韓国、首都ソウルがメタバースによる公共サービス提供の計画を発表(2021/11/16)
技術革新で知られる韓国の首都ソウルは、全国の自治体で初めて独自のメタバース・プラットフォームを構築し、オンライン・バーチャルワールドを通じた新しいコンセプトの公共サービスを提供する5カ年計画を発表した。
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『ザ・コリア・ヘラルド』によると、ソウル市は、5年間の「メタバース・ソウル基本計画」に基づき、来年末までに「メタバース・ソウル(仮称)」と呼ばれる市独自の高性能プラットフォームを構築する。その後、経済、文化、観光、教育、市民の苦情など、市政のあらゆる分野の行政サービスにメタバース・エコシステムの導入を3段階に分けて提供していく。
5年間で39億ウォン(約3億8千万円)が投資されるこのプロジェクトは、呉世勳(オ・セフン)市長が掲げる「ソウルビジョン2030」の一環として、ソウルを「未来の感動都市」にしようとするものである。...
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『ザ・コリア・ヘラルド』によると、ソウル市は、5年間の「メタバース・ソウル基本計画」に基づき、来年末までに「メタバース・ソウル(仮称)」と呼ばれる市独自の高性能プラットフォームを構築する。その後、経済、文化、観光、教育、市民の苦情など、市政のあらゆる分野の行政サービスにメタバース・エコシステムの導入を3段階に分けて提供していく。
5年間で39億ウォン(約3億8千万円)が投資されるこのプロジェクトは、呉世勳(オ・セフン)市長が掲げる「ソウルビジョン2030」の一環として、ソウルを「未来の感動都市」にしようとするものである。これまで、公的機関が提供するメタバースサービスの多くは、プライベートなプラットフォームをベースにしているため、複雑で多様な行政サービスを実装するには機能上の制限があった。
「メタバース・ソウル 」では、「普信閣のバーチャルな除夜の鐘つき」、「バーチャル市長室」、あるいは「ソウル・フィンテック・ラボ」「インベスト・ソウル」「ソウル・キャンパスタウン」のバーチャルサービスなど、様々な市民や企業の支援サービスを順次実施していくという。
また、2023年には「メタバース120センター(仮称)」と呼ばれる仮想の総合市民窓口が誕生し、現在は役所に出向かないと対応できない市民の苦情や相談を、アバター職員と対面できるようになるという。光化門広場、徳寿宮、南大門市場などソウルの主要な観光地は「バーチャル観光特区」として紹介され、東医門など失われた歴史的遺産をバーチャル空間で再現する。
プロジェクトを担当するソウル市の幹部パク・ジョンス氏は、「ソウルは、公共の需要と民間の技術を組み合わせて、メタバース・ソウルという新大陸を開拓する」と語っている。
フランスのニュースサイト『ユジーヌ・デジタル』は、「メタバース・ソウル基本計画」は、移動が困難なソウル市民が自治体のサービスを利用しやすくすることを目的としているが、バーチャルリアリティ用のヘッドセットが必要になるなど、機器の問題があると指摘している。
2021年5月、韓国政府は「メタバース・アライアンス」を立ち上げ、サムスン、ヒュンダイ、SKテレコムが参加し、官民連携でAR/VR分野の企業の発展を促した。健康、製造、建設、教育、商業、防衛などの分野で、仮想現実技術と拡張現実技術の導入を加速することを目的としている。
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韓国与党、メディア懲罰法案強行採決で言論弾圧か(2021/08/20)
韓国国会の委員会は19日、報道機関に大きな罰則を与える可能性のあるメディア法の改正案を可決した。この法案に反対する人々は、この動きを独裁政権における報道の自由の抑圧になぞらえている。
『UPI通信』によると、韓国の与党「民主」党が率いるソウルの国会文化体育観光委員会は19日、最大野党である「国民の力」党の議員50人以上がこの法案の廃案を求める抗議行動を行う中、「報道機関の仲裁に関する法」の改正案を強行採決した。
反対派のイ・ダルゴン議員は、精神的苦痛を含む実際の損害の5倍分を原告が訴えることができるという今回の改正は、法律の粗雑な書き直しであると述べた。イ議員によると、委員会は当初、今回の改正で原告が実際の損害の3倍だけを訴えることを検討していたという。...
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『UPI通信』によると、韓国の与党「民主」党が率いるソウルの国会文化体育観光委員会は19日、最大野党である「国民の力」党の議員50人以上がこの法案の廃案を求める抗議行動を行う中、「報道機関の仲裁に関する法」の改正案を強行採決した。
反対派のイ・ダルゴン議員は、精神的苦痛を含む実際の損害の5倍分を原告が訴えることができるという今回の改正は、法律の粗雑な書き直しであると述べた。イ議員によると、委員会は当初、今回の改正で原告が実際の損害の3倍だけを訴えることを検討していたという。
「フェイクニュース」法と呼ばれているこの法案は、韓国の現政権が、ニュース記事の誤報が公人を含む市民の評判を落とすことへの懸念を示したことを受けて作成された。しかし、「国民の力」党のチェ・ヒョンドゥ議員は、この法案が、与党が過半数を占める国会で可決された場合、韓国の「世界メディア自由度ランキング」は現在の42位から180カ国中80位に下がる可能性があると述べている。
報道によると、野党は修正案作成への参加を拒否したため、与党議員は野党の意見を取り入れずに法案を審議した。韓国のメディア団体は、19日に委員会が修正案を承認したことを非難した。韓国ジャーナリスト協会とその他の団体は共同声明で、今回の改正は、公人の不正確な報道や不正確な表現を構成するものについて、「不明確で恣意的な解釈」の余地があると述べている。
韓国『コリア・ヘラルド』によると、報道仲裁法は、人々の権利、利益、評判を侵害する報道に関する紛争を調停することを目的としているが、与党が強行採決した改正法案は、懲罰的損害賠償の導入など、虚偽の報道に対する処分を厳しくしており、野党やメディアは、この改正法案はメディアの監視役を弱めることになると反対している。
改正法案の原案では、高級官僚や大企業の経営者も、悪意のある虚偽の報道や操作された報道に対して損害賠償を請求できることになっていた。しかし、反対の声を受けて、与党はそれらを除外した。過半数の議席を持つ民主党は、19に常任委員会の承認を得て、8月25日の本会議で法案を可決することを目指している。
これに対し「国民の力」党は、議題調整委員会を設置して法案の通過を阻止しようとしている。また、24日には青瓦台(大統領府)前で総会を開き、法案の撤回を要請する予定だという。
進歩的な「正義」党も、法案が常任委員会を通過して本会議にかけられた場合、反対すると述べている。同党報道官は、「報道仲裁法」は、力を持つ人々が批判から身を守るための手段となり、憲法上の表現や言論の自由が制限される懸念があると述べている。
韓国の4つのメディア団体は、「民主党の報道仲裁法改正案は、被害救済どころか、メディア統制や言論の自由の侵害に直結する可能性が高い」との声明を発表した。世界新聞協会もこれに加わり、韓国政府と民主党に法案の即時撤回を求めた。
世界新聞協会代表のヴィンセント・ペイレーニュ氏は、「世界で最も権威主義的な政権のいくつかが推進しているこの種の規制は、政治的・経済的な権力に対する批判を封じ込めるために用いられる都合のよい手段であることが多く、その結果、報道の自由を損なうことになる。もしこの改正案が推進されれば、韓国政府は、改革という名のもとに自由な批判的議論を抑制する同種の改革を行った最悪の権威主義政権の仲間入りをすることになるだろう」と声明で述べた。
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