当初、議会の最大勢力の与党国民党などは、脱原子力はエネルギーコストの増加につながるとして反対し、国民投票を行なうために必要な署名を集め、今回の投票に至った。
今回の国民投票の結果、賛成58.2%、反対41.8%で原子力発電所の新設を禁止し、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを推進する新法が可決した。尚、投票率は、42.4%であった。
「エネルギー戦略2050」は、①新しい原子力発電所の建設を凍結する、②既存の原子力発電所を段階的に廃止する、③2035年までに太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電量を現在の4倍に増やすというものである。...
全部読む
当初、議会の最大勢力の与党国民党などは、脱原子力はエネルギーコストの増加につながるとして反対し、国民投票を行なうために必要な署名を集め、今回の投票に至った。
今回の国民投票の結果、賛成58.2%、反対41.8%で原子力発電所の新設を禁止し、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを推進する新法が可決した。尚、投票率は、42.4%であった。
「エネルギー戦略2050」は、①新しい原子力発電所の建設を凍結する、②既存の原子力発電所を段階的に廃止する、③2035年までに太陽光や風力などの再生可能エネルギーによる発電量を現在の4倍に増やすというものである。
現在、スイスでは、総電力量のうち約60%は水力発電により賄っているものの、約35%は原子力発電に依存しており、再生可能エネルギーによる発電量は5%未満にとどまっている。
スイス国内にある5基の原子力発電所うち4基は、技術的な基準を満たす限り運転の継続を認められているが、建て替えは行わない予定である。また、残り1基は、2019年に閉鎖を予定している。
さらに、スイスは、原子力による発電量を2020年までに16%、2035年までに45%削減することを目指している。
尚、原子力発電の廃止に伴い、各家庭は年間37ユーロ(日本円で4625円)負担が増える予定である。
この新法は、2018年に施行される見通しである。
欧州では、東京電力福島原発事故以来、原子力発電の依存度を低下させる取組みが広がっており、ドイツでは2020年までに電子力発電を廃止することを決定している。
閉じる