ジミー・カーター元米大統領は21日、米紙ニューヨーク・タイムズのインタビューに応じ、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮との対話のため、トランプ政権を代表して訪朝し、緊張緩和を図る用意があると語った。但し、トランプ政権は慎重な姿勢を示しており、実現するかどうかについては不透明だ。
93歳のカーター元大統領は5月、自らの安全保障の助言者であったブレジンスキー元大統領補佐官の葬儀でマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)に会った際に、もしトランプ政権が自分を必要とするのであれば、北朝鮮に行く用意があると伝えた。マクマスター補佐官の反応は否定的だったという。
1994年の朝鮮半島の核危機があった際にカーター氏は訪朝し、故金日成主席と会談して北朝鮮の核開発凍結と査察受け入れで合意し、同年の米朝枠組み合意に繋げた。...
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93歳のカーター元大統領は5月、自らの安全保障の助言者であったブレジンスキー元大統領補佐官の葬儀でマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)に会った際に、もしトランプ政権が自分を必要とするのであれば、北朝鮮に行く用意があると伝えた。マクマスター補佐官の反応は否定的だったという。
1994年の朝鮮半島の核危機があった際にカーター氏は訪朝し、故金日成主席と会談して北朝鮮の核開発凍結と査察受け入れで合意し、同年の米朝枠組み合意に繋げた。「米政府も軍事力の拡大を検討していると聞き、私は訪朝を決断した。過去、私はホワイトハウスや国務省の許可なく紛争地域に行くことを控えていた。しかし当時許可が得られなかったため、私はクリントン大統領(当時)に直接手紙を書いて訴え、北朝鮮に行くことを決意したことを伝えた。」と2003年のインタビューで当時の経緯を説明した。同氏は2010年にも、拘束されていた米国人の解放交渉のために訪朝している。
同氏は今回のインタビューで、対話による外交手段を提唱したものの、金正恩委員長は「予測不能」な人物であり、米国に対する先制攻撃をする能力があると警告した。「彼は朝鮮半島と日本、そして我々の太平洋上の領土の一部、おそらく米国本土さえも破壊することができる、進んだ核兵器を手に入れた。」とニューヨーク・タイムズに語っている。
インタビューで同氏はまた、トランプ大統領と現在米国で起きている幾つかの出来事についての自身の見解を述べている。政治的な考え方も大きく違う民主党員として、またトランプ氏から、米国の歴史上最悪の大統領と批判されたにも関わらず、トランプ氏を擁護する発言があったのは驚きだった。
カーター氏は2016年の大統領選挙に対するロシアの関与については懐疑的であり、NFLのプレイヤーは国歌が流れる間は起立すべきで、跪くこととは別の抗議の仕方があると述べた。またトランプ大統領のサウジ等、中東の外交問題への対応を評価し、メディアは過去の他の大統領より、トランプ大統領に対し厳しいとも指摘した。
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