中国自動車工業協会は14日、昨年の新車販売台数が前年比2.8%減となったことを発表した。同国で新車販売台数が前年割れとなったのは、1990年以来28年ぶりのことであり、米中貿易摩擦が中国の国内景気に影を落とし始めている。
『ロイター通信』や
『新華社通信』などの報道によると、中国汽車(自動車)工業協会(CAAM)は14日、中国の新車販売台数は、昨年12月に対前年比13%減と6カ月連続のマイナスとなり、2018年通年では前年比2.8%減の2,808万台で、28年ぶりの前年割れを記録したと発表した。2018年初には3%増と予測されていた。
商用車の販売台数は伸びたが、新華社通信によると、乗用車については、前年比5.8%減の2,235万台に止まったとされており、これが大きく影響した。...
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『ロイター通信』や
『新華社通信』などの報道によると、中国汽車(自動車)工業協会(CAAM)は14日、中国の新車販売台数は、昨年12月に対前年比13%減と6カ月連続のマイナスとなり、2018年通年では前年比2.8%減の2,808万台で、28年ぶりの前年割れを記録したと発表した。2018年初には3%増と予測されていた。
商用車の販売台数は伸びたが、新華社通信によると、乗用車については、前年比5.8%減の2,235万台に止まったとされており、これが大きく影響した。世界最大の自動車市場での販売低迷により、各国自動車メーカーは戦略の見直しを求められることになりそうだ。
但し、2018年の中国市場での新車販売台数をメーカー別に見ると、明暗がはっきりしている。昨年、中国市場で最も業績が悪かったのは米フォードで、新車販売台数は37%も落ち込んだ。中国メーカーで最も業績の良い吉利汽車(Geely)は、2018年に販売台数を20%伸ばしたものの、前年の63%増から大きく減速し、今年は横ばいとなる見込みである。日本のトヨタは、2017年は6%の伸びを記録したが、2018年は高級車レクサスの販売が好調だったことを追い風に14.3%増となった。
CAAMの師建華(Shi Jianhua)氏は記者発表で、中国の自動車市場は、「なお短期的には比較的大きな圧力を受けている。」と語り、2018年の新車販売台数の減少の理由について、小型車の自動車購入税の減税措置打ち切りや、経済の減速、米中貿易戦争の影響などにより、購買意欲が減退したと説明した。
CAAMでは、2019年の新車販売についても弱含みの状況が継続すると予測しており、販売台数を横ばいの2,810万台と見込んでいる。一方、他の政府系や民間の機関などでは、0~2%の小幅な成長を予測している。
アナリストらは、今後の中国市場の展望について、同国政府が普及を進める電気自動車(EV)などの新エネルギー車(NEV)の販売促進策に期待感を示している。CAAMは、NEVの販売台数は、2018年には前年比61.7%増の130万台となったとしており、好調を維持した。今年は160万台に達すると見られている。
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