中国がインド太平洋地域での軍事力拡大を進めているが、これに米国は真っ向から対抗している。そしてこの程、その米国の支援に勇気づけられてか、インドが米国から大量の無人攻撃機等を購入すれば、フィリピンも同国初の潜水艦を導入する決定をして、中国対峙戦略を進展させつつある。
2月1日付米
『AP通信』、インド
『NDTV』ニュース、欧米
『ロイター通信』等は、インドが米国から大量の無人攻撃機等を購入すれば、フィリピンも同国初の潜水艦導入を決定し、それぞれインド太平洋における中国の軍事力拡大に対抗しようとしていると報じた。
米国政府は2月1日、インドによる海上安全保障や偵察機能強化に資するよう、総額39億9千万ドル(約5,865億円)相当の軍事兵器の売却を承認した。...
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2月1日付米
『AP通信』、インド
『NDTV』ニュース、欧米
『ロイター通信』等は、インドが米国から大量の無人攻撃機等を購入すれば、フィリピンも同国初の潜水艦導入を決定し、それぞれインド太平洋における中国の軍事力拡大に対抗しようとしていると報じた。
米国政府は2月1日、インドによる海上安全保障や偵察機能強化に資するよう、総額39億9千万ドル(約5,865億円)相当の軍事兵器の売却を承認した。
これは、インド太平洋地域における米・インド間協力を強化するもので、同地域で軍事力を拡大している中国に対抗するためのものである。
米国務省が議会に通知した内容によると、無人攻撃機MQ-9リーパー(2007年運用開始)31機、ヘリコプター発射型空対地ミサイルAGM-114(1985年実戦配備)170基、小型航空爆弾GBU-39(2003年運用開始)310発及びその関連支援物資となっている。
同省の声明によると、“この売却によって、米・インドの戦略的関係が強化され、インド太平洋及び南アジア地域の政治的安定、平和、経済発展にとって重要かつ主要な防衛パートナーであるインドの安全保障を向上させることになる”とした上で、“米国の外交政策と国家安全保障の目標も達成させることになる”としている。
一方、フィリピンのフェルディナンド・マルコスJr.大統領(66歳、2022年就任)は2月1日、南シナ海における領海主権を擁護するため、同国初となる潜水艦導入も織り込まれたフィリピン国軍第三次近代化計画を承認した。
西フィリピン海担当のロイ・トリニダード海軍報道官は同日、“我が軍は大規模ではないが、領有権及び主権はしっかり守っていく”と表明した。
同報道官は更に、同第三次近代化計画の総予算は2兆ペソ(356億2千万ドル、約5兆2,360億円)で、数年がかりで実現していくことになるとも言及している。
同報道官は、インドネシア、ベトナムに続いて導入するとする潜水艦の具体的隻数は明かさなかったが、“複数隻”になると明言した。
その上で同報道官は、フランス、スペイン、韓国が潜水艦商談に興味を示しているとも付言している。
なお、フィリピンは2011年以降、排他的経済水域内の南シナ海の一部(中沙諸島から南沙諸島海域)を西フィリピン海と呼称しているが、その海域内の複数の島嶼・岩礁について中国と領有権問題を抱えている。
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1月27日付中国
『チャイナ・デイリィ』、1月28日付米
『AP通信』は、中国当局が日本漁船等に対して中国領海からの即時退去を命じたと報じている。
中国海警局は11月27日、東シナ海における中国領海内の釣魚諸島(ティアユ、中国名)周辺に進入した日本の漁船1隻及び複数の海上保安庁の船舶に対して即刻退去するよう命令を出した。
中国は、同諸島は中国に属するとしていて、日本側の無主地先占の法理(注後記)に基づく自国の領土との主張を拒否している。...
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1月27日付中国
『チャイナ・デイリィ』、1月28日付米
『AP通信』は、中国当局が日本漁船等に対して中国領海からの即時退去を命じたと報じている。
中国海警局は11月27日、東シナ海における中国領海内の釣魚諸島(ティアユ、中国名)周辺に進入した日本の漁船1隻及び複数の海上保安庁の船舶に対して即刻退去するよう命令を出した。
中国は、同諸島は中国に属するとしていて、日本側の無主地先占の法理(注後記)に基づく自国の領土との主張を拒否している。
同局の敢禹報道官(カン・ユー)は、“釣魚諸島は歴史的に中国の固有の領土であり、これらの日本船舶は違法に領海侵入した”と発表した。
その声明の中で、同報道官は、“中国領海に侵入しての活動を即刻中止して退去すること、更に同様のことを二度と繰り返してはならない”と同船舶に警告したと言及している。
中国は、曖昧な歴史的見解を以て、東シナ海の同諸島はもとより、台湾、更には南シナ海のほとんどの海域を中国固有の領土だと主張してきている。
なお、尖閣諸島は第二次大戦後、米国が同諸島を含む琉球群島を統治下に置いていたが、1972年に日本に返還されている。
(注)無主地先占の法理:いずれの国にも属していない無主の土地を、他の国家に先んじて支配を及ぼすことによって、自国の領土とする国が、先に先占を宣言し、実効支配している、とする論理。これに基づき、日本は1895年1月、正式に尖閣諸島を領土とすると宣言。
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