米国本拠のグローバル・コンサルティング会社であるマーサーは21日、世界の都市における海外駐在員の生活費について、今年のランキングを公表した。これによると1位はアンゴラの首都ルアンダで、2位が香港、3位が東京だった。
この調査は、ニューヨークの価格をベースとして、5大陸400以上の都市を対象に、駐在員が生活した場合の住居、交通、食料、衣料、家庭用品、娯楽等、200以上の費目にかかるコストを調べている。今年は世界の209都市について、それぞれどの位の生活費がかかるかをランキングにして発表した。
これによると、海外駐在員にとって最も生活費の高い都市は、アフリカ南西部の国、アンゴラの首都ルアンダだった。...
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この調査は、ニューヨークの価格をベースとして、5大陸400以上の都市を対象に、駐在員が生活した場合の住居、交通、食料、衣料、家庭用品、娯楽等、200以上の費目にかかるコストを調べている。今年は世界の209都市について、それぞれどの位の生活費がかかるかをランキングにして発表した。
これによると、海外駐在員にとって最も生活費の高い都市は、アフリカ南西部の国、アンゴラの首都ルアンダだった。物価とセキュリティのコストが高いためであるが、同市では2寝室のアパートの家賃が月4,800英ポンド(約67万円)で、ファースト・フードのハンバーガー・ミールの価格が11.5英ポンド(約1,600円)であるという。ルアンダは、昨年は2位だったが一昨年も1位だった。
これに対して最も生活費の安い209位はチュニジアの首都チュニスで、その上にキルギスの首都ビシュケク、マケドニアの首都スコピエが続いた。
トップ10は以下のとおり(カッコ内は2016年の順位)。
1.ルアンダ(アンゴラ)(2)
2.香港(1)
3.東京(日本)(5)
4.チューリヒ(スイス)(3)
5.シンガポール(4)
6.ソウル(韓国)(15)
7.ジュネーブ(スイス)(8)
8.上海(中国)(7)
9.ニューヨーク(米国)(11)
10.ベルン(スイス)(13)
アジアの都市がランキング上位を占めており、トップ10には5都市が入った。ソウルは15位から6位へ9ランク上昇してトップ10入りしている。一方、北京は1ランク落として11位となった。「多くのアジアの都市が上位となっているが、香港やシンガポールなどの主要な金融センターが人材を引き付け、最も選ばれる駐在先であることには変わりない。」とマーサーのコンサルタントは強調した。
また「今年の傾向は、主に米ドルに対する自国通貨の価値の変動の影響が大きいことであるが、インドのムンバイのように強い経済と成長機会により大きく上昇した都市も見られる。」とも説明している。元がドルに対して弱くなり、殆どの中国の都市がランキングを落とす一方、日本の諸都市は強い円、駐在員経費の高さ、ダイナミックな不動産市場などから上昇した。ムンバイは急速な経済成長やインフレにより、25ランク上がって57位となっている。ちなみにインドの首都ニューデリーは99位だった。
アジア以外では、スイスの都市がトップ10に3都市入った。ベルンは米国のニューヨークとともに、今年トップ10に再びランクインしている。オーストラリアドルの上昇により、シドニーが17ランク上がって台北と並んで25位となり、メルボルンとパースもトップ50入りした。ロシアのルーブルの上昇で、モスクワとサンクトペテルスブルクはそれぞれ14位、36位に上昇している。
英国の諸都市は今年かなり順位を下げている。ロンドンは昨年の17位から13ランク下げて30位となった。マーサー社によれば、EUからの離脱の決定による英ポンドの下落が影響しているという。
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