【Globali】
世界が見るGPIF運用資産見直しの行方(2014/10/31)
エボラ出血熱や原発の再稼働などの影に隠れてあまり目立たないが、日本国民の厚生年金と国民年金の年金積立金127兆円のうち30兆円を国債で運用し、残り90兆円を国債より利回りが高いものにあてる、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用資産の見直しが、水面下で着々と進められている。一部では国内債券の比率を、現在の60%から35%へと引き下げ、国内株式を12%から25%へと引き上げるとの報道も出ているが、塩崎厚労大臣は、この報道を聞いていないと否定している。しかし、11月にも運用資産の見直しについての発表があるとされており、市場からは熱い注目が集まっている。各国は、GPIF運用資産見直しの行方について、以下のように伝えた。
10月30日付
『ブルームバーグ通信』(米国)は、「ブルームバーグの事前調査ではGPIFの株式の割合は倍増」との見出しで、「ストラテジストやエコノミストの予想によると、GPIFの株式の割合は、現在の12%から25%にその割り当て量が倍増になる」と報じ、「投資家が、(倍増との)噂に飛びついて(日本株を)購入しても、(その後)日本株を売るという流れになると思う」との、クレディアグリコル証券の尾形和彦チーフエコノミストのコメントを紹介した。...
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10月30日付
『ブルームバーグ通信』(米国)は、「ブルームバーグの事前調査ではGPIFの株式の割合は倍増」との見出しで、「ストラテジストやエコノミストの予想によると、GPIFの株式の割合は、現在の12%から25%にその割り当て量が倍増になる」と報じ、「投資家が、(倍増との)噂に飛びついて(日本株を)購入しても、(その後)日本株を売るという流れになると思う」との、クレディアグリコル証券の尾形和彦チーフエコノミストのコメントを紹介した。
10月29日付
『ジャカルタポスト』(インドネシア)は、「日本のGPIF構成比率で国債保有が過半数割れ」との見出しで、「日本のGPIFの資産127兆円のうち日本国債の占める割合が、現体制下ではじめて半分以下になった」と報じ、「GPIFにおける国内株式の比率が、現在の17%(6月)から25%に引き上げられそうだ」との、GPIFに詳しい識者のコメントを紹介、今後、外国株式の割り当て比率も増加しそうだと報じた。
10月29日付
『ロイター通信』(英国)は、「日本の首相、GPIFのポートフォリオはデフレ脱却を反映したものであるべき」との見出しで、安倍首相がGPIFのポートフォリオ見直しについて、株価を上げるためのものではなく、日本経済を助けるためのものであると説明したと報じた。
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世界が見る日韓関係(2014/09/29)
国連総会が行われていたニューヨークでは岸田外相とユン・ビョンセ外相による日韓外相会談が行われ、日韓関係について高いレベルの意思疎通を継続し、深化させる重要性で一致した。ここ最近、日韓で建設的な接触の機会が増加していることなどから、日韓首脳会談が年末までに開かれるのではないかとの見立ても出てきている。一方、「戦時下の女性に対する性暴力は人権問題に反するものだ」としたパククネ大統領の国連演説は、慰安婦問題が解決しない限り、日韓首脳会談は行うことはできないという韓国サイドからのメッセージのようにも受け取れる。さらに日本国内では、朝日新聞の慰安婦にからむ誤報問題で、慰安婦問題の信憑性が問われる事態になっていることなどを考えると、まだまだ日韓関係には障害が横たわっているようにも見える。ここ最近の日韓の動きは、どのように読み解いていくべきなのだろうか。各国のメディアは以下のように報じた。
9月28日付
『ニュース1』(韓国)は、「言葉だけの韓日首脳会談、両国の国内事情は変化している」と題した記事で、「韓日両国間の首脳会談の可能性について、中には楽観的な見通しも出てきているが、そうした見通しはまだまだ表面的な次元のものだ」とし、「両国は、日韓首脳会談が必要だという認識では一致しているが、双方共に従軍慰安婦にからんだ国内世論を意識して、安易に距離を縮めることができない状況」と論じた。その上で「首脳会談の開催のためには、まず慰安婦問題に対する具体的措置を行う事が先決」というのが、韓国政府の基本的なスタンスだとし、「韓国政府内外からは、パク政権がこの原則を曲げるのではないかとの見方が早くから広がっていて、(短期的に解決しない慰安婦問題より)韓日首脳会談を優先させるのではないか、という懸念が強くある」と指摘した。...
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9月28日付
『ニュース1』(韓国)は、「言葉だけの韓日首脳会談、両国の国内事情は変化している」と題した記事で、「韓日両国間の首脳会談の可能性について、中には楽観的な見通しも出てきているが、そうした見通しはまだまだ表面的な次元のものだ」とし、「両国は、日韓首脳会談が必要だという認識では一致しているが、双方共に従軍慰安婦にからんだ国内世論を意識して、安易に距離を縮めることができない状況」と論じた。その上で「首脳会談の開催のためには、まず慰安婦問題に対する具体的措置を行う事が先決」というのが、韓国政府の基本的なスタンスだとし、「韓国政府内外からは、パク政権がこの原則を曲げるのではないかとの見方が早くから広がっていて、(短期的に解決しない慰安婦問題より)韓日首脳会談を優先させるのではないか、という懸念が強くある」と指摘した。もしもパク大統領が韓日首脳会談を優先させた場合には、「パク政権は安倍政権に屈した格好となり、非難にさらされることは火を見るより明らかである」と報じた。
9月28日付
『ジャカルタポスト』(インドネシア)は、「第二次大戦中に、旧日本軍が朝鮮の民を従軍慰安婦として利用したというおぞましい歴史問題が、日本との二国間会合を拒否するという、韓国の国益にとっては非生産的な態度を生み出しているが、パク大統領にとっては”様々な歴史問題のとらえ方があるということを踏まえた上で、政治的和解につなげるためにまずは首脳会談に踏み出すべき”という安倍首相の提案を受け入れることが、両国の関係改善のためにはむしろ良いきっかけとなる」、とのハドソン研究所上級研究員のジョンリー氏の提言を紹介した。
「ニュース1」は、「日本は、朝日新聞が慰安婦関連証言をめぐる誤報を認めたことにより、日本国内の慰安婦問題に対する態度は、以前とは比べ物にならないほど強硬なものになっている」と報じ、「(パク大統領にとって)慰安婦問題の解決なしに韓日首脳会談に踏み込むことは、国内的にも政治的リスクが非常に大きいし、慰安婦問題解決のため、ハードルを下げることも、(韓国の)国内世論は許さないだろう」との東西大学のジョセヨウン教授の分析、「朝日新聞の誤報によって、安倍政権が慰安婦問題で韓国と妥協することはさらに難しくなった。さらに安倍首相が長期政権になる可能性が高まってきたために、悪化した韓日関係はさらに長期化する可能性がある」、との世宗研究所日本研究センターのジンチャンスセンター長の分析を紹介した。
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