米ファイザー、来年以降米国向けCOVID-19ワクチンを4倍に値上げ【欧米メディア】(2022/10/23)
2020年初めより世界的に猛威を振るっている新型コロナウィルス(COVID-19)は、世界製薬大手のワクチン開発・投与によって、かなり終息に近づきつつあるも、依然変異株の出現等より予断を許さない。そうした中、ワクチン開発大手の1社である米ファイザー(1849年設立)がこの程、現在米政府と締結している契約が2022年末に終了した後、市場供給となった場合の販売価格を4倍に値上げする意向を表明した。
10月21日付
『ロイター通信』は、「米ファイザー、米政府向けCOVID-19ワクチンを1回当り110~130ドルに大幅値上げ意向」と題して、同ワクチン開発大手の米ファイザーが、今年末に米政府との契約が切れた後は、市場供給用の販売価格を4倍程に値上げする意向であると報じた。
米ファイザー幹部のアンジェラ・ルーキン氏(病院担当部門長)は10月20日、今年末に米政府との契約が終了した後、COVID-19ワクチンを現行価格の4倍となる1回の投与当り110~130ドル(約1万6千~1万9千円)に値上げして市販する意向だと表明した。...
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10月21日付
『ロイター通信』は、「米ファイザー、米政府向けCOVID-19ワクチンを1回当り110~130ドルに大幅値上げ意向」と題して、同ワクチン開発大手の米ファイザーが、今年末に米政府との契約が切れた後は、市場供給用の販売価格を4倍程に値上げする意向であると報じた。
米ファイザー幹部のアンジェラ・ルーキン氏(病院担当部門長)は10月20日、今年末に米政府との契約が終了した後、COVID-19ワクチンを現行価格の4倍となる1回の投与当り110~130ドル(約1万6千~1万9千円)に値上げして市販する意向だと表明した。
『ロイター通信』は本報道前に、ウォール街(米金融・証券市場)は、ワクチン需要が非常に弱いため、2023年以降の収益見通しを改善すべく、製薬大手がかかる大幅値上げを目論んでいるとみていると報じている。
米政府は現在、同社及び共同開発パートナーのドイツ・バイオNテック(2008年設立)からワクチンを1回の投与当り約30ドル(約4,400円)で買い取り、市民らに無償提供している。
米政府の公衆衛生緊急事態対応措置が終了した後、2023年以降は、ワクチン販売市場が個別保険会社向け供給となる。
ただ、多くの保険会社がインフルエンザの予防注射費用を全額負担していることから、これと同様にCOVID-19ワクチンについても、保険契約している大半の市民に無料で提供されるものと予想される。
ルーキン氏も、“設定予定価格でワクチン開発・生産に係る費用がカバーできる一方、(保険会社のスキームより)投与される患者にとって負担になることはないと期待している”とコメントした。
米国では現在、多くの人が追加ワクチン接種可能(前回接種時からの必要期間を経て)となっているが、追加接種率は昨年比かなり減少している。
すなわち、2021年時に3回目のワクチン接種が可能となった際、最初の6週間での追加接種者は2,200万人超であったが、今年になって新たな追加接種を受けた人は、6週間当り約1,480万人に止まっている。
なお、ルーキン氏は、“商業販売への移行は、早くても2023年第1四半期(1~3月期)になる”と言及している。
同日付米『ザ・ヒル』(1994年発刊の政治専門紙)は、「ファイザー、来年のCOVID-19ワクチン市場販売価格を最低でも110ドルに設定意向」と報じた。
同社幹部のルーキン氏は10月21日、投資家への説明会において、来年以降市場販売される同社製COVID-19ワクチンの価格を、1回の投与当り110~130ドルに設定する意向である旨明らかにした。
同社は今年6月、バイデン政権が進めている公衆衛生緊急事態対応措置の下、1億500万回分のCOVID-19ワクチンを32億ドル(約4,640億円)で提供する契約を締結している。
よって、現行1回当りの政府向け販売価格は約30ドルとなり、来年市場販売される価格は4倍に上昇することになる。
ただ、同幹部は、政府による大規模接種対応用ではなく、クリニック等で行われる個別接種に適するように1回接種分用ワクチンとして生産・供給すること等に伴い費用が増大するため、止むを得ない価格設定だとしている。
なお、同幹部はまた、来年以降保険会社経由市場での接種体制に移行した場合、現在進められているインフルエンザ予防接種と同様に保険適用となると予想されるため、患者の費用負担となることはないだろうとコメントした。
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米下院、副大統領が大統領選結果を覆せるとのトランプ妄言を根絶やしにする選挙改定法案を採択【米メディア】(2022/09/22)
ドナルド・トランプ前大統領(76歳)は、連邦捜査局(FBI)による家宅捜索を受けたり、ニューヨーク州司法長官から過去の不動産取引に関わる不正疑惑で提訴されたりと、逆風にさらされている。そうした折り、この程下院議会で、2020年大統領選挙について副大統領にその結果を覆す権利があるとトランプが主張した妄言について、条文で明確に否定する内容を含んだ大統領選改定法案が採択され、益々窮地に追い込まれようとしている。
9月21日付
『Foxニュース』(1996年設立の保守系メディア)は、「下院、トランプ妄言による“再暴動”発生阻止のため民主党主導の大統領選改定法案を採択」と題して、反トランプ派急先鋒のリズ・チェイニー議員(56歳、ワイオミング州選出共和党員、2017年初当選)草案の大統領選改定法案が、他に8人の共和党議員の賛成票を得て229対203票で採択されたと報じている。
下院議会は9月21日、リズ・チェイニー下院議員が草案した大統領選改定法案を、共和党議員の9票及び多数派民主党議員全員の支持を得て採択した(賛成票229票)。...
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9月21日付
『Foxニュース』(1996年設立の保守系メディア)は、「下院、トランプ妄言による“再暴動”発生阻止のため民主党主導の大統領選改定法案を採択」と題して、反トランプ派急先鋒のリズ・チェイニー議員(56歳、ワイオミング州選出共和党員、2017年初当選)草案の大統領選改定法案が、他に8人の共和党議員の賛成票を得て229対203票で採択されたと報じている。
下院議会は9月21日、リズ・チェイニー下院議員が草案した大統領選改定法案を、共和党議員の9票及び多数派民主党議員全員の支持を得て採択した(賛成票229票)。
同議員は、昨年1月6日発生の議事堂乱入事件を調査する下院特別委員会(1/6 HSC、2021年6月設立)の副委員長を務めていて、同じく同特別委に所属するゾーイ・ロフグレン議員(74歳、下院総務委員会委員長、カリフォルニア州選出民主党員、1995年初当選)と連名で同法案を提出している。
同法案は、2020年大統領選時にドナルド・トランプ前大統領が言い出した、副大統領に選挙結果を覆す権利があるとする主張を完全に潰すものである。
同法案提出の目的は、当時のマイク・ペンス副大統領(63歳、2017~2021年在任)が、法的根拠がないとしてトランプの指示に従わなかったこと等を契機に、議事堂乱入事件が発生していることから、当該主張を具体的な条文で完全否定するためである。
同法案は、「1887年選挙人投票数確定法」を一部改定して、副大統領には自由裁量の余地はなく、選挙人の投票結果に介入したり変更したりする権限が一切ないことを明文化している。
チェイニー議員は、トランプが将来再び妄言を繰り返せないようにするためだと説明した。
同議員は更に、1/6 HSCの調査結果で、トランプはその主張が違法であることを知っていたことが明らかになっているが、“しかしトランプはそれを押し通そうとした”と言及している。
同じく1/6 HSC委員を務めるピート・アギーラ議員(43歳、カリフォルニア州選出民主党員、2015年初当選)は、“今回の法案に反対した共和党議員(203名)は、暴動首謀者らの肩を持つことになる”と非難した。
これに対して共和党勢は、同法案の審議や聴聞が十分行われなかった点や、中間選挙を前にして、有権者にドナルド・トランプに関わる問題に目を向けさせようとしたものだとして、民主党側に反論した。
下院総務委員会の幹部メンバーであるロドニー・デイビス議員(52歳、イリノイ州選出共和党員、2013年初当選)は、“同法案が、中間選挙が直前に迫る中で提出されたことから、民主党主導の1/6 HSCが、選挙に有利と考える話題、すなわちトランプ前大統領の件を意図的に注目されるように仕向けたものだ”と非難している。
9月22日付『ザ・ヒル』(1994年設立の政治専門ニュース)は、「1/6 HSC提出の選挙法改定法案に賛成した9人の共和党議員」として、民主党側に組みした共和党議員について詳報している。
1/6 HSC所属の2人の委員が共同提案した「大統領選改定法案」は9月21日、229対203票で可決成立した。
当該法案には、次の9人の共和党議員が賛成票を投じている。
リズ・チェイニー議員、アダム・キンジンガー議員(44歳、1/6 HSC委員、イリノイ州選出、2011年初当選)、フレッド・アプトン議員(69歳、ミシガン州選出、1987年初当選)、ジェイミー・ヘレーラ・バトラー議員(43歳、ワシントン州選出、2011年初当選)、ピーター・メイジャー議員(34歳、ミシガン州選出、2021年初当選)、トム・ライス議員(65歳、サウスカロライナ州選出、2013年初当選)、ジョン・カートコ議員(59歳、ニューヨーク州選出、2015年初当選)、アンソニー・ゴンザレス議員(38歳、元アメリカンフットボール選手、オハイオ州選出、2019年初当選)、クリス・ジャコブス議員(55歳、ニューヨーク州選出、2020年補選で初当選)。
但し、上記9人の議員は、今秋の中間選挙に立候補しないと決定しているか、あるいは共和党予備選で敗退しており、2023年1月までの任期しかない。
前者は、キンジンガー・アプトン・カートコ・ゴンザレス・ジャコブス5議員で、後者のチェイニー・バトラー・メイジャー・ライス4議員はいずれも、トランプ推薦の対立候補に敗れている。
また、ジャコブス議員を除く8人はいずれも、議事堂乱入事件後に行われたトランプ前大統領弾劾裁判で賛成票を投じていた。
なお、同法案成立には、上院において60%(60票)の賛成票が必要となる。
一方、上院でも大統領選改定法案が、民主・共和超党派議員によって7月に提出されており、来週審議されることになっているが、各州選挙人の投票結果に反対する場合に、上院・下院それぞれの議会の5分の1の支持票を必要としている(下院法案では、各々3分の1が必要とより厳しめ)。
メイジャー議員は9月21日、“いずれにしても超党派、かつ両院が合意する改定法案が成立するのを期待している”とツイートしている。
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