インターネット上での言論の自由やプライバシーを保護する目的で設立された電子フロンティア財団EFF(米・サンフランシスコ)は、8月17日、「Google」や「GoDaddy」がネオナチサイト「the Daily Stormer」のドメイン使用を停止したことに対し、表現の自由を脅かす危険行為であると警告した。
12日、シャールッツビル(米・バージニア州)で白人至上主義者やネオナチなどの極右団体と、その反対派が衝突して反対派のヘザー・レイヤーさんが死亡した翌日、同サイトは「彼女が死んで多くの人が喜んでいる」という内容の記事を公開した。
GoDaddyは、同サイトが利用規約に違反したとしてドメインの使用を停止した。その後、同サイトはGoogleにドメインを移したものの、Googleも数時間後にドメインの使用を停止。...
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12日、シャールッツビル(米・バージニア州)で白人至上主義者やネオナチなどの極右団体と、その反対派が衝突して反対派のヘザー・レイヤーさんが死亡した翌日、同サイトは「彼女が死んで多くの人が喜んでいる」という内容の記事を公開した。
GoDaddyは、同サイトが利用規約に違反したとしてドメインの使用を停止した。その後、同サイトはGoogleにドメインを移したものの、Googleも数時間後にドメインの使用を停止。「Cloudflare」もサービスの一部を停止し、事実上サイトは使用できない状態となっている。同サイトは、「Twitter」や「Facebook」にアカウントは開設しておらず、この措置に対するコメントは不明。
シャールッツビルでの事件を契機に、テクノロジー企業の間では、極右団体およびその支持者関連のサイトをインターネット上から締め出す動きが続いている。
これに対してEFFは、「公正な一般人すべてが、米国全体で増大しつつある憎むべき暴力や攻撃に立ち向かうべきです。しかし、同時に、ネオナチを沈黙させるためにインターネット上で現在使われているあらゆる戦略は、ネオナチとは関係ない他の人々に対しても使われることを私たちは認識しなければなりません」と主張する。テクノロジー企業が自社のプラットフォームに表示する言論を選ぶ権利を有することを認めつつも、2社による今回のドメイン使用停止措置は度を越していると指摘した。
CloudflareのCEOマシュー・プリンス氏は、今回の措置について次のように説明した。
「どんな内容を含むサイトに対しても、ネットワークの立場で中立を保つようにしてきました。それでも、the Daily Stormerのイデオロギーを弊社が密かに指示していると同サイトが主張したことが、停止を決定する転換点になりました」
サービス停止後、プリンス氏は従業員に対して「私たちは常に中立であるべきである」とEメールで語った。
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