帯は、その日「東京マラソン」一色に染められていたと感じた。
再度、地下鉄の通路を使って、江戸通りをくぐり、JRの浅草橋駅に辿り着くと、そのまま市川駅へと帰宅の途に就いた。
時計を見ると、まだ11時頃だった。小雨が降り続く、肌寒い日であった。
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