8月9日付米
『USAトゥデイ』紙:「ペロシ下院議長、中国やイランに比べてロシアの大統領選介入工作は“極めて深刻”と表明」
米下院議長のナンシー・ペロシ議員(80歳、カリフォルニア州選出民主党員)は8月9日、直近で議会に機密情報扱いで開示された外国勢力の大統領選介入疑惑に関わる防諜部門トップの報告書について、2016年時より事態は深刻であることから、機密指定を解いて公開すべきだと表明した。...
全部読む
8月9日付米
『USAトゥデイ』紙:「ペロシ下院議長、中国やイランに比べてロシアの大統領選介入工作は“極めて深刻”と表明」
米下院議長のナンシー・ペロシ議員(80歳、カリフォルニア州選出民主党員)は8月9日、直近で議会に機密情報扱いで開示された外国勢力の大統領選介入疑惑に関わる防諜部門トップの報告書について、2016年時より事態は深刻であることから、機密指定を解いて公開すべきだと表明した。
同議長は、『Foxニュース日曜版』及び『CNN;一般教書演説』の番組に出演して語ったもので、“今回のロシアによる選挙介入工作は2016年時よりも深刻で、有権者には投票前に事態を知らしめる必要がある”とし、“何故なら、我々が選ぶのはウラジーミル・プーチンではないから”だと強調した。
これに先立つ8月7日、米国家防諜・安全保障センター(2001年設立、米国家情報省傘下)のウィリアム・エバニーナ所長(53歳)が議会宛に、“外国勢力が米有権者を惑わせて、大統領選が自国有利に進むよう画策している”との機密指定の調査報告を提出している。
そして同所長は、“中でも、中国、ロシア、イランの介入工作が際立っていて、ロシアがトランプ大統領再選を後押しし、一方中国とイランはそれを阻止しようと画策している”と付言した。
これに関し、ペロシ議長は、“(機密報告を読む限り)トランプ大統領の代理人として振舞うロシアの介入工作は凄まじい”とし、“一方、中国とイランが直接介入しているようにはみえない”とコメントした。
一方、米国家安全保障問題担当のロバート・オブライエン大統領補佐官(54歳、ジョン・ボルトン氏後任で、トランプ政権では4人目)は『CBS;フェイス・ザ・ネイション』に出演して、“自由で公正な選挙を危うくする程深刻な介入工作は認められていない”とした上で、“しかし今後も、選挙関連機器、サイバー環境を強化して、如何なる選挙妨害も100%防ぐべく、最善を尽くしていく”と強調した。
しかし、リチャード・ブルメンタル上院議員(74歳、コネチカット州選出民主党員)は8月7日付『ワシントン・ポスト』紙に寄稿して、“防諜センター所長の発言は、介入工作の脅威に触れただけであるが、自身が読んだ機密指定の報告文内容は「空恐ろしい」”とした上で、“可及的速やかに機密指定を解いて、全有権者に開示すべき”だと主張した。
チャールズ・シューマー上院院内総務(69歳、ニューヨーク州選出民主党員)も8月9日放送の『ABC;今週』に出演して、“選挙介入工作に関わる情報の機密指定を解除することを支持する”、と発言している。
同院内総務は、“ロシアはジョー・バイデン民主党候補(77歳)を中傷する様々な画策をしてきている”とした上で、“上院国土安全保障・政府問題委員会のロン・ジョンソン委員長(65歳、ウィスコンシン州選出共和党員)及びリンゼイ・グラム上院議員(65歳、サウスカロライナ州選出共和党員)は、ロシア側が流した偽情報に踊らされて、ハンター・バイデン氏(50歳、弁護士・実業家、バイデン候補次男)のウクライナにおける活動を調査しようとした”と非難した。
更に、“両氏とも、米国民を巧みに操ろうとしたロシアの片棒を担いだことを恥ずべき”だとも付言している。
一方、8月10日付英国『デイリィ・メール』オンラインニュース(『ロイター通信』配信):「オブライエン氏、中国が米大統領選を標的にしてサイバー攻撃を仕掛けていると表明」
オブライエン米大統領補佐官(米国家安全保障問題担当)は8月9日、報道番組『CBS;フェイス・ザ・ネイション』に出演して、“大統領選でのトランプ氏再選を阻むべく、選挙関連機器やサイバー環境を標的にして、サイバー攻撃を仕掛けてきている”と発言した。
更に同補佐官は、“中国政府の息のかかったハッカーが実行しているもので、トランプ氏が他の誰よりも中国に対して強硬な対応を取ってきていることから、かかる行動に出ているもの”だと言明した。
閉じる