8月19日、その日午後2時ごろ、JR上野駅を降り目の前の上野公園に入った。 雲はかかっていたが、空は明るく見えた。 東京文化会館から歩き始めて、上野動物園を正面とする広い道路が国立博物館前に広がる道路と交差する地点が、やはり上野公園の中心地となるのだろうか。 その辺りでは、大道で弾き語りをしたり、前衛的なダンスを踊って道行く人に披露していた。 辺りを歩く人々も、そうした上野の山独特の文化を、立ち止まって鑑賞したり、カメラを向けたりして楽しんでいるように見えた。 その交差点を博物館の方に少し移動すると、白い大きなスクリーンが目の前に登場し、その日は「お笑い芸人」の舞台となっていた。 東京五輪開催のタイミングで、大きなスクリーンを置き、その模様をパブリックビューイングで大勢の人々が一緒に楽しむとすれば、ここしかないかなと思った。 結構、広い空間があり、地形的にも警備が万全にでき、特に山のような地形になっているので、車も完全にシャットダウンできるので、その候補地としては理想的な感じがした。 この公園には、いくつもの博物館や美術館等があり、特に世界文化資産として登録された「国立西洋美術館」も存在する。 東京には珍しい近代文化の集積地とも言える。いや上野寛永寺などもあり、明治維新前夜の出来事も歴史的側面を感じさせる雰囲気もあった。 大きな木々が生い茂り、夏の盛りであってもなぜか涼やかな風が吹き、都会の雑踏を感じさせない場所でもあった。