予定されていたとおり、13日の午前中、残っていた最北地域と北極圏のノルウェー領、スヴァールバル諸島でのデジタル・オーディオ放送への移行が完了したと同国の公共・民間ラジオ放送局の団体であるDRNが発表した。
ノルウェーでは、今年の1月11日にデジタル放送への移行が始まった。同国の当局では、デジタル放送は、FM放送の8分の1の費用で、ノイズの少ないクリアな音声や、多チャンネル化、より多くの機能の実現等が可能であるとしている。...
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予定されていたとおり、13日の午前中、残っていた最北地域と北極圏のノルウェー領、スヴァールバル諸島でのデジタル・オーディオ放送への移行が完了したと同国の公共・民間ラジオ放送局の団体であるDRNが発表した。
ノルウェーでは、今年の1月11日にデジタル放送への移行が始まった。同国の当局では、デジタル放送は、FM放送の8分の1の費用で、ノイズの少ないクリアな音声や、多チャンネル化、より多くの機能の実現等が可能であるとしている。
しかしながら、デジタル放送への移行には、技術上の問題に関する批判や、全国的には放送を受信できる地域が十分でないという苦情がある。またラジオの聴取者からは、通常価格が約100-200ユーロ(約13,300~26,600円)という新しい受信機やアダプターを購入する費用にも不満が出ている。DRNの関係者は、車でデジタル放送が聞けるドライバーは、現在全体の半数に満たない(49%)と言うが、やはりネックとなっているのは受信機の費用だ。古い車はそもそもデジタル化が技術上不可能であり、放送が聞けなくなってしまうという問題もある。
地元メディアが示したある調査によれば、ノルウェー人でラジオを毎日聞いている人は1年で10%少なくなり、公共放送であるNRKでは聴取者が21%も減少したという。
「移行は大きな変化であり、聴取者にはデジタルのラジオ放送に適応する時間を与えなければならない。」とDRNの会長は声明で述べている。また「(地域毎の)FM波の停止の後、最初は聴取者数が減るが、しばらく経過すると再び増加する。」と説明している。
今回の移行は全国放送のラジオ・チャンネルだけが対象であり、地元放送局の多くはFM放送を継続する。
英国、スイス、デンマークといった他の欧州諸国も、今後数年の間に同様にデジタル放送へと移行する予定だ。
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