【Globali】
トランプ米大統領、メキシコ抜きでカナダと貿易協定締結の可能性に言及(2017/10/12)
トランプ米大統領は11日、NAFTA(北米自由貿易協定)の交渉がまとまらず、物別れとなった場合、メキシコを除き、カナダとの2国間貿易協定の締結もあり得ると述べた。カナダのジャスティン・トルドー首相との会談後に記者団の質問に答えた。
トランプ大統領は、NAFTA交渉でメキシコと合意できなかった場合に、カナダと貿易協定を締結するかと尋ねられ、トルドー首相が見守る中、「いずれかの国と交渉がまとまらないこともあり得るが、その場合には一国と協定を結ぶこともある。」と記者団に答えた。またNAFTAは死んだのかと聞かれると、「どうなるかは今後わかる。」として、「我々は必要な改定ができるのかを見守る。我々は自国の労働者を守らなければならない。...
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トランプ大統領は、NAFTA交渉でメキシコと合意できなかった場合に、カナダと貿易協定を締結するかと尋ねられ、トルドー首相が見守る中、「いずれかの国と交渉がまとまらないこともあり得るが、その場合には一国と協定を結ぶこともある。」と記者団に答えた。またNAFTAは死んだのかと聞かれると、「どうなるかは今後わかる。」として、「我々は必要な改定ができるのかを見守る。我々は自国の労働者を守らなければならない。そして首相もまた、カナダとカナダ国民を守りたいと思っている。」と語った。
トルドー首相は、NAFTA再交渉の第4回会合が開始するに当たり、同協定の利点をトランプ大統領に説くためにワシントンを訪問中である。後にカナダ大使館で、トランプ大統領のコメントについて質問されたトルドー首相は、1994年の協定を今日的に改定してNAFTAを維持することの可能性について前向きだった。「私はなおNAFTAの価値を信じているが、我々はいかなる事態にも備えており、カナダの利益を守るため、引き続き精力的に活動していく。」と決意を表した上で、カナダはトランプ大統領の予測不可能な面についても十分に認識しているとも述べた。トルドー首相は12日にメキシコを訪問し、NAFTAに関して協議する予定である。
全米商工会議所は10日、トランプ政権はNAFTAを廃止に追い込むため、自動車生産に関し米国がより有利となる扱いを要求する「毒薬条項」のような非現実的な提案を行い、交渉を妨害していると批判した。またメキシコのビデガライ外相は同日、NAFTAを廃止すれば米墨関係は限界点に達し、他の分野の両国の協力関係に影響すると警告している。
ウィルバー・ロス米商務長官も、NAFTAを終結させるという考えには否定的だ。「我々はそれを望まないし、そうなるとは思わない。交渉を進めていくに当たり、少なくとも概念的には可能性としてあるが。」と語っている。
しかし米国は強気の姿勢を続けている。米国は今週、自動車の生産に関し、北米域内の部品の使用割合を、現行の62.5%以上から85%以上へと大幅に引き上げる提案をする他、今までの交渉にはなかった米国部品を50%以上組み込むことを求める予定であるという。カナダ、メキシコ両国の反対は必至で、交渉は冒頭から難航が予想される。
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