米国政権・中国5メディア「党の宣伝機関」(2月20日)
米国のトランプ政権は18日、中国国営の新華社通信など5つの報道機関を「中国共産党の宣伝機関」と認定した。
対象となるのは新華社通信のほか、中国国営の外国語放送「CGTN」など5社で、米国国務省の高官はこの5社について、「100パーセント中国政府と中国共産党のために働いている」と指摘した。
今回の「宣伝機関認定」により、5社は米国国内で働く従業員のリストの提出や、新たな雇用と解雇の際の届け出などが義務付けられる。...
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米国のトランプ政権は18日、中国国営の新華社通信など5つの報道機関を「中国共産党の宣伝機関」と認定した。
対象となるのは新華社通信のほか、中国国営の外国語放送「CGTN」など5社で、米国国務省の高官はこの5社について、「100パーセント中国政府と中国共産党のために働いている」と指摘した。
今回の「宣伝機関認定」により、5社は米国国内で働く従業員のリストの提出や、新たな雇用と解雇の際の届け出などが義務付けられる。
これを受けて中国外務省の耿爽報道官は19日のオンラインでの会見で、「強烈な不満と断固反対を表明する」と話した。
ただ報復措置をとるかどうか記者から問われると、「その権利を留保する」と述べるにとどめた。
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新型コロナウイルス感染拡大・中国外相“西側は偏見捨てるべき”(2月16日)
中国の王毅外相はミュンヘン安全保障会議で演説し新型コロナウイルスの感染拡大の抑え込みに自信を示したうえで西側は制度が異なる中国への偏見を捨てるべきだなどとして中国への批判を強める米国などに反論した。
そのうえで「今回の感染拡大は各国の運命が緊密につながっていることを示している」と述べ。感染症対策のためにも世界は多国間主義を強めるべきだという考えを強調した。
そして、中国の政治制度を正当化した。...
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中国の王毅外相はミュンヘン安全保障会議で演説し新型コロナウイルスの感染拡大の抑え込みに自信を示したうえで西側は制度が異なる中国への偏見を捨てるべきだなどとして中国への批判を強める米国などに反論した。
そのうえで「今回の感染拡大は各国の運命が緊密につながっていることを示している」と述べ。感染症対策のためにも世界は多国間主義を強めるべきだという考えを強調した。
そして、中国の政治制度を正当化した。さらに「世界が堅持するべき多国間主義は一国主義と相いれない。大国は自国を優先すべきでなく共同の利益を守る責任がある」などと述べ名指しを避けながら米国を批判するとともに中国は世界各国と共同で発展したいという立場を強調した。
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米中覇権争いと新型コロナウイルスショック(2月15日)
(米中覇権争いは防疫分野にまで及び始めた)
米中貿易戦争第一段階の合意が発効し、世界が安堵感に包まれたのもつかの間、中国・武漢発の新型コロナウイルス肺炎「Covid-19」感染拡大が世界を揺さぶっている。中国の初動対応の出遅れによって感染を世界に広げてしまったことは否定しようのない事実である。中国国内はパニックの様相を呈しており、このまま中国の対策が功を奏さなければ、中国が米国に約束している農産品の購入も果たされないのではないかとの声も出てきている。...
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(米中覇権争いは防疫分野にまで及び始めた)
米中貿易戦争第一段階の合意が発効し、世界が安堵感に包まれたのもつかの間、中国・武漢発の新型コロナウイルス肺炎「Covid-19」感染拡大が世界を揺さぶっている。中国の初動対応の出遅れによって感染を世界に広げてしまったことは否定しようのない事実である。中国国内はパニックの様相を呈しており、このまま中国の対策が功を奏さなければ、中国が米国に約束している農産品の購入も果たされないのではないかとの声も出てきている。そうなれば米国も何らかの報復措置に出てくる可能性もある。すでに懸念すべき兆候が出てきている。中国が「Covid-19」の封じ込めに大慌てで対応している最中に、米国司法省は「北朝鮮で不正な取引に関与した」などとの理由でファーウェイとその関連会社を「集団暴力・腐敗組織法」や「企業機密窃盗罪」の罪で追起訴したのである。これに対し中国外務省は、「米国側は根拠を示さずに特定の中国企業に不当な圧力をかけている」と猛反発した。米国はここが中国に対する叩き時だと逆に見ているような節も見受けられる。経済政策の司令塔・クドローNEC委員長は中国当局が基準を変更し感染者数が激増したことや、米国CDCの専門家派遣に難色を示していることなどを根拠に中国の発表する感染症例と死者数の正確さに疑問を呈し「中国の対応は不透明だ」と非難している。米中覇権争いは貿易・経済・軍事、ハイテク分野から新たな安全保障ともいえる防疫分野にまで及び始めた。
(Covid-19は世界経済にどのような影響をもたらすのか)
中国の民間のシンクタンクは今年1-3月までの成長率について、去年1年間の6.1%から大幅に落ち込み、4%程度にとどまるという見方を示している。特に懸念されるのは製造業が集積し中国の輸出基地となっている沿海部にある中小企業への影響である。こうした企業群は米中摩擦の影響ですでに大きなダメージを受けている上、感染拡大が最も深刻な湖北省からの労働者が多く、生産もままならない状況になる可能性もある。中国政府は緊急支援策で日本円にして18兆円余りを投入する措置で対応する予定だが、感染封じ込めが長引けば、大量の失業者が生まれる恐れもある。世界の工場である中国の生産ラインがストップすれば世界経済にも当然大きな影響が生じる。特に中国との関係を強めている日本企業には大きなダメージを与えるかもしれない。GDP世界第2の中国は日本経済と深く結びついている。中国の経済活動の停滞はあらゆる面で日本に大きな影響をもたらすことになる。日本の自動車メーカー各社は工場の操業を延期することを余儀なくされているが、中国の自動車消費の落ち込みや自動車部品など、サプライチェーンに支障が出ていることは、日本の自動車産業に大きな影響を与える可能性がある。もうひとつ観光立国を成長産業のコアに据えている日本経済に大きく影響を与えそうなのが中国人観光客の激減である。特に日本としては7月に東京五輪パラリンピックを控えているだけに大きな試練を迎えている。3月までの間に団体旅行だけで40万人のキャンセルが出る可能性があり、宿泊や飲食などサービス産業が深刻な打撃を受けることが予想されている。大和総研ではこうした影響について、感染拡大が3か月で収まったとしても日本のGDP国内総生産の伸び率を0.2%程度1年続いた場合には0.9%程度も押し下げるという見通しを示している。既に中国人観光客がメインの大手家電量販店「ラオックス」は140人の希望退職者を募集し始めている。対岸の火事だと思っていた新型コロナウイルスの影響が健康面だけでなく経済面でも日本の足元に及び始めている。
(新型コロナウイルスショック・今後の行方)
中国政府が感染封じ込め対策と同時に落ち込む経済をてこ入れするための強力な対策を打ち出していけるかどうかが今後のポイントとなる。中国政府は過剰投資や過剰在庫を抱えた過去の経済対策の反省から、最近では景気を無理やり押し上げるための巨額の財政出動はしないという方針を徹底してきたが、ここはなりふり構わない経済対策に出るものとみられる。中国と覇権を争う米国にとっては中国に追い打ちをかけることで弱体化させるチャンス到来ともいえるが、ここで中国をさらに叩いてしまうと米国の景気にも影響を与え、11月の大統領選挙にも影響が出る可能性があるため、トランプ大統領としても、中国を刺激する行動はとらないとみられる。
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“中国経済の混乱につながり世界全体に波及の可能性”(2月8日)
米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は7日、世界経済の先行きについて「新型コロナウイルスの出現が中国経済の混乱につながり、世界全体に波及する可能性がある」と指摘した。
FRBは、米中の貿易摩擦がやや緩和される方向になったことで、景気減速のリスクは後退したという認識を示してきたが、新型コロナウイルスが世界経済の新たなリスクになるとして、警戒感を示した形である。
米中首脳電話会談を行う(2月8日)
7日午前、習近平主席は、米国のトランプ大統領と電話会談を行った。
その中で習近平主席は、「新型肺炎が発生して以来、予防・抑制措置を取り、関連措置は徐々に効果を上げつつある。我々は感染拡大に打ち勝つ自信があり、その能力もある」と述べ、さらに「米国社会各界からの物資の寄付に感謝する」「WHOは専門的な立場から、総ての国は過剰反応をするべきではないと呼び掛けている。米国が冷静に感染状況を評価し、合理的に対応措置を策定・調整することを望む」と述べた。...
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7日午前、習近平主席は、米国のトランプ大統領と電話会談を行った。
その中で習近平主席は、「新型肺炎が発生して以来、予防・抑制措置を取り、関連措置は徐々に効果を上げつつある。我々は感染拡大に打ち勝つ自信があり、その能力もある」と述べ、さらに「米国社会各界からの物資の寄付に感謝する」「WHOは専門的な立場から、総ての国は過剰反応をするべきではないと呼び掛けている。米国が冷静に感染状況を評価し、合理的に対応措置を策定・調整することを望む」と述べた。
これに対しトランプ大統領は、「米国は中国の新型肺炎に対する闘いを全力で支援し、専門家を派遣し、その他の方法で中国に援助を提供することを望んでいる」として支援を約束した。
さらに貿易問題にも話がおよび、習近平主席は「中米は先ごろ第一段階の合意に達した。中米がこのような合意に達することができたことは、中国と米国にとってプラスであり、世界の平和と繁栄にとってもプラスとなる。真摯に両国元首が達成した共通認識を実行し、協調、協力、安定という早期長を堅持し、中米関係が新たな年に正しい軌道に沿って発展するよう促すことを望んでいる」と強調している。
WHOが人の移動や貿易を制限するものではない、としているのに対し、米国が逸早く湖北省だけでなく、中国全土からの渡航者に対する入国制限をしたことに対し、苦言を呈した形になっている。貿易問題についても言及しているが、まだまだ感染の終息は見通せない段階で、さらなる米中貿易交渉は難しそうである。
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