サウジアラビアのリヤドで、アメリカのトランプ大統領とサルマーン国王を中心に、イスラム国家の主導者を集めた国際会議が行われ、トランプ大統領は「中東諸国はイスラム過激派を一掃しなければならない。これはもはや西洋とイスラムの戦いではなく、正義と悪の戦いである。」と演説した。
トランプ大統領は二日間サウジアラビアに滞在する予定で、昨日の講演はメインイベントであった。
「私は、この演説で皆様方に色々なことをレクチャーしにきたわけではなく、アメリカと中東とのパートナーシップを再構築したいと思っております。」トランプ大統領はそのように述べたが、今回のサウジアラビア訪問は大統領就任後初めての外遊であり、FBI長官解任やロシアとの件での告発から免れ、まるで刑の執行を延期させているかのようである。...
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トランプ大統領は二日間サウジアラビアに滞在する予定で、昨日の講演はメインイベントであった。
「私は、この演説で皆様方に色々なことをレクチャーしにきたわけではなく、アメリカと中東とのパートナーシップを再構築したいと思っております。」トランプ大統領はそのように述べたが、今回のサウジアラビア訪問は大統領就任後初めての外遊であり、FBI長官解任やロシアとの件での告発から免れ、まるで刑の執行を延期させているかのようである。
また、大横領選挙期間中から散々イスラム国家に対して厳しい発言をしてきたトランプ氏も、今回の演説では中東との和解を求めているようである。今ではトランプ大統領は「イスラム教は世界で最も素晴らしい信仰のうちの一つだ」と述べているという。
かつてトランプ大統領はオバマ元大統領が「イスラム過激派」という言葉を使用しないことについて「アメリカの敵を全く理解していない」とし批判していたが、今回のサウジでの会議では自身もそのような言葉を引用しなかった。
また、トランプ大統領は演説にて「イスラム国家からの移民禁止令」については詳しくは言及せず、「中東との繋がりを深くし、ともにテロと闘う」というメッセージのみを伝えた。
また、アメリカの中東への投資や軍事的な援助についても決まった約束はせずに、ただひたすら「あなたたち中東諸国の聖なる場所から憎きテロを追放しなさい」と主導者たちに伝えたという。
また、トランプ大統領は中東諸国のイランへの強硬姿勢を絶賛した。これは2009年のオバマ元大統領のカイロでのイスラム諸国へのデビュー演説に対抗するためとみられる。オバマ元大統領は「イスラム諸国は相互に理解し合うことが必要」と平和主義を主張し、アメリカの中東への軍事支援を批判した。そのことで、かえって中東からアメリカは批判されることとなった。
リヤドでの会議ではトランプ大統領もサルマーン国王もイランに対する強硬姿勢という見解は一致したようで、「イランは破滅と混乱をもたらす」とトランプ氏は述べ、サルマーン氏も「イランはテロを扇動する悪の元凶だ。」と主張。
今現在トランプ政権は各方面からFBI長官解任やロシアの件でたたかれている中で、サウジアラビアからの歓迎メッセージはホワイトハウスの印象を少しでもよくするとみられる。
トランプ大統領はスピーチの前にはエジプトやクウェートとも個別に首脳会議を開いたようで、特にエジプトのファタハ大統領とは「緊密な関係」を共に誓い合った。
ファタハ大統領は「あなたは不可能なことを実現しようとするユニークな大統領だ」とジョークを述べたことでその場の参加者が笑い、その代わりにトランプ大統領はファタハ大統領の靴を「いい靴だね。気に入ったよ。」と返し、会場の雰囲気が和んだ一場面もあったという。
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