9月29日付米
『ロイター通信米国版』:「インドネシア、中国から貸与されたパンダを歓迎」
インドネシアは9月28日、10年間の約束で中国から貸与されることとなった、2頭のパンダ“彩陶(サイタオ)”と“湖春(フーチュン)”の到着を歓迎した。
インドネシアは今年7月、自国のEEZ内と主張して、南シナ海南端の海域を北ナトゥーナ海と命名している。中国外交部はすぐさま、勝手な命名は“意味のないこと”と一蹴しており、以降両国間には不穏な空気が流れていた。...
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9月29日付米
『ロイター通信米国版』:「インドネシア、中国から貸与されたパンダを歓迎」
インドネシアは9月28日、10年間の約束で中国から貸与されることとなった、2頭のパンダ“彩陶(サイタオ)”と“湖春(フーチュン)”の到着を歓迎した。
インドネシアは今年7月、自国のEEZ内と主張して、南シナ海南端の海域を北ナトゥーナ海と命名している。中国外交部はすぐさま、勝手な命名は“意味のないこと”と一蹴しており、以降両国間には不穏な空気が流れていた。
中国は1950年代より、友好の印として相手国にパンダを贈る“パンダ外交(注後記)”を展開してきており、今回もその一環と考えられる。
同日付シンガポール
『ザ・ストレーツ・タイムズ』紙:「パンダ外交で、中国・インドネシア両国関係は新たな段階へ」
中国から貸与された2頭のパンダは、ジャワ島西南のボゴール(ジャカルタの75キロメーター南)内のタマン・サファリ動物園で飼育される。
一般公開は年末までに行われるが、同動物園関係者の話では、習近平(シー・チンピン)国家主席とジョコ・ウィドド大統領がお披露目に立ち会う予定であるという。
ただ、本紙がジャカルタの中国大使館に照会したところ、習主席の訪問については一切コメントすることはないとの回答であった。
同日付台湾
『台北タイムズ』紙:「インドネシア、中国との友好の印としてパンダを受け取る」
インドネシアの環境・森林省は、友好の印としてパンダを受け取るのは、インドネシアが16番目の国であるとする。ただ、かつての贈与ではなく、10年間の貸与であるという。
世界自然保護基金(WWF、世界最大規模の自然環境保護団体)によると、パンダは脆弱で保護が必要であり、現在棲息するのは約1,800頭という。
なお、インドネシアはこれまで、南シナ海において領有権は主張してこなかった。しかし、自国のEEZ内とするナトゥーナ諸島海域で、度々中国漁船が違法操業していることから、海軍による監視を強め、しばしば中国側と衝突していた。
一方、同日付中国
『新華社通信』:「中国のパンダが到着して、インドネシアにもパンダ・ファンが増加」
2頭のパンダが到着したジャカルタ空港では、インドネシア在中国大使館の孫偉徳(スン・ウェイデ)公司、インドネシア環境・森林省のシチ・ヌルバヤ大臣他、数百人の報道陣に迎えられた。
同大臣は、中国によるパンダ貸与に感謝するとし、パンダ受け入れの16番目の国になれたことを栄誉に思う旨述べた。
なお、パンダ貸与の話は、両国国交開始60年を記念した2010年に始められた。そして昨年8月1日、中国野生動物保護協会とタマン・サファリ動物園の間で、共同研究を目的とした貸与協定が締結されたものである。
(注)パンダ外交:中国が行ってきた政策で、友好関係の象徴としてパンダを贈ることで外交上の優位性を確保しようとしたもの。ただ、1982年以降は、「絶滅の危機」などを理由に贈与をやめ、「共同研究」などを名目に貸与する形を取るようになっている。上野動物園にいる“力力(リーリー)”と“真真(シンシン)”も貸与されたパンダで、中国野生動物保護協会と協定を結び、年間95万ドル(約1億円)を中国側に支払って、10年の期間で貸し出しを受けている。なお、今年6月に誕生した“香香(シャンシャン)”も所有権は中国にある。
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