イギリスマンチェスターで現地時間22日夜、若者に人気歌手アリアナ・グランデのコンサート会場でテロ事件が発生した。捜査当局は自爆した実行犯の男が単独犯ではないとの可能性も見据え、共犯者の存在も視野に捜査。関連は不明だが、イスラム国はメッセージアプリを通じ犯行声明をだしている。実行犯の両親はリビア出身でその父親はリビアに戻ったとされ、リビアの過激派組織との結びつきが無いか捜査が進行しているという。
イギリスでは更なるテロの疑いがあるとし、警戒レベルを最高レベルに引き上げ、軍も出動しテロ対策に乗り出している。コンサートやスポーツ等の会場、駅や空港の警備も強化される。また来月8日の英総選挙にも影響が及んでおり、各政党の選挙活動は一時中断しているという。
英各地では事件翌日犠牲者の追悼集会が開かれ、各国首脳らも追悼の声明を発表。米国トランプ大統領は「テロリストは残忍非道な「モンスター」と呼ばれたがっているに違いないから、そう呼ばず彼らを人生の「敗者」と呼ぶ」とコメントしている。今週末にはイタリアで開かれるG7首脳会議にメイ首相も出席し、治安・テロ対策が協議される。
5月23日付英国
『BBC』は「マンチェスターのテロによりイギリスの警戒最高レベルに」との見出しで以下のように報道している。
「イギリスのメイ首相は、コンサート会場で起きた自爆テロを受け、実行犯サルマン・アベディ容疑者の単独犯ではない可能性が排除できないとし、今後のテロの可能性を考慮しテロ警戒レベルを最高に引き上げると説明した。これにより各主要都市に警察の援護として軍を配備、今後コンサート会場等で警察の指導下で警戒にあたるという。...
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5月23日付英国
『BBC』は「マンチェスターのテロによりイギリスの警戒最高レベルに」との見出しで以下のように報道している。
「イギリスのメイ首相は、コンサート会場で起きた自爆テロを受け、実行犯サルマン・アベディ容疑者の単独犯ではない可能性が排除できないとし、今後のテロの可能性を考慮しテロ警戒レベルを最高に引き上げると説明した。これにより各主要都市に警察の援護として軍を配備、今後コンサート会場等で警察の指導下で警戒にあたるという。メイ首相は国民に対しては、不安になるのも無理はない状況だが「心配しすぎないように」と呼びかけた。
最高警戒レベルは警察や政府機関の専門家からなる「合同テロ分析センター」により決定されている。
初めて最高警戒レベルを出したのは2006年大西洋間の航空機爆破の情報があった時。翌2007年にはロンドンのナイトクラブで爆発を起こそうとした男の追跡のため警戒レベルが敷かれた。
マンチェスターのサルフォード大学生だった22歳の犯人は、リビア出身の両親。犠牲者のうち8歳、18歳、28歳の3人の身元が判明しており、イスラム国はメッセージアプリ「テレグラフ」内の「ISチャンネル」を通し、マンチェスターテロへの関与を宣言しているが、真偽は不明である。今回、テロ犯が単独で行ったかが最大の捜査の焦点であるという。
事件後の23日バーミンガムなど各地で追悼集会が行われ、1分間の黙とうがささげられた。」
同日付英国
『テレグラフ』は「テロ警戒を最高レベルに引き上げ、今後のテロを警戒し市内には軍を配備」との見出しで次のように報道している。
「メイ首相の発表によると、マンチェスターで起きたテロを受け、次なるテロに警戒し市内の道路には5千人の軍が配備されることとなった。英国は10年ぶりにテロの警戒レベルを最高に引き上げた。実行犯の両親はカダフィの圧政を逃れ、リビアを去っていたが、リビア出身の父はアラブの春の2011年以降にリビアに戻っていたという。リビア人でマンチェスター在住歴があり北アフリカへ戻った人はアルカイダやISILと結びつきがあることは良く知られており、捜査機関は実行犯がリビアの過激派と結びつきが無いかという観点で緊急に捜査を進めているという。
英国では、今週末にはFAカップ決勝(サッカー)が控えていることもあり、またコンサート会場等や駅、空港でも警備を強化する方針である。また、総選挙に向けた各政党の選挙運動は今後についての知らせがあるまで中止とする。
歌手のグランデは若者から絶大な人気があり、会場で犠牲になった人の多くは若者で、病院に運ばれた59人のうち12人は子どもだったという。
メイ首相は今回のテロを、「英国史上最悪のテロ事件の一つ」とし、「思い出に残る楽しい夜を過ごしていた罪のない子どもや若者を標的とする恐ろくおぞましいテロのために立ち上がる」と述べた。エリザベス女王はマンチェスター市民へのメッセージ上でテロは「野蛮」だと表現した。
今回のテロを受け、トランプ米大統領は、テロ犯や仲間は「邪悪な人生の敗者」、「彼らは「モンスター」と呼ばれたいはずだから、私は彼らを「モンスター」とは呼ばない。だから「敗者」と呼ぶ」と述べている。またロシアのプーチン大統領、中国の習主席、ドイツのメルケル首相もメイ首相へ追悼のメッセージを送ったという。
今週後半メイ首相は、テロ対策が協議されるシチリアでのG7首脳会議へ予定通り出席し、テロ対策を主導するとみられる。」
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