米国の医療制度改革法(オバマケア)への対応やメキシコ国境の壁建設によって、予算法案の承認が滞り、米国政府機関が一部閉鎖に追い込まれる危険性がある。暫定予算は29日に期限を迎えるが、閉鎖に追い込まれるかどうかは、トランプ大統領がどれだけ自らの政策にこだわるかにかかっている。
メキシコとの国境の壁建設予算は民主党から強く反対されているが、法案通過のためには彼らの票が必要だ。またオバマ前大統領のヘルスケア法案で確保しようとしている、貧しい人々のための各種救済資金をトランプ大統領が認めていないことに対しても、彼らは激しく反発している。
議会は金曜日中に、1兆ドルの包括的な歳出法案を通過させないと、翌日には政府機関の一部閉鎖という最悪の事態を招くが、それはちょうどトランプ大統領の就任100日目に当たる。...
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メキシコとの国境の壁建設予算は民主党から強く反対されているが、法案通過のためには彼らの票が必要だ。またオバマ前大統領のヘルスケア法案で確保しようとしている、貧しい人々のための各種救済資金をトランプ大統領が認めていないことに対しても、彼らは激しく反発している。
議会は金曜日中に、1兆ドルの包括的な歳出法案を通過させないと、翌日には政府機関の一部閉鎖という最悪の事態を招くが、それはちょうどトランプ大統領の就任100日目に当たる。民主・共和両党ともこれまでかたくなな態度をくずさず、予断を許さない状況が続いてきた。
民主党の抵抗で両党の膠着状態が続く事態は、オバマ政権時代に共和党がオバマケアへの歳出法案を認めないように動いたことに重なる。現在は政権を担う共和党が議会でも多数派を占めており、いわゆる「ねじれ」の状態にはない。しかしながら、民主党もなお対抗する力を十分に持っているので、共和党は政権与党として、政府閉鎖の責任を背負いこむことを恐れている。そうした図式は変わっていない。
政府機関の閉鎖を防ぐために、上下両院が暫定歳出法案を通過させて、その間にさらに議論を深めることも必要となってきている。
オバマケア問題は、各党間で内容の詳細を調整しているが、まだ可決すべき法案ができていない。オバマケアの廃止や代替法案の策定を巡る動きがある等、事態は複雑化している。大統領は月曜のツィッターで自分たちの案を絶賛し、オバマケアは負のスパイラルに入り込んでいると述べた。
トランプ大統領は、自身が提唱するメキシコ国境の壁については大統領選挙中の公約であり、メキシコが最終的に費用を負担すべしと主張しているが、民主党議員や殆どの共和党議員でさえも、その実現性に疑問を投げかけている。壁建設のコストは2,000万ドル超と見込まれており、共和党は当初の支払いとして140万ドルを予算に計上することを求めている。大統領はツィッターで、壁は麻薬が我が国に流入し、若者たちを(そして他の多くの国民を)毒するのを防ぐために非常に重要なツールであり、壁が建設されなければ麻薬を巡る状況は絶対に改善されないと主張した。
その後24日の夜、トランプ大統領は国境の壁建設の予算について、秋以降に再度話し合う用意があると柔軟な対応を見せており、解決に向けて少し希望が出てきた。
トランプ大統領はまた、多額の軍事予算の増額についても認められると余裕の構えを見せているが、これもまた交渉の争点の一つとなっており、その額は$1,500万ドルにも及ぶものである。
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