米グーグルは17日、政治家、政府関係者、ジャーナリスト等、高度なハッカー攻撃の標的となるリスクの高いユーザー向けに、「Gメール」などのセキュリティを強化するための、高度な保護機能を提供するプログラムを展開していくことを明らかにした。
グーグルのユーザーは、「Gメール」「グーグル・ドライブ」「ユーチューブ」のデータをフィッシング攻撃から守ることを目的としたセキュリティ機能の強化の設定を選択することができるようになる。
今回展開する高度な保護機能を提供するプログラムには、本人確認の方法として、デスクトップPCに毎回ログインする前に、物理的なUSBセキュリティキーの接続を必要とするオプションも含まれている。モバイル機器へのログインには、ブルートゥースの無線装置が必要となる。...
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グーグルのユーザーは、「Gメール」「グーグル・ドライブ」「ユーチューブ」のデータをフィッシング攻撃から守ることを目的としたセキュリティ機能の強化の設定を選択することができるようになる。
今回展開する高度な保護機能を提供するプログラムには、本人確認の方法として、デスクトップPCに毎回ログインする前に、物理的なUSBセキュリティキーの接続を必要とするオプションも含まれている。モバイル機器へのログインには、ブルートゥースの無線装置が必要となる。アップルの「iOSメール」やマイクロソフトの「アウトルック」といった、グーグル製品以外のアプリによる自身のデータへのアクセスを退けることも可能になるという。
またアカウントをロックされたふりをして、アクセスを試みようとするハッカーによる不正アクセスを防止するため、より手のかかる詳細なアカウント復旧手順を用意している。グーグルは以前、2要素認証として知られるセキュリティキーの使用もサポートしていたが、今回のプログラムのユーザーは、もしキーをなくした場合、完全なアカウント復旧手順を取る以外、いかなる補助的なログイン手法も許されなくなる。復旧手順の内容については公表されていない。
グーグルはUSBやブルートゥースのセキュリティキーの購入方法などを含め、高度な保護機能の設定要領を説明するウェブサイトを立ち上げた。
今回のセキュリティ機能の強化の背景には、昨年の大統領選挙で、民主党のヒラリー・クリントン候補陣営のスタッフのメールがフィッシング攻撃で流出したという経緯がある。米国の調査機関は、クリントン候補の選挙運動の責任者であったジョン・ポデスタ氏の個人のGメールアカウントから情報が漏洩したなどのハッキングについては、共和党のトランプ氏を支援するために行われた広範なサイバー広告とともに、ロシアが実行したと結論づけている。「もしジョン・ポデスタ氏が昨年、今回提供された高度な保護機能を持っていたとしたら、世界情勢は全く異なっていたかも知れない。」と言う専門家もいる。
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