電子商取引大手の米アマゾン・ドット・コム社は、注文してから2分以内に商品を受け取ることができる「インスタント・ピックアップ」のサービスを開始した。注文商品が2時間以内に届くプライム・ナウ」や、生鮮食料品と日用品が15分以内で届く「フレッシュ・ピックアップ」の通販サービスに比べて、配送時間が大幅に短縮される。
新サービスは、スタッフが常駐しているピックアップ(PU)カウンターで商品を受け取るが、現在利用できるのは、カリフォルニア大学バークレー校をはじめ、ロサンゼルス、アトランタ、コロンバス(オハイオ州)、カレッジ・パーク(メリーランド州)など大学キャンパス内の5ヵ所のみ。今後は、即日PUカウンターとして同社が既に保有している22ヵ所を中心に、新サービスの事業拠点を増やしていく予定。
利用者は、アマゾン専用のモバイルアプリから希望商品を選択。...
全部読む
新サービスは、スタッフが常駐しているピックアップ(PU)カウンターで商品を受け取るが、現在利用できるのは、カリフォルニア大学バークレー校をはじめ、ロサンゼルス、アトランタ、コロンバス(オハイオ州)、カレッジ・パーク(メリーランド州)など大学キャンパス内の5ヵ所のみ。今後は、即日PUカウンターとして同社が既に保有している22ヵ所を中心に、新サービスの事業拠点を増やしていく予定。
利用者は、アマゾン専用のモバイルアプリから希望商品を選択。対象となるのは、スナックや飲料、携帯充電器などの電子機器を含めた数百種類。常駐の従業員が注文商品を2分以内でPUカウンター内に設置されたロッカーに入れる。注文者はアプリ上で受け取ったバーコードをロッカーにかざして商品を受け取れるというセルフサービス方式になっている。
同社は新サービスの開始に先立ち、高級生鮮食品スーパーWhole Foodsを137億ドル(約1兆5088億円)で買収したが、生鮮食料品や日用品がオンライン通販には不向きであると実感。同分野においては、買い遅れ客や、衝動買いの顧客を今後はターゲットにする。また、新サービスのPUカウンターの設置場所としても検討していく。
「喉が渇いてコーラを飲みたくても、普通、アマゾンで注文しませんよね。でも、結局はコーラを長い時間待つわけです。それなら、アマゾンが代わってそのサービスを提供してもいいはずです」と語るのは、インスタント・ピックアップ責任者リプレイ・マクドナルドさん。
「アマゾンが食料雑貨販売にも事業を拡大するのは当然です。新サービスは、大口購入顧客のみならず、小口購入顧客の需要にも応えられますから」と指摘するのは、R. J. ホトビーさん(格付け会社モーニングスター・アナリスト)。
新サービスの開始に伴い、大学に設置された自動販売機の売上げが落ちるのではという考えに対して、「新サービスは自販機をめったに使用しない電気機器オタクに便利なだけです。通常の学生は、1杯のドリンクで2分なんて長くて待てませんよ」とアナンダ・チャクラバティーさん(調査会社フォレスター・アナリスト)は語る。
閉じる