近年、韓流ブームを背景に、韓国語は世界でも最も急速に成長しつつある言葉の一つとなっているという。米国では、中国語を学ぶ人が平均して多かったが、人権問題をめぐり米中関係が悪化したのに合わせて中国語学習熱も沈静化しているという。
1月17日付米
『CNN』:「Kポップや韓国ドラマが世界進出、次は韓国語」:
韓国語を学ぶ時期としてはこれ以上ない時期だ。近年、韓国語は世界でも最も急速に成長しつつある言葉の一つで、「韓流」ブームと呼ばれた現象を背景に、あらゆる市場でこれまで安定した人気を誇っていた中国語の人気を上回ってきている。
世界で500万人のユーザーをもつ学習アプリ「Duolingo」によると、2022年韓国語を学んだ人は最も多かった。...
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1月17日付米
『CNN』:「Kポップや韓国ドラマが世界進出、次は韓国語」:
韓国語を学ぶ時期としてはこれ以上ない時期だ。近年、韓国語は世界でも最も急速に成長しつつある言葉の一つで、「韓流」ブームと呼ばれた現象を背景に、あらゆる市場でこれまで安定した人気を誇っていた中国語の人気を上回ってきている。
世界で500万人のユーザーをもつ学習アプリ「Duolingo」によると、2022年韓国語を学んだ人は最も多かった。とりわけ多いのが南・東南アジアで、フィリピンが最も多い。タイ、インドネシア、パキスタンでも大差なく人気だという。
人口の多さからも中国語は「未来のビジネス言語」になると長い間考えられてきたため、韓国語に続いて今も人気を博しているのだが、過去7年間(Duolingoでは)8位に留まっている。韓国語は日本語に次ぐ2位となっている。
このような韓国語の人気上昇は、韓国文化を世界に発信する「韓流」人気によるものだと専門家や教師らは言う。過去20年超、韓国はKポップや韓国ドラマ、美容製品やファッションそして食を世界に発信してきた。国際的文化発信地として、2021年にはオックスフォード英語辞典に韓国発の新語20語以上が追加されるまでになった。
この現象は韓国政府の後押しにもよるもので、1990年代から韓国文化を音楽やメディアで広める戦略をとってきた結果だが、今韓国は「韓国語」を世界的に広めようとしている。
これまで何十年も、海外で学ばれる主なアジア言語は中国語や日本語に限られてきたのだが、韓国のアーティストやディレクターの人気から、過去10年で変化が見られている。それと平行して韓国語への関心の高まりも数字に現れており、現代言語協会の調べでは、米国内の韓国語学校への入学者数が、2002年には5000人だったのに対し、2016年には14000人に増加している。同様に英国でも、韓国語コースを受講する学生が、2012年から2018年には増加している。
同日付米『ABCニュース』:「韓国:Kポップや韓国ドラマの次は韓国語を世界へ」:
韓国語の人気拡大は偶然ではない。韓国政府は様々な文化面な商機と合わせて韓国語の宣伝にも努めてきた。
韓流ブームにより、韓国は「発展した西欧に引けを取らない社会的レベルにある」とアジア諸国に訴求した。過去10年、韓国教育省は韓国語教師らをアジア諸国へ派遣。近年は、ラオス、ミャンマー、タイなど多くの国が、外国語カリキュラムに韓国語を加えている。政府系語学学校は、世界中に244校のラーニングセンターを開設。これらは韓国語への関心を保つ目的で行われていると教育省も認めている。
専門家は、韓国語を学ぶ学生の目的は様々だと指摘。韓国にルーツを持たず、韓国文化に純粋に興味をもつ人にとって「韓流」は重要な要素だが、韓国にルーツを持つ人々にとっては、韓国在住や、より良いコミュニティに属したいという動機による場合が多いという。インスタグラム等のSNSの台頭も、国際的な文化交流を促進し、韓国語学習者増加に大いに貢献したとみられる。
地域的違いでは、米国の学生は、好きな歌手や俳優に話しかけるため等、より文化を楽しむために学ぶ傾向にある一方、東南アジアの学生は、韓国や自国の外資系企業で職を得る等、より目的意識を持って学んでいるという。
韓国への旅行者も増えており、東南アジアからが全体の4割以上を占め、留学生では全体の3割となっている。
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