既報どおり、北朝鮮問題に関しては、米中両国は表向き協調路線を貫いている。しかし、中国としては、東・南シナ海領有権問題はもとより、台湾を中国の一部とする“一つの中国”原則については、米国の如何なる横槍・注文について看過するつもりはない。そしてこの程中国は、米議会が成立させた、米台両海軍戦艦のそれぞれの寄港案も含む「2018年国防大綱」に基づき、もし米軍艦が台湾に寄港する場合、中国領土への“侵略”と見做すと宣言した。更に中国空軍が、台湾海峡を含めた台湾周辺の戦闘機等による監視飛行を常態化している。
12月12日付米
『ロイター通信米国版』:「中国、台湾周辺において“離島包囲”の監視飛行を実施」
中国人民解放軍(PLA)空軍は12月11日、数多くの戦闘機等を台湾周辺において“離島包囲網のための監視飛行”させた。
これは先週、米国駐在中国高官の異例発言に続くものである。すなわち、同高官は、米議会が今年9月に成立させた「2018年国防大綱(注後記)」において、米台両海軍戦艦のそれぞれの寄港が許諾されていることに鑑み、もし米海軍が戦艦を台湾に寄港させた場合、中国への侵略と見做すと威嚇した。...
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12月12日付米
『ロイター通信米国版』:「中国、台湾周辺において“離島包囲”の監視飛行を実施」
中国人民解放軍(PLA)空軍は12月11日、数多くの戦闘機等を台湾周辺において“離島包囲網のための監視飛行”させた。
これは先週、米国駐在中国高官の異例発言に続くものである。すなわち、同高官は、米議会が今年9月に成立させた「2018年国防大綱(注後記)」において、米台両海軍戦艦のそれぞれの寄港が許諾されていることに鑑み、もし米海軍が戦艦を台湾に寄港させた場合、中国への侵略と見做すと威嚇した。
中国国防部(省に相当)の沈(シェン)報道官は12月12日、H-6K爆撃機、Su-30及びJ-11戦闘機、早期警戒機の編成部隊が12月11日、宮古海峡及びバシー海峡(台湾とフィリピンの間)を“実戦演習”を兼ねて監視飛行したと発表した。
同報道官は更に、同監視飛行は“日常”かつ“計画的”な防衛上のものであると付言した。
同日付英『デイリィ・エクスプレス』紙:「第三次世界大戦の前触れ?:中国空軍、同国高官が“米軍の侵略と見做す”と威嚇した翌週に台湾周辺を離島包囲監視飛行」
中国国防部の沈報道官は、中国は目下PLAの最新鋭化を進めていて、実戦演習を兼ねた監視飛行はその一環であり、通常の活動であると表明した。
一方、台湾の馮世寬(フェン・シークァン)国防部長(国防相に相当)は、すぐさま戦闘機と軍艦を配備してPLAの活動を監視しているが、演習自体は何ら特別なものでなく、特別警戒をする必要はないと表明している。
なお、中国メディア報道によると、米国駐在の中国高官は先週、米軍艦が高雄(カオシュン)に寄港するや否や、(米軍による侵略と見做し)PLAは自国防衛のため台湾を制圧すると発言したという。
(注)2018年国防大綱:米下院が7月に、そして上院が9月に可決・承認した2018年度国防予算・実施大綱。当初トランプ大統領が議会に申請していた額を上回る、年間6,400億ドル(約71兆7千億円)の国防予算が承認されている。
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