台湾海峡で高まる緊張(10月31日)
陸上自衛隊が南西諸島で35年ぶりの大規模演習を行うことを検討している。陸上自衛隊ほぼ全員の約14万人が参加する。実際に車両なども移動させ展開し演習を行うとしている。こうした大規模演習を行う背景には尖閣で中国公船が侵入し続けていることもあるが、台湾海峡でかってないほど緊張が高まっていることが一番大きな理由として挙げられる。
日本の同盟国である米国が今まで派遣していなかった大臣レベルの高官を台湾に派遣すとか、台湾の蔡英文総統をプレジデントと呼び、台湾に最新鋭の武器を売却したりする米国の動きに中国は強く反発し、米中はこれまでとは異なるフェーズに入っている。...
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陸上自衛隊が南西諸島で35年ぶりの大規模演習を行うことを検討している。陸上自衛隊ほぼ全員の約14万人が参加する。実際に車両なども移動させ展開し演習を行うとしている。こうした大規模演習を行う背景には尖閣で中国公船が侵入し続けていることもあるが、台湾海峡でかってないほど緊張が高まっていることが一番大きな理由として挙げられる。
日本の同盟国である米国が今まで派遣していなかった大臣レベルの高官を台湾に派遣すとか、台湾の蔡英文総統をプレジデントと呼び、台湾に最新鋭の武器を売却したりする米国の動きに中国は強く反発し、米中はこれまでとは異なるフェーズに入っている。ただし、米国は台湾が欲しがっているF35などの武器をそのまま認めているわけではなく、最低限の武器に限って供与している。
中国にとって台湾は核心中の核心的利益といっても過言ではない。米国が中国を刺激しすぎた場合には、武力衝突がないとはいえない状況に既にあり、その場合は日本が巻き込まれる可能性も高い。
米国は経済的に中国を追い詰め、軍事的オプションを使えなくするという戦術を取ってきたが、中国は5中全会で「双循環」を掲げ、経済でも独り立ちしていく方向性を見せている。経済的に追い詰めたことが逆に中国の台湾に対する軍事オプションを広げる方向に向かっている。
仮に台湾が中国に組み込まれるようなことになれば、西側社会はサプライチェーンとしての台湾を失うことになり、大きな痛手を被ることにもなる。日本が独自のプレゼンスをどう発揮していくかを問われる局面が来るかもしれない。
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米国の台湾への武器売却・中国が対抗措置・示唆(10月28日)
米国・トランプ政権は台湾への武器売却を相次いで決めており、先週は戦闘機から発射する地上攻撃型のミサイルなど、26日には対艦ミサイルなどの売却を決め議会に通知した。
中国外務省・汪文斌報道官は強く反発した上で、対抗措置をとる可能性を示唆した。
中国政府は、トランプ政権が台湾への武器売却を決めたことに対し、売却に関わる米国企業などへの制裁の実施をおととい明らかにしたばかりで、米中の対立が激しさを増している。...
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米国・トランプ政権は台湾への武器売却を相次いで決めており、先週は戦闘機から発射する地上攻撃型のミサイルなど、26日には対艦ミサイルなどの売却を決め議会に通知した。
中国外務省・汪文斌報道官は強く反発した上で、対抗措置をとる可能性を示唆した。
中国政府は、トランプ政権が台湾への武器売却を決めたことに対し、売却に関わる米国企業などへの制裁の実施をおととい明らかにしたばかりで、米中の対立が激しさを増している。
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デジタル人民元・米ドル基軸体制への挑戦(10月24日)
中国はデジタル人民元の実現に向けて、広東省深センで4万人規模の大規模な実証実験を行うなどして既に導入に向けた準備を加速させている。
23日、中国人民銀行はデジタル人民元を発行できるようにするために中国人民銀行法の改正草案を発表した。
既に実証実験で先行している中国が法整備でも日米欧を先行する形となり、日米欧の中国に対する警戒感が一層高まっている。
この草案は法定通貨の人民元にデジタル通貨も加えるものであり、通貨の発行時期は明示されていないものの、その一部は2022年の冬季五輪会場で試行されるのではないかとも噂されている。
宇宙開発に見る米中覇権争い(10月24日)
コロナ禍で地上の諸活動が制限される中、宇宙では熱い戦いが繰り広げられようとしている。
米国の月探査プロジェクトの一環である「アルテミス計画」に日米のほか英国、カナダ、イタリア、豪州、ルクセンブルク、UAEが署名した。また、文部科学省は13年ぶりに日本人宇宙飛行士の募集を開始した。
こうした一連の動きは宇宙においても存在感を発揮する中国を念頭においていることは明らかである。
国際宇宙ステーションは2024年まで活動を継続することになったものの、それ以降は2022年までに宇宙ステーションを完成させていると宣言している中国製宇宙ステーションだけになる。...
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コロナ禍で地上の諸活動が制限される中、宇宙では熱い戦いが繰り広げられようとしている。
米国の月探査プロジェクトの一環である「アルテミス計画」に日米のほか英国、カナダ、イタリア、豪州、ルクセンブルク、UAEが署名した。また、文部科学省は13年ぶりに日本人宇宙飛行士の募集を開始した。
こうした一連の動きは宇宙においても存在感を発揮する中国を念頭においていることは明らかである。
国際宇宙ステーションは2024年まで活動を継続することになったものの、それ以降は2022年までに宇宙ステーションを完成させていると宣言している中国製宇宙ステーションだけになる。
このままでいけば宇宙研究のイニシアティブは中国に握られかねない。
懸念されるのは中国の宇宙研究が軍民一体であることである。例えば月を軍事拠点にして地球上にある敵対国家の軍事ネットワークを破壊することも研究されている。
米国は「アルテミス計画」に国際社会を巻き込むとともに、スペースXなどの民間会社をこの計画に組み込み、中国をけん制しようとしている。米中覇権争いは他国を巻き込んで確実に宇宙空間でも始まっているといえる。
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回復する中国経済に懸念・巻き込まれる日本企業(10月20日)
米国による中国に対する一方的な制裁措置の強化は回復に向かう中国経済の重石となっている。
トランプ政権は安全保障上必要だとして中国の通信機器メーカー大手・ファーウェイを政府調達から排除するほか、ファーウェイを含むハイテク企業5社の製品を使用する企業にまで米国政府との取引ができないようにしようとしている。
またオーストラリアや英国も次世代の通信機器「5G」などでファーウェイ製品の排除を打ち出すなど、先進各国に同様な動きが広がっている。...
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米国による中国に対する一方的な制裁措置の強化は回復に向かう中国経済の重石となっている。
トランプ政権は安全保障上必要だとして中国の通信機器メーカー大手・ファーウェイを政府調達から排除するほか、ファーウェイを含むハイテク企業5社の製品を使用する企業にまで米国政府との取引ができないようにしようとしている。
またオーストラリアや英国も次世代の通信機器「5G」などでファーウェイ製品の排除を打ち出すなど、先進各国に同様な動きが広がっている。このため中国が強みを持つハイテク産業で先進国向けの価格帯の高い製品の輸出が鈍っていくおそれが出ている。
さらに深刻なのはトランプ政権が先月15日から米国製の半導体製造装置でつくられた製品をファーウェイに販売することは認めないという措置に踏み切り、ファーウェイが最新型の半導体を調達できなくなったことだ。
その結果5Gのスマートフォンの製造が難しくなったり、5Gの通信機器の性能が保てなくなるのではという見方が出ている。
米国との摩擦は中国経済を引っ張ってゆくハイテク産業の行方に大きな影を落としている。
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