ロシア海軍;プーチン大統領が観閲する前で潜水艦発射ミサイルの発射実験失敗【米・ロシアメディア】(2019/10/22)
今年8月初めに米ロの「中距離核戦力全廃条約(INF)」が失効して以来、米軍は地上発射型巡航ミサイルの発射実験、ロシアは潜水艦発射弾道ミサイル発射実験と、またぞろ米ロ間の軍拡競争が激化しつつある。そうした中、ロシア海軍が、定例の戦略兵器運用演習「グロム2019」実施の最中、ウラジーミル・プーチン大統領が衛星中継で観閲する眼前で、潜水艦発射弾道ミサイルの発射実験に失敗するという失態を演じてしまった。
10月21日付米
『ロイター通信』:「ベドモスチ紙;ロシアの原子力潜水艦が弾道ミサイル発射実験を失敗と報道」
ロシア語日刊紙『ベドモスチ』は10月21日、ロシアの原子力潜水艦が先週、ウラジーミル・プーチン大統領の眼前で潜水艦発射弾道ミサイルの発射実験に失敗してしまったと報じた。
ロシア極東及び北極海周辺で10月15~17日に実施された定例演習の一環で行われた実験で、ロシア太平洋艦隊所属の原子力潜水艦K-44“リャザン”がオホーツク海で10月17日、2基のR-29R大陸間弾道ミサイルを発射する実験を試みたところ、1基は無事に発射できたものの後1基は不発となったという。...
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10月21日付米
『ロイター通信』:「ベドモスチ紙;ロシアの原子力潜水艦が弾道ミサイル発射実験を失敗と報道」
ロシア語日刊紙『ベドモスチ』は10月21日、ロシアの原子力潜水艦が先週、ウラジーミル・プーチン大統領の眼前で潜水艦発射弾道ミサイルの発射実験に失敗してしまったと報じた。
ロシア極東及び北極海周辺で10月15~17日に実施された定例演習の一環で行われた実験で、ロシア太平洋艦隊所属の原子力潜水艦K-44“リャザン”がオホーツク海で10月17日、2基のR-29R大陸間弾道ミサイルを発射する実験を試みたところ、1基は無事に発射できたものの後1基は不発となったという。
同紙がロシア国防省の関係者から聴取した話として報じたものだが、ちょうどその時、プーチン大統領がモスクワの国防省の司令部において衛星中継で観閲していたという。
当該定例演習には、約1万2千人の将兵、100機余りの航空機、及び5隻の潜水艦が参加している。
ロシア海軍チームは、バレンツ海(北極海の一部でフィンランド北東海域)、バルト海、黒海、カスピ海、そしてオホーツク海で演習を実施していた。
なお、ロシア海軍参謀に近い関係者の話によると、R-29R弾道ミサイルはそろそろ耐用年数を超える時期に来ていたという。
同日付ロシア『モスクワ・タイムズ』紙:「プーチン大統領が観閲する中、原子力潜水艦が弾道ミサイル発射実験を失敗」
ロシア海軍の原子力潜水艦が弾道ミサイル発射実験を失敗したのは、定例の戦略兵器運用演習「グロム2019」の一環で行われたものであるが、ちょうどプーチン大統領が観閲している最中の出来事であった。
今回発射に失敗したR-29R弾道ミサイルは、旧ソ連時代の1977年に初配備されたものである。
なお、ロシア海軍太平洋艦隊、同軍参謀、及び国防省は原因究明のための特別チームを編成したという。
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米メディアが伝えるロシアの報道規制法(2014/11/12)
ウクライナ問題を契機に、ロシアと欧米諸国との間では、制裁合戦が引きも切らない。欧米側からは、政府関係者らの渡航禁止、資産凍結、ロシア国営エネルギー会社など、への技術・サービスの提供禁止、更には対ロシア案件への融資禁止等が実施され、これに対抗してロシア側からは、制裁を科した欧米諸国からの農産物などの輸入禁止、あるいは制限などである。そしてこの程、プーチン大統領が10月に、新たにメディアの外資規制を強化することを決めたと米メディアが報じた。
11月8日付
『エコノミスト』誌は、「プーチン大統領は先月、ロシア国内の報道機関の外資比率を20%以下に規制する法律に署名した。これによって、例えば、
『ベドモスチ』(ビジネス日刊紙、米CIA、英MI6の支店と揶揄)オーナーの米ニュース・コープ、英ピアソン、フィンランド・サノマは、それぞれ持ち株の地元企業への売却を迫られることになるが、売値はかなり買い叩かれよう。買い手候補としては、国営エネルギー大手のガスプロム、もしくは、プーチン氏同盟者のユーリ・コバルチャック氏と言われている。...
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11月8日付
『エコノミスト』誌は、「プーチン大統領は先月、ロシア国内の報道機関の外資比率を20%以下に規制する法律に署名した。これによって、例えば、
『ベドモスチ』(ビジネス日刊紙、米CIA、英MI6の支店と揶揄)オーナーの米ニュース・コープ、英ピアソン、フィンランド・サノマは、それぞれ持ち株の地元企業への売却を迫られることになるが、売値はかなり買い叩かれよう。買い手候補としては、国営エネルギー大手のガスプロム、もしくは、プーチン氏同盟者のユーリ・コバルチャック氏と言われている。また、
『ロシア版フォーブス』(公権のスキャンダル暴露で有名)オーナーの独アクセル・スプリンガーも同様、地元企業への持ち株売却を行わねばならなくなる。このように、新聞、ラジオ等外資が入ったメディアが、ロシア政府の息のかかった企業や個人の傘下に収まることになると、ロシアでは益々自由な報道が困難になるだろう。」と伝えている。
なお、プーチン大統領が8月に決定した、農産物などの輸入禁止、制限の対抗措置によって、ロシア国内の食糧品価格は20%まで上昇するとみられ、魚類や乳製品などの価格は30~40%に上がりつつあるという。これから厳しい冬を迎えるロシアにとって、ルーブル急落で、変動相場制への移行を11月10日に前倒しで決定せざるを得ない状況と併せて、ロシア経済が更に不安定化する可能性もあるといえる。
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