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【Globali】
米研究者 遺伝子操作で栄養強化されたトウモロコシを発表
10月10日付 『AFP』をはじめとする英文メディアによると、トウモロコシを遺伝子操作し、本来トウモロコシには含まれないアミノ酸を生成する方法を発見したとアメリカの科学者らが発表したことを伝えた。
遺伝子操作されたトウモロコシは肉などに含まれるアミノ酸「メチオニン」が含まれている。腸内バクテリアである大腸菌の遺伝子をトウモロコシに含ませる方法でメチオニンを生成する。アメリカのニュージャージー州にあるラトガース大学の植物生物学教授で、発表された論文の共著者でもあるトーマス・ルーテック氏は「我々はトウモロコシの栄養価を高めることに成功した。家畜の飼料用に使われているものにはメチオニンがなかったが、今回の研究で効果的に含ませる方法を見つけた。...
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遺伝子操作されたトウモロコシは肉などに含まれるアミノ酸「メチオニン」が含まれている。腸内バクテリアである大腸菌の遺伝子をトウモロコシに含ませる方法でメチオニンを生成する。アメリカのニュージャージー州にあるラトガース大学の植物生物学教授で、発表された論文の共著者でもあるトーマス・ルーテック氏は「我々はトウモロコシの栄養価を高めることに成功した。家畜の飼料用に使われているものにはメチオニンがなかったが、今回の研究で効果的に含ませる方法を見つけた。」と述べた。
メチオニンは9つの必須アミノ酸のうちの1つで、体の組織の修復や、肌や爪、髪の健康にも必要不可欠な栄養素である。またメチオニンの中に含まれる硫黄は外の汚染物質から体を保護し、老化を遅らせる作用があり、亜鉛などのミネラル分を摂取する際にも必要なものだ。メチオニンは自然には存在しないため、業界ではこれまで、家畜を育成する目的でトウモロコシに合成メチオニンを加えていた。しかしこれにはコストがかかりエネルギーを余計に消費してしまう。関係者らは、今回の遺伝子操作でメチオニンを含有させることに成功したことで、特に貧困地域の人々の食料危機を救うかもしれないと期待している。貧困地域では主食としてトウモロコシを食べている地域も多いため、人の健康に影響を与えることはもちろん、家畜の飼料価格を下げ、食料全体の価格を下げるのではないかと言われる。
研究の過程ですでにニワトリによる実験がされており、トウモロコシ一粒あたりのメチオニン含有量が57%程度増加するなど、高い栄養素の餌となったことがわかった。ルーステック氏は「原理的には2~3年以内の実用可能になる。その際には法規制が主なハードルになるだろう」とAFPによる取材で語っている。
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