カナダへの報復か(12月13日)
カナダで拘束された華為(ファーウェイ)の孟晩舟CFOは、仮釈放されたものの、その前に中国はカナダへ報復を始めたようにみうけられる。すでにカナダの元外交官であったマイケル・コブリグ氏が北京で拘束されたとの報道があったが、それとは別のカナダ人が中国で拘束されたとも伝えられている。
もちろん中国は報復であることを否定している。12日行われた外交部の定例記者会見で陸慷スポークスマンは、マイケル・コブリグ氏に関する質問を19回、問いかけられた質問を途中で遮ることもなく受けている。...
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カナダで拘束された華為(ファーウェイ)の孟晩舟CFOは、仮釈放されたものの、その前に中国はカナダへ報復を始めたようにみうけられる。すでにカナダの元外交官であったマイケル・コブリグ氏が北京で拘束されたとの報道があったが、それとは別のカナダ人が中国で拘束されたとも伝えられている。
もちろん中国は報復であることを否定している。12日行われた外交部の定例記者会見で陸慷スポークスマンは、マイケル・コブリグ氏に関する質問を19回、問いかけられた質問を途中で遮ることもなく受けている。その答弁では今回の拘束は、マイケル・コブリグ氏が所属していた国際危機グループが、中国に届け出がないシンクタンクであり、『中華人民共和国境外非政府組織の境内活動管理辨法』に違反したからだとしている。また記者の「今回のカナダ人の拘束は、孟晩舟氏を保護するための措置か」との質問に対しては、「質問のロジックがわからない。あくまで非政府組織に関する法律に基づくものだ。」と答えている。
外交部のこの答弁があったとしても、タイミング的にいっても、拘束が報復であったことを否定するのは難しい。事態が今後エスカレートするのか否かは米国の出方にも関わってくるが、カナダや中国国籍の人に限らない、危機が訪れるかもしれない。
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ファーウェイ副会長・保釈認める(12月12日)
中国通信機器大手・ファーウェイの副会長が米国の要請でカナダ・バンクーバー国際空港で逮捕された事件で、カナダの裁判所は8億5千万円の保釈金を納付することやパスポート提出などを条件に副会長の孟晩舟容疑者の保釈を認めた。
孟晩舟容疑者はイランの通信会社と取り引きし、米国の複数金融機関に虚偽の説明をした詐欺の疑いが持たれている。
孟晩舟容疑者は米国に身柄引き渡されるどうかの手続きが進む間、バンクーバーの自宅に滞在することになる。...
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中国通信機器大手・ファーウェイの副会長が米国の要請でカナダ・バンクーバー国際空港で逮捕された事件で、カナダの裁判所は8億5千万円の保釈金を納付することやパスポート提出などを条件に副会長の孟晩舟容疑者の保釈を認めた。
孟晩舟容疑者はイランの通信会社と取り引きし、米国の複数金融機関に虚偽の説明をした詐欺の疑いが持たれている。
孟晩舟容疑者は米国に身柄引き渡されるどうかの手続きが進む間、バンクーバーの自宅に滞在することになる。
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ファーウェイ経営幹部逮捕・その背後には情報戦を巡る戦いが(12月10日)
中国の通信機器大手・ファーウェイの孟晩舟CFOが米国の要請によってカナダの空港で逮捕され、カナダの検察当局は制裁下のイランとの取引を巡る詐欺の疑いがあると主張している。
ホワイトハウス・クドロー国家経済会議委員長はFOXニュースで「ファーウェイがイランへの制裁に違反していたのは証拠から明らか」と述べた。
中国外務省は北京駐在の米国大使を呼び強く抗議し、「逮捕状を撤回するよう強く促す」としている。...
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中国の通信機器大手・ファーウェイの孟晩舟CFOが米国の要請によってカナダの空港で逮捕され、カナダの検察当局は制裁下のイランとの取引を巡る詐欺の疑いがあると主張している。
ホワイトハウス・クドロー国家経済会議委員長はFOXニュースで「ファーウェイがイランへの制裁に違反していたのは証拠から明らか」と述べた。
中国外務省は北京駐在の米国大使を呼び強く抗議し、「逮捕状を撤回するよう強く促す」としている。
孟容疑者が最高責任者を務めるファーウェイは、スマートフォン製造大手でスマホ出荷台数は世界2位、1年間の売り上げは10兆円の規模である。
ハイテク分野で世界トップを目指す中国の産業政策「中国製造2025」で、ファーウェイは「中国の重点とする『5G』分野の中心担うとみられている。
これに対し、トランプ政権は『ハイテク分野の覇権』を奪おうとしていると警戒を強めている。
今回の逮捕の米国の狙いについては、孟容疑者が逮捕されたその日はアルゼンチンで米中首脳会談が行われた日であった事で、はっきりしてきた。
カナダでは孟容疑者の勾留を続けるか審問が再開し、その後、身柄を米国に引き渡すか審問が行われる。
米国メディアは身柄の引き渡しの手続きは数週間から数カ月かかると報じている。司法の判断に注目が集まっている。
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米中先端技術覇権戦争(12月8日)
(米中首脳会談当日にファーウェイ副会長が逮捕)
アルゼンチンで行われた米中首脳会談で、米中貿易戦争は米国が中国に90日間の猶予を与える格好で一時休戦したかにみえた。しかし、その同じ日に、カナダで中国通信機器大手・ファーウェイの副会長である孟晩舟容疑者が米国の要請を受けたカナダの捜査当局に逮捕され、米中の緊張が再び高まっている。首脳会談が行われた時点で、逮捕の事実をトランプ大統領は知らなかったとしているが、6日の米国メディアのインタビューで会談で同席したボルトン大統領補佐官は「当時この事実を知っていた」と答えており、中国側は孟氏の即時釈放を要求しているが、今後、米国に対し態度を硬化させる可能性も出ている。...
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(米中首脳会談当日にファーウェイ副会長が逮捕)
アルゼンチンで行われた米中首脳会談で、米中貿易戦争は米国が中国に90日間の猶予を与える格好で一時休戦したかにみえた。しかし、その同じ日に、カナダで中国通信機器大手・ファーウェイの副会長である孟晩舟容疑者が米国の要請を受けたカナダの捜査当局に逮捕され、米中の緊張が再び高まっている。首脳会談が行われた時点で、逮捕の事実をトランプ大統領は知らなかったとしているが、6日の米国メディアのインタビューで会談で同席したボルトン大統領補佐官は「当時この事実を知っていた」と答えており、中国側は孟氏の即時釈放を要求しているが、今後、米国に対し態度を硬化させる可能性も出ている。
(米国が国防権限法に従い、ファーウェイ包囲網を構築)
それにしても、なぜファーウェイの副会長が逮捕されたことでこれほどまでの騒ぎになっているのだろうか。米国政府は今年8月に成立した国防権限法に従い、日本などの同盟国に自国の通信会社に対して、ファーウェイ製品を使わないよう要請した。経済的に中国に頼っているオーストラリアとニュージーランドでさえその要請に同調し、英国BTグループも基幹ネットワークにファーウェイ製品を採用しない方針を表明している。日本政府も、各府省庁が通信機器を調達する際、調達価格のみを基準としてきた従来の方針を改め、安全保障上のリスクも考慮に入れる形で調整に入った。これは事実上の、ファーウェイ外しである。米国政府全体がファーウェイの急成長に強い危機感を抱いている。
(米中貿易戦争は米中先端技術覇権戦争という新たなフェーズに入った)
米国がファーウェイ包囲網を構築する理由は、ファーウェイ製品に密かに情報を盗みやすくする仕掛けが組み込まれていることを米国が疑っており安全保障上の脅威と見ている点がある。ファーウェイ会長が中国人民軍出身ということもそうした疑いを余計に強めている。米国の見立て通りであれば、こうした製品はサイバー攻撃を誘発し、特にICT(情報通信技術)サプライチェーン攻撃を引き起こし、重要インフラを狙い撃ちすることを可能にするという。一方で米国は、中国との次世代技術をめぐる覇権戦争をファーウェイ叩きの奥に見据えている。「中国製造2025」の核心部分はAIを中心とした第4次産業革命であるが、その核心技術である5Gの開発はZTEとファーウェイが担っていた。トランプ政権からすればこの両社を叩いておかないと次世代技術覇権を中国に奪われてしまうという危惧を抱いていたが、すでにZTEを倒産寸前にまで追い詰めることに成功している。逆に中国は「中国製造2025」を進めるためにも、この中心的企業であるファーウェイを守りたいところである。米中貿易戦争は米中先端技術覇権戦争という新たなフェーズに入った。
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中国企業・米企業の5G対応チップをこぞって採用(12月8日)
(中国企業が米企業の5G対応チップをこぞって採用)
5G対応の初の商用モバイルチップ「スナップドラゴン855」を、米クアルコムが発表した。
次世代の通信規格5Gでファーウェイに対抗する力を持つとされるクアルコムだが、中国の「チャイナモバイル」、およびスマホメーカーの「シャオミー」「ワンプラス」「オッポ」「Vivo」「ZTE」などの中国企業が、クアルコムの最新チップ「スナップドラゴン855」を内蔵した5Gモバイルデバイスを開発しているという。...
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(中国企業が米企業の5G対応チップをこぞって採用)
5G対応の初の商用モバイルチップ「スナップドラゴン855」を、米クアルコムが発表した。
次世代の通信規格5Gでファーウェイに対抗する力を持つとされるクアルコムだが、中国の「チャイナモバイル」、およびスマホメーカーの「シャオミー」「ワンプラス」「オッポ」「Vivo」「ZTE」などの中国企業が、クアルコムの最新チップ「スナップドラゴン855」を内蔵した5Gモバイルデバイスを開発しているという。
米国製のチップを中国系企業がこぞって採用するのは政治もからんでいるのかもしれない。
アルゼンチンで行われた米中首脳会談では習近平国家主席がトランプ大統領にクアルコムによるNXP買収を承認する用意があるとの譲歩を示したと伝えられている。
NXPはモバイル決済サービスに関する技術に強みを持つオランダの企業だが、これもファーウェイ幹部逮捕を米中首脳会談で米側が示さなかったことで暗礁に乗り上げる可能性も出てきた。今後も米中最先端技術戦争から目を離すことはできない。
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