【隅田川シーズンズ】
向島百花園・やっと萩の花のトンネルを通ることができた(その224)
その日は「やっと会えた」萩の花の群生を見た瞬間に、そんな思いを感じた。 出会ってみると、萩の花は地味ではあったが、なるほど「秋」を感じさせる草花であった。 赤紫の小さな花が、枝に集まっているような感じであった。その花がトンネル状に咲いていた。 トンネルを3回ほどくぐった。 9時半頃の時間帯であったので、他の客もそれほどいなかった。 僅か、10メートル位のトンネルにアーチ状に萩の花が絡んでいた。 トンネルを出てみると、紫色と白の混ざった菊の花の上に、鮮やかなグリーンの大きな羽を付けたアゲハチョウが盛んに蜜を吸っていた。 白い雲が混ざった青空に、その蝶の大きな羽は綺麗に映っていた。 ビデオカメラに、その姿をしっかりと収めた時に、なぜかほっとした事を覚えている。 萩のトンネルの入り口に、三脚を立て、外から中へと撮影をした。 トンネルの上には、東京スカイツリーの先端の塔が顔を出していた。 9月半ばの初秋の匂いが、その園内に漂い、萩や菊、桔梗などの鮮やかな色見をした秋の草花の息使いが聞こえていた。 その朝の客は、会話から判断すると、日本人だけだったように思えた。 ベンチに座り、持参した水筒で、のどを潤わせてから、その日は帰路に就いた。 市川駅に戻ってきたのは、いつも通り、12時頃であった。 長袖の麻のシャツに汗も滲まず、ほど良い陽気であった。 戻る |