北朝鮮の国営メディアである朝鮮中央通信は、22日、日曜に打ち上げた地対地中距離弾道ミサイル「北極星2型(Pukgukson-2)」の発射実験に成功したと発表した。また実験には金正恩委員長が立ち会い、同ミサイルの実戦への配備を承認し、量産を指示したとも報じた。北朝鮮は大型核弾頭を搭載可能な最新型ミサイル(火星-12型)を1週間前にも発射し、成功したと言われている。
北朝鮮は21日、北倉から東に弾道ミサイル1発を発射したが、約500キロ飛行し、最高高度約560㎞に達した後、東岸沖の日本海側に落下したと韓国の統合参謀本部が発表した。日本のメディアは、ミサイルはおそらく日本の領海の外に落下したものと思われると報じている。菅官房長官は記者会見で北朝鮮に厳重に抗議したと述べた。
北朝鮮は2月にも同型のミサイルの発射実験に成功したと発表していた。今回の発射は、実戦配備のための最終実験であり、段階的な切り離しや核弾頭を最後まで運搬する精度、固体燃料エンジンの機能などが検証されたと言う。...
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北朝鮮は21日、北倉から東に弾道ミサイル1発を発射したが、約500キロ飛行し、最高高度約560㎞に達した後、東岸沖の日本海側に落下したと韓国の統合参謀本部が発表した。日本のメディアは、ミサイルはおそらく日本の領海の外に落下したものと思われると報じている。菅官房長官は記者会見で北朝鮮に厳重に抗議したと述べた。
北朝鮮は2月にも同型のミサイルの発射実験に成功したと発表していた。今回の発射は、実戦配備のための最終実験であり、段階的な切り離しや核弾頭を最後まで運搬する精度、固体燃料エンジンの機能などが検証されたと言う。
金委員長は早期の大量生産を指示し、核戦力の多様化、高度化をさらに進めていくべきと強調した。朝鮮中央通信は、金委員長は満足の意を表し、弾道ミサイルに装着されたカメラからリアル・タイムで送られる地球のイメージを見て、「発射したロケットから地球を眺めるのは壮大で、世界中が非常に美しく見える。」と語ったと報じている。
先週の月曜、国連の安全保障理事会は、北朝鮮に対しミサイル発射実験等をしないよう再度要求しているが、その際、直ちに具体的な行動を通じた非核化への誠実なコミットメントを示すことが重要と強調した。安保理は今回も、日米韓3か国の求めに応じた非公開の緊急会合を、火曜に開催する方向で調整している。
国連の制裁にも係わらず、北朝鮮は自衛のためと称し、繰り返し頻度を上げてミサイル発射実験を実施している。米国は中国の力も借りて強い圧力をかけているが、今のところ金正恩委員長は、そうした圧力を全くものともしないようである。
トランプ大統領のサウジアラビア外遊に同行した米国政府高官は、米国政府が、今回の発射実験の事実と、過去3回の実験より飛行距離が短いミサイルを使用したことを認識していると語った。ティラーソン国務長官は、引き続き経済的、外交的圧力をかけていくと述べている。
5月初旬に米国は、韓国に配備されたミサイル防衛システム(THAAD)が稼働を開始したと発表した。フル稼働の状態となるには、まだ数か月を要するが、THAADは北朝鮮のミサイルを迎撃する能力があり、北朝鮮と中国がその配備を非難している。しかしTHAADが日曜の発射実験に対して使用された様子はなかった。新たに就任した韓国の文大統領は、北との対話推進派であるが、1週間おいて北朝鮮が2回の実験を実施したため、難しいかじ取りを迫られている。文大統領はNSCの緊急会合を開催した。
今回の発射実験は、今年に入ってから10回目となる。軍事専門家は、核兵器で米国本土を攻撃する能力を備えるという目的において、着実に進歩をしていると言う。直近の数回の実験は、何度か失敗もあったが、太平洋の米軍基地までは到達可能な能力を示すものだった。
土曜日に北朝鮮は米国本土を攻撃可能なミサイルを開発したと述べたが、西側のミサイル専門家は、その主張は誇張されたものと反論している。但し、先週の実験によって、ハワイやアラスカまでもが到達可能範囲に入った可能性があることを認めており、固体燃料エンジンと移動式の発射台の開発技術により、発射準備の兆候を検知することも難しくなったと言っている。
しかしながら、固体燃料を使用するミサイルの大型化は難しい技術を要し、フランスや中国等の大国でも中距離ミサイルからICBMの開発までには、かなりの年月を要していると言う。
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