国連のステファン・デュジャリック報道官は12日、北朝鮮が同国の銀行に対する制裁措置により、分担金の送金ができなくなったと主張しており、国連はその滞納分をめぐり、同国の支払いが可能となるよう協議を行っていることを明らかにした。滞納が続くと国連総会での投票権を失う可能性もある。
北朝鮮の朴明国(パク・ミョングク)外務次官は1月31日付で、国連事務次長で管理局長のジャン・ビーグル氏に宛てて書簡を送った。朴次官は、国際金融取引を行う朝鮮貿易銀行が、国連安保理の決議により昨年資産凍結の対象に追加され、送金ルートが遮断されて分担金支払いが困難になっていると訴え、銀行取引を可能とするための措置を求めた。
これを受けて、北朝鮮の慈成男(チャ・ソンナム)国連大使は9日、未払いの分担金について協議するため、ビーグル管理局長と面会し、約12万1,500ドル(約1,320万円)の送金ができなくなった事情につき説明している。...
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北朝鮮の朴明国(パク・ミョングク)外務次官は1月31日付で、国連事務次長で管理局長のジャン・ビーグル氏に宛てて書簡を送った。朴次官は、国際金融取引を行う朝鮮貿易銀行が、国連安保理の決議により昨年資産凍結の対象に追加され、送金ルートが遮断されて分担金支払いが困難になっていると訴え、銀行取引を可能とするための措置を求めた。
これを受けて、北朝鮮の慈成男(チャ・ソンナム)国連大使は9日、未払いの分担金について協議するため、ビーグル管理局長と面会し、約12万1,500ドル(約1,320万円)の送金ができなくなった事情につき説明している。
国連安保理は昨年、米国主導で北朝鮮に3度の制裁を科し、同国が核・ミサイル開発計画を放棄するよう圧力をかけた。米国は北朝鮮を孤立させ、国際金融システムへのアクセスを断ち切ろうとしている。米国は朝鮮貿易銀行を2013年から独自の制裁対象としており、国連は昨年8月に制裁リストに追加した。
北朝鮮の国連代表部は声明で、違法な制裁によって、「国連の加盟国としての義務を履行する」ことができなくなっていると非難した。滞納額が過去2年分の分担金の合計額を超えると、支払いを怠った国は、最終的に国連総会での投票権を失うこともあり得る。
国連のウェブサイトによれば、現在、分担金の滞納が過去2年分を超えるのは12カ国だが、投票権を失った国は、中央アフリカ、ドミニカ、赤道ギニア、グレナダ、リビア、スリナム、ベネズエラ、イエメンの8カ国となっている。北朝鮮は2018年分を除けば、これまで分担金をきちんと支払ってきたとしている。
デュジャリック報道官によれば、ビーグル管理局長が北朝鮮の代表部に対し、「国連は北朝鮮と協力して、支払いが可能となる方法を考えていく。」と語ったという。1つの解決方法として、北朝鮮が、多くの国連の職員が使っている「国連フェデラル・クレジット・ユニオン」に口座を開設することが考えられるとのことである。
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