トランプ陣営は、フロリダ州自宅の家宅捜索によって押収された文書類について、連邦捜査局(FBI、1908年設立)ではなく第三者に検証させるよう、悪あがきともとれる訴訟手続きを取った。しかし、トランプ前大統領の元側近で袂を分かった複数が、同前大統領は極秘文書を自己顕示欲を満たすために保持していたとし、本来大統領職にある者が遵守すべきことも全く理解していなかったと酷評している。
8月22日付
『AP通信』は、「ホワイトハウスの元報道官、ドナルド・トランプ前大統領にとって機密情報は“ピカピカの新しい玩具”と証言」と題して、同前大統領の元側近が、機密情報をあたかも新しく手に入れた玩具のように取り扱っていた、と証言していると報じている。
FBIがドナルド・トランプ前大統領のフロリダ州別邸の家宅捜索で11種類の機密文書を押収した件について、ホワイトハウス元職員が、トランプ前大統領は在任期間中、秘密情報をよく見せびらかせていたことで知られていると証言した。...
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8月22日付
『AP通信』は、「ホワイトハウスの元報道官、ドナルド・トランプ前大統領にとって機密情報は“ピカピカの新しい玩具”と証言」と題して、同前大統領の元側近が、機密情報をあたかも新しく手に入れた玩具のように取り扱っていた、と証言していると報じている。
FBIがドナルド・トランプ前大統領のフロリダ州別邸の家宅捜索で11種類の機密文書を押収した件について、ホワイトハウス元職員が、トランプ前大統領は在任期間中、秘密情報をよく見せびらかせていたことで知られていると証言した。
ステファニー・グリシャム元報道官(45歳、2019~2020年在任)によると、同前大統領は機密情報を“まるで新しく手に入れたピカピカの玩具のように扱って友人らに見せびらかせていた”とし、“多くの人が危険にさらされるかも知れない機密情報を自分が扱っていることを自慢していた”という。
同氏は更に『AP通信』のインタビューに答えて、トランプ氏は機密情報の取り扱いについて“不注意”であったとも付言した。
『AP通信』はこれまでも、トランプ前大統領の機密情報の取り扱いについて何度か疑問視する報道をしてきた。
例えば2018年に安倍晋三首相をフロリダ州のマー・ア・ラゴ私邸に招待した際、会食に同席した人物が、両首脳が北朝鮮のミサイル発射に関わる機密文書を見ている様を携帯電話
で写していたことを取り上げている。
当時、トランプはまた、過激派組織イスラム国(IS)指導者のアブー・バクル・アル=バグダデイ―容疑者(享年48)殺害作戦に関与した米軍用犬コナンの名前を無防備に公にしている。
グリシャム氏によると、コナンはベルジアン・シェパード・ドッグ・マリノアであるが、ホワイトハウス職員内で同犬の写真は撮影されないように注意を払うと示し合わせていたのに、トランプが勝手に公開してしまったという。
これによって、一緒の写真に納まった同犬の調教師らがIS崇拝者からの危険にさらされる恐れがあるとしたが、トランプは全くお構いなしだったとグリシャム氏は語っている。
同氏は更に、“この例で分かるとおり、前大統領は(機密情報の公開で)人命に危機が訪れることの危惧を全く頓着していないこと明らかだ”とも言及した。
同氏のコメントに関し、国家安全保障問題担当の元大統領補佐官だったジョン・ボルトン氏(73歳、2018~2019年在任)も『AP通信』のインタビューに答えて、“前大統領は、機密情報が如何に重要かだとか、機密情報が漏れることによって一部の関係者の命に関わる事態が発生する恐れがある等々について関心がなかった”と追認している。
更に同氏は、前大統領はいくつかの文書の機密性についてよく理解しておらず、(他者への)土産物程度でしかみていなかったと推察される、と語った。
すなわち、同氏によれば、“格好良いと思うものを欲しがっていたようなものだ”とし、“ある時はフライドポテトが気に入ったとして手に入れ、またある時は機密文書を集めたいと思ってそうしたに違いない”と酷評している。
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