22回目の海外訪問となる今回、ローマ法王は今月15日にはチリに到着し、18日にはペルーへ移動して6都市でミサを行う予定だ。現地で移民と先住民の窮状を訴え、アマゾンの熱帯雨林を保護する必要性を強調するという目的がある。ミサのほかに現地のイエズス会会員やカトリック教会の聖職者、貧困層や弱者、若者、先住民などの団体との面会も予定されている。
しかし、現地ではカトリック教会の聖職者が子供に対する性的暴力があったとして、教会に対し反発が強まっている。...
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22回目の海外訪問となる今回、ローマ法王は今月15日にはチリに到着し、18日にはペルーへ移動して6都市でミサを行う予定だ。現地で移民と先住民の窮状を訴え、アマゾンの熱帯雨林を保護する必要性を強調するという目的がある。ミサのほかに現地のイエズス会会員やカトリック教会の聖職者、貧困層や弱者、若者、先住民などの団体との面会も予定されている。
しかし、現地ではカトリック教会の聖職者が子供に対する性的暴力があったとして、教会に対し反発が強まっている。現地の聖職者で大きな影響を持つフェルナンド・カラディマ氏が子供に性的暴行を加えたとして被害者家族が訴えたにもかかわらず、10年にわたって教会側はその訴えを無視し続けてきたという。被害者が問題を公に発表したことでようやくバチカンも動き、カラディマ氏は2011年に有罪となった。ただ、教会内には同氏が暴行していることを知っていながら放置したであろう人物がいるなど信者に大きな傷を与えた。
これに加え貧困など生活に対する不満も重なって、チリの首都サンディエゴでは12日以降5つの教会に発火物を投下されるなどの襲撃事件が相次いでおり、負傷者は出ていないものの、扉が焼ける、窓ガラスが割れるなどの被害が出ている。法王が滞在予定のバチカン大使館付近の教会も被害にあっており、チリの内務次官は警備体制を見直すとしていた。襲撃された壁には「貧困者は死にかけている。」などと書かれており、ばらまかれたビラには「次は法王を狙う」などと予告されていた。チリでは、法王が到着するわずか数時間前、活動家たちが性的暴行問題に対し、虐待した聖職者とそれを隠そうとした教会に対し制裁を要求した。また、ペルーでも法王の訪問に合わせてカトリック教会の対応を非難してデモが行われるとみられる。
地元紙で被害者家族は法王との面会を希望していると伝えられたが、ローマ法王庁によると面会の予定はないという。
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