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豪で瓶入りの手紙が132年ぶりに発見、独の帆船が海流推計のため1886年に海に投下(2018/03/07)
オーストラリアの海岸で、今年初めに古い瓶に入った手紙が見つかった。その後の専門家の調査により、瓶はドイツの帆船が海流を推計するために1886年にインド洋上で投下したものであることが判明し、西オーストラリアの博物館が6日、この事実を発表した。投下から発見までの約132年という期間は、世界最長記録となる。
今年の1月、オーストラリア西部のパースに住むトーニャ・イルマンさん夫妻が、浜辺に打ち上げられた古いジンの瓶を発見した。「それはただ素敵な古い瓶のようだったので、私は自分の本棚に置くと見栄えが良いと思い、それを拾った。」とトーニャさんは語っている。
トーニャさんがその瓶を拾い上げると、湿っぽい手紙のようなものが丸められ、紐に縛られて中に入っていた。手紙が残っていたのは奇跡に近い、瓶は蓋もなく砂に潜り込み、激しい雨や強風を受けた後だったからだ。...
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今年の1月、オーストラリア西部のパースに住むトーニャ・イルマンさん夫妻が、浜辺に打ち上げられた古いジンの瓶を発見した。「それはただ素敵な古い瓶のようだったので、私は自分の本棚に置くと見栄えが良いと思い、それを拾った。」とトーニャさんは語っている。
トーニャさんがその瓶を拾い上げると、湿っぽい手紙のようなものが丸められ、紐に縛られて中に入っていた。手紙が残っていたのは奇跡に近い、瓶は蓋もなく砂に潜り込み、激しい雨や強風を受けた後だったからだ。手紙はドイツ語で書かれており、日付を見ると1886年6月12日となっていた。
瓶と手紙は西オーストラリア海洋博物館に送られ、5週間にわたる調査や鑑定の結果、本当に当時のものであることが判明した。研究者らは、その瓶に入った手紙は海流を推計するために投入されたもので、ドイツの海軍天文台が1864年から1933年に実施した数十年にわたる実験の一部であったとしている。
当時のドイツの実験では、数千通の手紙が瓶に入れられ、海の様々な場所に投下された。それぞれに船名、投下した際の船の位置や日付などが書かれており、裏面には発見者に対し、見つけた日付や場所を書き込んで、最寄りのドイツの公館に届けるよう促す文言が書かれていたという。投下された数千通の瓶に入れた手紙の内662通が発見され、回収されている。しかし、直前の発見は1934年1月に遡り、デンマークで回収されたものだった。この手紙の形式も同様だったことが分かっている。
今回発見された瓶と手紙は1886年6月12日、ドイツの帆船からインド洋上で海に投下された。そして131年と223日後の今年の1月21日、西オーストラリア州の州都パースの北およそ180キロの海岸沖にあるウェッジ島の砂浜で発見された。これまで回収された瓶に入った手紙としては、発見までの期間が最長のものとなり、それまでの108年余りという記録を塗り替える大発見となった。
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