中国国境警備隊、旅行者の電話に無断で監視アプリをインストール(2019/07/05)
英「ガーディアン」、米「ニューヨークタイムズ」、独「南ドイツ新聞」、米「マザーボード」が共同で調査した結果、中国の国境警察が旅行者のスマートフォンに無断でアプリをインストールし、個人情報を収集していることが分かった。
『ガーディアン』が2日に報道したところによると、中国政府は、新疆ウィグル自治区で路上やモスクに顔認識カメラを設置し、住民に自分の携帯位置を検索するソフトウェアをダウンロードさせるなど、イスラム教徒の自由を制限してきた。
しかし、今回の調査で、キルギス共和国から新疆ウィグル自治区に入る国境で、国境警備隊が外国人旅行者の携帯電話にも、監視アプリを強制的にインストールしていたことが分かった。...
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『ガーディアン』が2日に報道したところによると、中国政府は、新疆ウィグル自治区で路上やモスクに顔認識カメラを設置し、住民に自分の携帯位置を検索するソフトウェアをダウンロードさせるなど、イスラム教徒の自由を制限してきた。
しかし、今回の調査で、キルギス共和国から新疆ウィグル自治区に入る国境で、国境警備隊が外国人旅行者の携帯電話にも、監視アプリを強制的にインストールしていたことが分かった。
旅行者は携帯を起動しロックを解除してから警備隊に渡すよう要求され、携帯は別室に持って行かれ、しばらく待たされた後に返却される。
別室では密かにEメール、テキストおよび連絡先、さらには端末自体に関する情報を抽出するアプリがインストールされる。インストールされるアプリは「蜂采」(ミツバチを集める、というような意味)という名称で、ほとんどの端末はアプリをアンインストールした状態で返却されるが、残っている場合もある。
旅行者らは当局から事前に警告を受けておらず、情報収集について、またアプリがどのような情報を探すのか、何も説明を受けていなかったという。
NGO団体Privacy Internationalは『ガーディアン』に、この調査結果は「間違ったアプリやニュース記事をダウンロードすると収容所に入る可能性のある国で、非常に憂慮すべき」ことと説明している。
サイバーセキュリティ専門家らによると、インストールされたアプリは、中国当局が問題のあるコンテンツとしてあげているリストに、引っかかるデータが保存されているかどうかを確認するものだという。
例えばイスラム過激主義関連の記事や武器の使用マニュアル、またはチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の著書などが含まれる。
『ル フィガロ』によると、中国当局の発表では、ラベンダーの里としても有名な新疆地域には、毎年1億人近くの人が訪れるという。しかし中国政府は、テロリストグループは、より簡単に中国を攻撃するために中央アジアの国々に定住していると見ている。
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フィリピン、カナダからの不法輸出ゴミを同国に返送(2019/05/31)
フィリピン政府は31日、カナダからフィリピンに不法に持ち込まれた大量のゴミをカナダに返送した。フィリピン国内で数年前から放置されていたカナダからの不法ゴミ問題を巡り、フィリピンとカナダの間で激しい論争にまで発展していた。
『ル フィガロ』が報じたところによると、2014年からカナダにこの廃棄物の回収を促してきたフィリピンだが、先週比ドゥテルテ大統領が、放置されていたゴミの即時発送を命じた。69隻のコンテナが、元米国海軍基地であったマニラの北西の港であるスービック湾の貨物船に積み込まれ、カナダに向けて出航した。木曜日、カナダ環境大臣キャサリン・マッケナ氏は、「我々はフィリピンと協力し、彼らと緊密に進めている」と述べた。...
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『ル フィガロ』が報じたところによると、2014年からカナダにこの廃棄物の回収を促してきたフィリピンだが、先週比ドゥテルテ大統領が、放置されていたゴミの即時発送を命じた。69隻のコンテナが、元米国海軍基地であったマニラの北西の港であるスービック湾の貨物船に積み込まれ、カナダに向けて出航した。木曜日、カナダ環境大臣キャサリン・マッケナ氏は、「我々はフィリピンと協力し、彼らと緊密に進めている」と述べた。
さらに『ル フィガロ』によると、マレーシアも数日前に、オーストラリア、バングラデシュ、カナダ、中国、日本、サウジアラビア、米国を含むいくつかの国に450トンのプラスチック廃棄物を返還すると発表している。
マレーシアの「エネルギー・技術・科学・環境省」のイェオ・ビーイン大臣は「マレーシアは世界のゴミ捨て場にはなりません」、「私たちは先進国に怯えることはありません」と述べた。
中国は長い間、世界中からのプラスチック廃棄物を受け入れてきたが、環境問題を理由に昨年突然受け入れをやめた。そして代わりに受け入れ先となっていた東南アジアのいくつかの国々でも規制強化の動きが進んでいる。
今回問題となったフィリピンのゴミは、2013年から14年にかけてカナダからリサイクル可能なゴミとしてフィリピンに輸出された約2500トンのゴミ。しかしカナダは撤去要請に応じず、北部ルソン島の港に放置されたままになっていた。
しかし先月ドゥテルテ大統領が「カナダに宣戦布告する」と怒りをあらわにし、カナダはゴミを回収することを約束したが、マニラが設定した5月15日の期限を尊重しなかったため、カナダに駐在する大使を召還するなど外交問題に発展した。比パネロ大統領報道官が直ちに貨物を送ってそれをカナダの海域に投棄すると脅迫し、緊張は更に一段と高まっていた。
カナダのトルドー首相は、ゴミを輸出したのは民間業者であり、政府に責任はないと主張していたが、カナダ政府は、今回の返送費用を全額負担する形でごみを回収すると発表した。
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