メキシコのプラヤス・デ・ティファナと米カリフォルニア州サン・イーサイドロには両国の国境2000マイルの中で特別な扉がある。「希望の扉」と呼ばれるその門は数か月に一度しか開けられず、今回はここ数年で6回目となる開門だった。このイベントを企画している非営利団体ボーダー・エンジェルズ・グループ事務局のエンリケ・モローンズ氏によって国境警備隊が1時間程度扉を開ける。今回は12組の家族が再会を果たした。
今回最も注目を集めたのが扉で結婚式を行ったカップルだった。...
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メキシコのプラヤス・デ・ティファナと米カリフォルニア州サン・イーサイドロには両国の国境2000マイルの中で特別な扉がある。「希望の扉」と呼ばれるその門は数か月に一度しか開けられず、今回はここ数年で6回目となる開門だった。このイベントを企画している非営利団体ボーダー・エンジェルズ・グループ事務局のエンリケ・モローンズ氏によって国境警備隊が1時間程度扉を開ける。今回は12組の家族が再会を果たした。
今回最も注目を集めたのが扉で結婚式を行ったカップルだった。アメリカ・サンディエゴ在住の花婿ブライアン・ヒューストンさんとメキシコ・ティファナ在住の花嫁エリベア・レイエスさんは、ティファナ市長の妻や地元の人権団体が立会人となり結婚式を行った。2人は3年前にティファナで出会ったが、移民の手続きの不備で、レイエスさんはアメリカのビザを取得できず、ヒューストンさんもメキシコへ渡れなかったため、このような形での結婚式となった。これによりレイエスさんはアメリカへの入国が可能となった。
「希望の扉」はアメリカで生活をするメキシコ人が故郷の家族たちとビザ無しで再会できるようにした計らいである。開門時間は1時間程度だが、その間に複数組が再会するため、1組はわずか数分間だ。アメリカには1100万人ほどの不法移民がおり、その多くはメキシコ出身である。強制送還される恐れがあることから故郷へ帰国することもできずにいる人が多くいる。再会イベントはボーダーズ・エンジェルズによって2013年以来行われてきており、今年に入って2回目だ。国境の一部はフレンドシップ・パークと呼ばれており、土日の日中開放しており、お互いの家族に会いに行ける。しかしそれは指先が通るほどの小さな穴が空いた壁ごしであるため、直接会える機会は貴重だ。
今回は1時間で12組が再会するため、再会も結婚式もわずか5分だった。ヒューストンさんは「お互いの家族はたった5分しか一緒にいることができない。とても悲しいことだ。」としたが「愛に国境はない」と述べ、感情を爆発させたという。
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