世界で最も優秀な教師を選ぶ「グローバル・ティーチャー賞」の表彰が、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで18日に行われたが、英国で最も貧しい地域の一つにある学校で美術を教える女性がこれに選ばれ、賞金100万ドル(約1億600万円)を手にした。
グローバル・ティーチャー賞は、ドバイのバーキー財団が2015年から主催し、世界最優秀教師を選出・表彰するものであり、今年が4回目となる。受賞者には最低5年間は教師を続けることを条件に、10年にわたり合計100万ドルが授与される。
今年の受賞者は、ロンドン都心部で中等教育を行うアルパートン・コミュニティー・カレッジ・オブ・ブレントの美術・テキスタイル(織物)の教師、アンドリア・ザフィラク(Andria Zafirakou)さんに決定した。...
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グローバル・ティーチャー賞は、ドバイのバーキー財団が2015年から主催し、世界最優秀教師を選出・表彰するものであり、今年が4回目となる。受賞者には最低5年間は教師を続けることを条件に、10年にわたり合計100万ドルが授与される。
今年の受賞者は、ロンドン都心部で中等教育を行うアルパートン・コミュニティー・カレッジ・オブ・ブレントの美術・テキスタイル(織物)の教師、アンドリア・ザフィラク(Andria Zafirakou)さんに決定した。彼女は世界173の国や地域の候補者約3万人の内、最終選考に残った10人の中から選出されている。
ザフィラクさんが教鞭を取るブレントは、民族的な多様性がある恵まれない地域で、その生徒の多くは貧困家庭の出身だ。同地域はまた、ギャングの暴力事件が横行しており、彼女が着任した際には、非常に困難な課題に直面していた。しかし警察と密に協力して、問題やギャングを募る者らを特定し、校内や街中に変化を起こしているという。
ザフィラクさんはまた、美術などの創造的な科目の変化をもたらす力を強調し、民族的に多様な学生の共感を呼ぶようにカリキュラムを刷新するとともに、学校で話されている35種類の言語の幾つかの基礎を学び、生徒やその両親との意思疎通を図った。さらに学校の時間割を見直し、女子だけのスポーツの時間を作り、女子クリケットチームは大会で優勝するレベルにまでなった。こうした懸命な働きが功を奏し、アルパートン・コミュニティー・カレッジはイングランドとウェールズで生徒の成績向上率が上位5%に入るようになった。
ドバイのムハンマド・ビン・ラーシド・マクトゥーム首長がツイッターで、テリーザ・メイ英首相がビデオメッセージで、それぞれ受賞を祝福した。英国のトニー・ブレア元首相、米国のアル・ゴア元副大統領らも表彰式に出席している。F1王者の英国のレーサー、ルイス・ハミルトン氏がトロフィーを届けに会場に現れ、南アフリカのコメディアン・俳優トレバー・ノア氏が司会をしたイベントでは、アカデミー賞とグラミー賞を受賞した米国の女優兼歌手のジェニファー・ハドソン氏が出演するなどして、式を盛り上げた。
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