金与正「軍事合意破棄も」(6月4日)
脱北者たちが「核問題に言いがかり」をつけるビラを散布したとしたことに対し、金与正第一副部長は、脱北者と韓国当局を非難するとともに、2018年9月に南北朝鮮間で合意した軍事合意の破棄にも言及した。
4日の『朝鮮中央通信』が金与正第一副部長の「自ら災いを招くな」という談話を報じたもの。
5月31日に「脱北者」たちが前線一帯で数十万枚の反朝鮮ビラをわが方の地域に飛ばすならず者行為を働いたとして、「最も不適切な時期を選んで、最も卑劣な方式で『核問題』に言いがかりをつけて我々に対する誹謗・中傷をはばかることなく」したとし、さらにこの行為に対する「後始末をする準備ができているのかを南朝鮮当局者らに聞きたい」と、脱北者よりも、彼らを煽りたてたとして、韓国を非難している。...
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脱北者たちが「核問題に言いがかり」をつけるビラを散布したとしたことに対し、金与正第一副部長は、脱北者と韓国当局を非難するとともに、2018年9月に南北朝鮮間で合意した軍事合意の破棄にも言及した。
4日の『朝鮮中央通信』が金与正第一副部長の「自ら災いを招くな」という談話を報じたもの。
5月31日に「脱北者」たちが前線一帯で数十万枚の反朝鮮ビラをわが方の地域に飛ばすならず者行為を働いたとして、「最も不適切な時期を選んで、最も卑劣な方式で『核問題』に言いがかりをつけて我々に対する誹謗・中傷をはばかることなく」したとし、さらにこの行為に対する「後始末をする準備ができているのかを南朝鮮当局者らに聞きたい」と、脱北者よりも、彼らを煽りたてたとして、韓国を非難している。
「南朝鮮当局が、今回同族に対する悪意に満ちた雑音がでたことについて応分の措置を伴わないならが、金剛山観光廃止に続いて無駄に捨てられている開城工業地区の完全撤去になるか、あってもうるさいことしかない北南共同連絡事務所の閉鎖になるか、あってもなくても同じ北南軍事合意の破棄になるか、とにかく十分に覚悟しておくべきであろう」と取り締まりを行わない韓国に強く警告している。
脱北者に対して、罵詈雑言を浴びせ、全体に強い口調となっている。ただし金正恩委員長自身でなく、金与正副部長に言わせたのは、強い非難に対し、韓国がどのように反応するか見ようとしているとも考えられる。
まもなく金大中大統領と金正日総書記という南北首脳が初めて顔を合わせ、共同宣言をだした2000年6月15日から20周年を迎えることになる。今回の談話は、この時の共同宣言をはじめ、2018年の南北首脳会談における経済協力の約束が実行されないことへの苛立ちも含まれているものと思われる。
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北朝鮮で禁煙研究進む(6月1日)
北朝鮮で禁煙活動と禁煙研究が進んでいる。5月30日の『朝鮮中央通信』が伝えたもの。
平壌にある禁煙研究・普及所では、タバコが人体に及ぼす害と結果に対する研究や禁煙製品および健康食品の開発が行われている。北朝鮮で採集された天然素材を使った禁煙製品が造られ、禁煙の効果をあげるとともに、喫煙による障害症状を好転させているという。
また北朝鮮では昨年「タバコ統制法」が改正されている。
北朝鮮の金正恩委員長はヘビースモカーとして知られており、報道された写真でもタバコを吸っている写真をよくみかける。...
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北朝鮮で禁煙活動と禁煙研究が進んでいる。5月30日の『朝鮮中央通信』が伝えたもの。
平壌にある禁煙研究・普及所では、タバコが人体に及ぼす害と結果に対する研究や禁煙製品および健康食品の開発が行われている。北朝鮮で採集された天然素材を使った禁煙製品が造られ、禁煙の効果をあげるとともに、喫煙による障害症状を好転させているという。
また北朝鮮では昨年「タバコ統制法」が改正されている。
北朝鮮の金正恩委員長はヘビースモカーとして知られており、報道された写真でもタバコを吸っている写真をよくみかける。この記事を金正恩委員長はどのような思いで読んでいるのだろうか。あるいは金正恩委員長の健康を気遣って、誰かが書かせたのか。
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北朝鮮、香港国家安全法決議を支持(5月31日)
北朝鮮の外務省報道官は30日、中国の全人代で「香港国家安全法」を制定する決議が採択されたことを「中国が香港の安定と繁栄のために採った措置だ」として支持すると発言した。
朝鮮中央通信の記者のインタビューに答えたもので、中国の憲法と香港基本法に基づいた合法的な措置であるとして、朝鮮は、中国が国家の主権と安全および「一国二制度」を基盤とする香港の安定と繁栄を保障するための措置であると述べた。
さらに香港は、中華人民共和国が主権を行使し、中国憲法が適用される中国の不可分の領土であるとし、香港問題は完全に中国の内政に属するものであり、いかなる国家も勢力もとやかく言う権利はなく、朝鮮は香港の安定と社会および経済発展に危害を及ぼす外部の干渉に断固として反対する、と表明している。...
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北朝鮮の外務省報道官は30日、中国の全人代で「香港国家安全法」を制定する決議が採択されたことを「中国が香港の安定と繁栄のために採った措置だ」として支持すると発言した。
朝鮮中央通信の記者のインタビューに答えたもので、中国の憲法と香港基本法に基づいた合法的な措置であるとして、朝鮮は、中国が国家の主権と安全および「一国二制度」を基盤とする香港の安定と繁栄を保障するための措置であると述べた。
さらに香港は、中華人民共和国が主権を行使し、中国憲法が適用される中国の不可分の領土であるとし、香港問題は完全に中国の内政に属するものであり、いかなる国家も勢力もとやかく言う権利はなく、朝鮮は香港の安定と社会および経済発展に危害を及ぼす外部の干渉に断固として反対する、と表明している。
中国の『人民日報』はこの記事を3面に掲載し、支持者の存在をアピールしている。
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米司法省、朝中の33名を起訴(5月30日)
米国司法省は28日、朝鮮貿易銀行がマネーロンダリングをしたとして、28名の北朝鮮人と5名の中国人を起訴した。対北朝鮮制裁違反事件としては最大規模のものである。
報道によると、朝鮮貿易銀行と中国やロシアにある朝鮮貿易銀行の支店が、250のダミー会社に支払ったようにして処理した金額は25億㌦にのぼり、北朝鮮の核兵器の開発のための資金となっていた。このようなマネーロンダリングは2013年から始まっており、今年の1月まで続いていた。...
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米国司法省は28日、朝鮮貿易銀行がマネーロンダリングをしたとして、28名の北朝鮮人と5名の中国人を起訴した。対北朝鮮制裁違反事件としては最大規模のものである。
報道によると、朝鮮貿易銀行と中国やロシアにある朝鮮貿易銀行の支店が、250のダミー会社に支払ったようにして処理した金額は25億㌦にのぼり、北朝鮮の核兵器の開発のための資金となっていた。このようなマネーロンダリングは2013年から始まっており、今年の1月まで続いていた。2015年以降、米国はすでにいくつかの口座を凍結し、6300万㌦を没収している。
33名はマネーロンダリングなど10近い罪状で訴えられている。起訴された者の多くは銀行員で、朝鮮貿易銀行の2名の前頭取や2名の前副頭取も含まれている。うち1名は朝鮮の情報機関でかつて仕事をしていた。
米国の北朝鮮問題の専門家は、誰を引き渡すのか、いくら没収されるのかなどで、北朝鮮にとって大きな打撃となるだろうと語った。ロイター社はこれによって、米朝関係がさらに悪化し、米朝首脳による非核化のための交渉は一層膠着状態に陥り、両国の摩擦はさらに激化するだろうとみなしている。米国の国務省と財務省は先月北朝鮮の違法行為に警告を発しており、とくに北朝鮮が金融領域で、数年にわたってハッキングなどで、資金を盗んでいる、としていた。
ロイターによると、北朝鮮の外交部は29日、「米国が核やミサイル、人権問題に加えて北朝鮮がマネーロンダリングをしているということで、朝鮮の名誉を毀損し、朝鮮を動揺させようと企図するものだ」との声明を発表した。中国の外交部の趙立堅報道官は29日に「中国は、米国が国内法を根拠として、中国の組織や個人を弾劾しようとすることに断固反対する」と述べている。
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中国外相、朝鮮半島情勢を語る(5月25日)
24日中国の王毅外相は、全国人民代表大会の記者会見で、中国は朝米の指導者が連絡をとりあって早期に有益な対話を回復することに希望を持っているが、朝米の相互信頼が増すことによって、膠着した朝鮮半島情勢を打破するための実際の行動が必要であり、朝鮮半島情勢の解決のためには「机上の空論」ではなく実際の行動が重要だと述べた。
王毅外相は記者会見で、「朝鮮半島情勢は東北アジアの安定に重要であるが、朝鮮半島はどのような方向に進むと思うか、朝米対話は進むと思うか、その過程で中国はいかなる役割を果たすのか」という記者の質問に答えたもの。...
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24日中国の王毅外相は、全国人民代表大会の記者会見で、中国は朝米の指導者が連絡をとりあって早期に有益な対話を回復することに希望を持っているが、朝米の相互信頼が増すことによって、膠着した朝鮮半島情勢を打破するための実際の行動が必要であり、朝鮮半島情勢の解決のためには「机上の空論」ではなく実際の行動が重要だと述べた。
王毅外相は記者会見で、「朝鮮半島情勢は東北アジアの安定に重要であるが、朝鮮半島はどのような方向に進むと思うか、朝米対話は進むと思うか、その過程で中国はいかなる役割を果たすのか」という記者の質問に答えたもの。
冒頭の回答の後、王毅外相は「過去緊張緩和や非核化を行うための積極的な措置を朝鮮側は少なからず採ったが、米国側の反応がなかったことが、朝米対話を膠着状態に陥らせたと我々は思っている。現在朝鮮半島をめぐって不確定要素が累積しているが、中ロは国連安全保障理事会に、朝鮮半島を政治的に解決するための決議草案を提出している。朝鮮で経済や民生面で困難な状況を緩和する援助を行うことが、朝鮮半島問題を政治的に解決するための条件になる。我々は米国側が誠実に考慮して、容易ではない対話の成果を浪費しないように望んでいる。朝鮮半島の核問題の解決へ至る道は明確であり、非核化と平和メカニズムの構築の並進であり、段階的な非核化であり、またロードマップを共に歩むことが重要である。この得難いチャンスを逃してはならない」と述べている。
王毅外相は朝鮮半島問題の他に、中米関係や中ロ関係、香港問題など多岐にわたる質問に回答している。
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