3月12日付米
『Yahooニュース米国版』(
『AP通信』配信):「最近の南シナ海情勢」
中国はこれまで、水産・石油・天然ガス資源が豊富な南シナ海を我が物にしようと、周辺小国を経済力・軍事力で黙らせてきている。
この中国覇権は許さじと、特に米国が表立って反対してきているが、同じく中国進出を面白く思っていないインドや豪州も、中国貿易依存はさておき、様々な抵抗を見せ始めている。
・仏印首脳、インド洋での両国連携強化を確認
訪印中のフランスのエマニュエル・マクロン大統領(40歳)は3月10日、インドのナレンドラ・モディ首相(67歳)との間で、最近特にインド洋に進出してきている中国を牽制するため、両国が連携してFONOを支持し、同海域の航行船舶の監視等に協力して当ることを確認した。
米国は、インド・太平洋における中国進出を食い止めるため、インドの対応に期待しており、インドも、米国の他、フランスや豪州の海洋安全保障での協力を仰いでいる。
なお、フランスはインド洋に3ヵ所-海外県のレユニオン・マヨット、海外領土のフランス領南方・南極地域を抱えていて、100万人程のフランス人が暮らしている。
・中国、南シナ海の防衛強化が必要と表明
中国軍事科学研究院副校長の荷雷(フー・レイ)中将は先週、中国主権擁護のため、南シナ海人工島に戦闘機等を含む防衛設備を完備させる必要があると表明した。
また、王毅(ワン・イー、64歳)外交部長(外相に相当)は3月8日朝、中国が目下ASEAN諸国と、南シナ海における行動規範(COC)詳細を詰めようと対話している最中なのに、米国やその同盟国が余計な邪魔をしようとしていると非難する声明を発表した。
一方、3月13日付英『デイリィ・メール・オンライン』(『豪州AP通信』配信):「ターンブル豪首相、ASEAN首脳をシドニーに迎えて首脳会議開催」
マルコム・ターンブル首相(63歳)は今週、ASEAN首脳をシドニーに招いて、連携強化を図る一環で首脳会議を開催する予定である。
同会議は3月16日から始まり、南シナ海問題、対北朝鮮制裁、更には貿易自由化などについて協議される。
ただ、同首相が人権問題や資金清浄問題を強く推すと、反発が予想される。
・カンボジアで33年間政治のトップとして君臨するフン・セン首相(66歳)は、人権問題の講義など聞きたくないと主張。
・ロヒンギャ族難民問題を抱えるミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問(72歳)には耳が痛い話。
・1MDB(マレーシア国内産業の振興・多角化を目的とした政府系投資会社)の不正資金問題は、マレーシアのナジブ・ラザク首相(64歳)としても、触れられたくない話題。
なお、麻薬撲滅運動に関わる超法規的殺人問題で国際社会から糾弾されている、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領(72歳)は、今回の首脳会議への参加を見合わせている。
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