中露、国連の対北朝鮮制裁の一部解除を提案か(12月17日)
17日にロイターが伝えるところによると、中国とロシアが月曜日に国連の安全保障理事会に、北朝鮮に対する経済制裁の一部の解除を提案したという。提案は、北朝鮮の銅像、水産物、繊維製品の輸出を制裁から解除するというもので、ロシアによると、北朝鮮に米国との会談に戻るように促すためのものだという。
提案には2017年の制裁で要求されていて、来週に迫っている海外で働いている北朝鮮労働者の本国送還の解除も含まれている。...
全部読む
17日にロイターが伝えるところによると、中国とロシアが月曜日に国連の安全保障理事会に、北朝鮮に対する経済制裁の一部の解除を提案したという。提案は、北朝鮮の銅像、水産物、繊維製品の輸出を制裁から解除するというもので、ロシアによると、北朝鮮に米国との会談に戻るように促すためのものだという。
提案には2017年の制裁で要求されていて、来週に迫っている海外で働いている北朝鮮労働者の本国送還の解除も含まれている。また南北朝鮮の間の鉄道と道路の連結についても、国連の制裁から除くようにという項目もある。
提案がいつ、15か国のメンバーからなる安全保障理事会にかけられるかはっきりしていないが、可決のためには9か国の賛成が必要であり、かつ拒否権を持つ米仏英中露の賛成が必要となる。
ロシア国連大使は、「制裁の解除を提案するのは、北朝鮮の非核化の問題というよりも、人道上の観点からである」と述べた。
米国の政府高官は、「北朝鮮による脅威がエスカレートしており、北朝鮮は非核化を拒否し、禁止されている大量破壊兵器やミサイルの開発を続けている」として「安保理で制裁解除を提案するのは時期尚早である」と述べた。
北朝鮮の巨大銅像の製作は有名であり、アフリカの国などに輸出しており、銅像の輸出で北朝鮮は何千万㌦も稼いでいるようである。
同じく水産物の輸出でも北朝鮮は何千万㌦も稼いでおり、2017年には2億9500万㌦の外貨を得ている。
繊維製品は2016年には、石炭と非鉄金属に次ぐ北朝鮮の重要な輸出産品で、2016年には7億5200万㌦輸出していて、そのうち8割は中国に輸出されている。
出稼ぎ労働者の賃金は外貨収入を北朝鮮にもたらし、国連の人権委員会によると、2015年には中露を中心に5万人が海外に出稼ぎにいっており、12億㌦から23億㌦の外貨収入を北朝鮮にもたらしていた。
閉じる
北朝鮮:クリスマス危機近づく(12月16日)
クリスマスまで10日を切った。北朝鮮外務省の対米責任者の李泰成次官は「クリスマスプレゼントが何になるかは米国次第だ」と述べたが、クリスマスプレゼントは果たして何になるのか。
北朝鮮が米国に新しい提案をするように要求した12月末の期限が近づくにつれて、北朝鮮が米国に圧力をかけている。15日から訪韓している米国のビーガン北朝鮮政策特別代表は北朝鮮にいかなるシグナルを送るのか。ロシア新聞(ロシースカヤ・ガゼータ)紙は米国が北朝鮮に対する制裁を緩和せずこれまでと同様の提案を行うなら、朝鮮半島情勢は制御できなくなる可能性もある、と報じた。...
全部読む
クリスマスまで10日を切った。北朝鮮外務省の対米責任者の李泰成次官は「クリスマスプレゼントが何になるかは米国次第だ」と述べたが、クリスマスプレゼントは果たして何になるのか。
北朝鮮が米国に新しい提案をするように要求した12月末の期限が近づくにつれて、北朝鮮が米国に圧力をかけている。15日から訪韓している米国のビーガン北朝鮮政策特別代表は北朝鮮にいかなるシグナルを送るのか。ロシア新聞(ロシースカヤ・ガゼータ)紙は米国が北朝鮮に対する制裁を緩和せずこれまでと同様の提案を行うなら、朝鮮半島情勢は制御できなくなる可能性もある、と報じた。
北朝鮮の国防科学院の報道官が12月になって2度にわたり「重大な実験」に成功したと語ったが、昨年6月の米朝首脳会談以来、北朝鮮の高官が、核戦闘能力の強化について明確に述べたのは初めてであった。韓国の聯合ニュースは、実験はICBMのエンジンか人口衛星を搭載するロケットの実験だったのだろうとして、その二者の核心技術は同一であり、搭載しているのが衛星かミサイルかの違いだけである、と報じた。ロシアのテレビ「ロシア・トゥデイ」は、米国が朝鮮半島問題を解決するための行動を何らとってこなかったことから、「重大な実験」は米国が一歩でも前に進み、少なくとも一部の制裁を取り消すようにとの要求を示すシグナルなのだろうと伝えた。
クリスマスを前に、北朝鮮はどのような次の一手を打ってくるのか。韓国の「東亜日報」は国家情報院傘下の国策研究機関の予測として「北朝鮮が言うクリスマスプレゼントは必ずしも軍事的挑発に限らず、言語による威嚇もあり得る。もし年内に米朝の対話が実現しないのであれば、北朝鮮が今月下旬に開催する労働党の中央委員会総会で、米朝の非核化交渉を終息させる可能性もある」と報じた。またロシアの専門家は「最後通牒を出す時がきたのなら、北朝鮮は極端な行動をとることもあり得るが、不可逆的な行動をとることはないだろう」と述べた。
ビーガン代表の訪韓中に北朝鮮との接触はあるのか。年末の期限が到来するまでに、今回が最後の接触の機会となる。ビーガン代表はトランプ大統領から北朝鮮との交渉に対し全権を託されたキーマンである。
「韓国日報」は、北朝鮮が二度も「重大な実験」をした後も、米国政府は慎重な姿勢を崩していないし、米国は北朝鮮が会談のテーブルをひっくり返すとも思っていないようだ、との見方をした。ただし北朝鮮が2年前のようにICBMを発射したならば、米国が強硬な政策に転換することもあり得るとの懸念を示した。一方米国のエスパー国防長官は、米国は北朝鮮に対し交渉の席に戻るように働きかけており、「外交と政治による交渉こそが唯一の手段だ」と述べている。
北朝鮮が今月下旬に新しい方針を出そうとしているということは、朝鮮半島情勢は今まさに分岐点にあることになる。ロシアの駐朝大使は14日に、「ロシアは中国とともに安保理に新方針を提案するつもりであり、米国とその盟友たちが、朝鮮への無謀な政策をとらないと信じている。我々は米国と共通の視点を持っている。すなわち朝鮮半島の非核化であり、隣国が核保有国にならないことを願っている」と述べていた。
16日韓国の李度勲朝鮮半島平和交渉本部長と会談した、ビーガン代表は、共同記者会見の席で、北朝鮮が年末を期限としていることに対し、「米国には期限がない」とし、北朝鮮に交渉の席に戻るようにとよびかけた。
閉じる
モスクワ・北朝鮮レストラン“今後も営業”(12月15日)
北朝鮮に対する国連の制裁決議を受けて各国にいる北朝鮮労働者が送還される期限が迫る中、ロシアのモスクワにある北朝鮮レストラン2軒のうち、1件は閉店したがもう1軒「今後も営業を続ける」と話しているという。
ロシアは国連の要請で就労ビザの発給を止めたが、創設者の男性は別のビザなど制裁に抵触しない形で今後もロシアに滞在するとみられ、外交関係者は北朝鮮が制裁の抜け穴を探して外貨獲得の手段を維持するのではないかと注視している。
ロシア政府高官“北朝鮮労働者の送還・進めている”(12月15日)
ロシアの政府高官は北朝鮮のミサイル開発などの資金源を断つことを目的とした国連の制裁決議に基づき、北朝鮮労働者の送還を進めていることを明らかにし、決議を順守する姿勢を改めて示した。
国連は北朝鮮のミサイル開発などの資金源を断つ制裁決議をおととし採択し、この中に盛り込まれた北朝鮮の労働者の送還が今月22日に期限を迎える。
これについて、北朝鮮に駐在するロシアのマツェゴラ大使は、滞在先のウラジオストクで取材に応じ、「北朝鮮の労働者は今、誰もが帰国している。...
全部読む
ロシアの政府高官は北朝鮮のミサイル開発などの資金源を断つことを目的とした国連の制裁決議に基づき、北朝鮮労働者の送還を進めていることを明らかにし、決議を順守する姿勢を改めて示した。
国連は北朝鮮のミサイル開発などの資金源を断つ制裁決議をおととし採択し、この中に盛り込まれた北朝鮮の労働者の送還が今月22日に期限を迎える。
これについて、北朝鮮に駐在するロシアのマツェゴラ大使は、滞在先のウラジオストクで取材に応じ、「北朝鮮の労働者は今、誰もが帰国している。(北朝鮮の労働者は)政治・経済などあらゆる面でロシアに有益だが、すべてを失おうとしている」と述べた。
ロシアは、おととしの時点で3万人余りが働いていた北朝鮮の労働者を送還する方針だが、今回の発言は国際社会と足並みをそろえて制裁決議を順守する姿勢を改めて示した形である。
閉じる
北朝鮮:戦略兵器開発へ ~ビーガン代表は韓日訪問へ~(12月15日)
北朝鮮の朴正天朝鮮人民軍総参謀長は14日、「朝鮮は近いうちに国防科学実験の成果を得て、これまでにない『戦略兵器』を開発するが、これは米国の核の脅威に対処するためだ」と述べた。14日の朝鮮中央通信が伝えたもの。
朴正天総参謀長は、最近の重大実験が国防力強化に重大な貢献をしていることに、「非常に満足しており」実験のデータによってこれまでにない戦略兵器を開発するが、このことは米国の核の脅威への対抗手段となり、これにより平和を確保し、朝鮮の発展のために大きな力を蓄えていくことになろう」と述べた。...
全部読む
北朝鮮の朴正天朝鮮人民軍総参謀長は14日、「朝鮮は近いうちに国防科学実験の成果を得て、これまでにない『戦略兵器』を開発するが、これは米国の核の脅威に対処するためだ」と述べた。14日の朝鮮中央通信が伝えたもの。
朴正天総参謀長は、最近の重大実験が国防力強化に重大な貢献をしていることに、「非常に満足しており」実験のデータによってこれまでにない戦略兵器を開発するが、このことは米国の核の脅威への対抗手段となり、これにより平和を確保し、朝鮮の発展のために大きな力を蓄えていくことになろう」と述べた。
さらに「朝鮮は敵対勢力の政治的・軍事的挑発に対して、対話と抵抗の準備をしており、朝鮮の軍隊が実際の行動を貫徹することは金正恩委員長の決定である」と続けた。
一方朝鮮国防科学院の報道官は、7日の重大実験に続き、14日にも重大実験に成功したと語った。同実験は東倉里の西海衛星発射場で、13日の22時41分から48分にかけて行われたもの。具体的な内容については報じられていないが、戦略的核抑止力を強化するものとしている。
北朝鮮が対話を拒否するかのような姿勢を見せ始めているなかで、米国国務省のビーガン北朝鮮政策特別代表が15日から韓国と日本を訪問し、朝鮮半島情勢について話し合いを行う。ビーガン代表はソウルに3日滞在した後、東京には2日滞在する予定である。
ビーガン代表は訪韓中に、板門店等で北朝鮮と接触するのではないかとの見方もあるが、北朝鮮からは何らのシグナルも示されていない。
北朝鮮が設定した、年末までに米国が新しい提案をするようにとの期限が近づくにつれて、北朝鮮は米国に舌戦と重大実験によって揺さぶりをかけ、米国が早く決断するように促している。
ただし大統領選挙を来年に控え、弾劾裁判危機に立たされ、米中貿易摩擦に焦りのなかで、合意をせざるを得なかったトランプ大統領にとって、新たな成果を見込めそうもない北朝鮮問題は興味の対象からはずれているように見受けられる。北朝鮮は果たしてトランプ大統領の真意を読み切れているのであろうか。
閉じる
「北朝鮮を追う」内の検索